西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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#天使週間 細い橋を渡る子供たちと守護天使。この構図は多色刷り絵葉書でさんざん利用されたあと、19世紀末頃から実写化されてさらに大量投下されていきます。一応「幸運絵葉書」の範疇にあるような。商業レベルでの天使のイメージの固定化の資料として。
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雑。英国の習慣法によりますと、「地上」にて発見されたお宝は発見者のものとなる一方、「地中」から発掘されたそれは発見者と土地所有者あるいは王家で山分けにする決まりだとか。洞窟のお宝は前者に分類されるそうで、ゴブリンたちが守っておるのです。地中の金脈はノームの担当になるのでしょう。
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雑。複数光源が常態の現代生活。昔、ロウソクの灯りひとつで就寝する子供たちの不安を想像してみるのであります。夢の世界に入れば傍らのテディベアすら信用できません。絵は1934年のカナダの読本から。影の出方の不自然さが不安をあおっています。
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雑。コーンウォール地方ではアンモナイトの化石を「魔女のゆりかご」 witch's cradle と称して珍重するとのこと。大型のものは教会に安置され、夜中に揺れる音がすると噂されることも。描写を鑑みるに平置きではなく縦置きしているようですが、画像的支援に乏しいのが悔しいところであります。
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雑。そろそろ「雲見」によい季節であります。変化する自然現象を「神々からの呼びかけ」と見なすメンタリティー、それが重要な時期もございます。そしてすべての人為は「神々への呼びかけ」になるわけで、返事のあるなしはまた別の問題ということで。
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さて八月。八月は豪奢な黄金のガウンをまとう壮年として描かれます。エスコートされているのはおとめ座のおとめ。かつて地上に豊穣をもたらしていた女神様ですが、人間の放埓さにあきれて天界に避難されたとか(諸説あり)。八月おやじがしっかり手を握っているのも事案であります。
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続・聖パトリック祝祭日。アイルランド紳士の正装に欠かせないのがシレイラと呼ばれるブラックソーンの杖。スリープの魔法が備わっていて、これでぼこっと殴ると相手が眠るそうです。アイルランドの喧嘩の場面にはたいてい描かれています。
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暦。12月10日はライダー版タロット発売記念日。1909年のこの日、ロンドンに登場した英語圏初の The Tarot 。幾多のトラブルに見舞われつつも世界のスタンダードに成長する様子はイェンセン著『ウェイト=スミス・タロット物語』に詳しく描かれています。
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暦。10月22日は #生命の樹の日 のほうがふさわしいと思いなおしました。カバラは10&22以外にもさまざまな分野がありますので。ともあれ本日はいろいろな生命の樹を学ぶ日といった感じでいきたいと思います。
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続・ガブリエルの猟犬。コーンウォール等の伝承によれば、この霊的猟犬たちは別名をスカイ・イェルパーともいい、闇夜になると比較的低空に出現するそうです。目に見えない猟犬の群れが吠えながら空を横切るとのこと。獲物は「義務を果たさずに逃げまわる魂」とされています。
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雑。先ほどよりメイドさんの靴下の話題を発信しております。それがオカルトとなにか関係があるのかと言われますと、実際問題として転生者の証言検証の際にこういった細かい部分が決め手になることも。図は当時のオールワークメイドの戯画。すべて猫のせいにするのだそうです。
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雑。妖精の成長に関しては諸説あるようです。ベースとなる植物によって決定されるのだとか。小妖精がやがて一帯を統べる神霊に進化するとの見解もございます。図は1911年のスポフォード『妖精の取り換え子』から、ファニー・コーリーが描く妖精たち。右端はフェアリー・レディー。
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ーーお屋敷に出没する修道女の幽霊といった伝承には十分に裏付けがあったとのこと。場所の記憶なのか、そのまま亡くなった人の「残念」か。英国におけるカトリック弾圧は17世紀になっても収まらず、19世紀前半まで尾を引いたそうです。
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時事。さて戴冠式に用いられる宝飾類はロンドン塔にて厳重に保管されているのですが、それでも1671年に一度盗まれたことがあるとか(その後回収)。ともあれ大鴉や幽霊たちが警戒の任にあたっているはず。図は1896年の戴冠宝飾の展示状況。当時の評価価格300万ポンド(換算600億円?)とか。
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雑。角笛は真の意味での召喚機能を有するがゆえに権威の象徴とされ、土地の権利書代わりに教会に保管される場合が多かったそうです。当然、然るべき神通力を帯びるものとされ、大音響で悪霊を祓ったりします。静かに遂行される魔術では意外に登場が少ないのであります。アンドリュー『教会伝承』から。
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そういえば今年もカーナビが「今日はオカルトの日です」と通知してきました。他に候補もあるでしょうに、変なアルゴリズムであります。オカルトという言葉から得られる印象はひとそれぞれ。自分は基本的に「西洋系のあやしげな魔法」と思っております。 #オカルト記念日
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雑。聖職者の幽霊はどこかとぼけた方が多く、妙に人間くさいのが特徴のようです。1530年7月、コーンウォールかどっかの港町に幽霊僧侶の一団が現れ、漁船を乗っ取ってバーゼル公会議(1431)に向かったという記録があるのです。100年ずれるあたりが面白やと。図は飲んだくれの幽霊修道士たち。
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雑。病気相手の呪術でも、呪う相手の姿がわからないと話になりませんので、関係者もいろいろ工夫します。ごろつき風なのは虫歯菌たち。得体のしれない虫は結核菌。とりあえず絵画化すればこれを燃やしたり川に流したり。顕微鏡を覗いてチフス菌の人形を作る呪術師のエピソードも有名であります。
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雑。聖書の魔術的利用という分野はときに危険な領域に踏み込みます。詩篇第55編は敵に死をもたらす呪いの歌とされていて、これを唱えつつ適宜呪うべき相手の名を組み込むと効果大との伝承も。聖書を読みつつ悪意を放つことも可能なり、と。図は「詩篇の寓意」。タロット図像学的にも興味深いです。
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雑。蝶の擬人化なのか仮装なのか、それはともかくタテハチョウ系が組み込まれた珍しい例を発見。とりわけボネットに応用したのは初めて見ました。シンボリズムはこれから考えます。19世紀末のグリーティングカードとおぼしきものから。
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聖土曜日の伝承 ・教会では巨大蝋燭をともして神のいない夜に備える ・聖土曜日に買ったアクセサリーを身につけるとカラスに襲われない ・野外でゆでたまごを食すとラッキー ・比較的早寝して日曜朝の日の出を拝むとラッキー 聖土曜日は百鬼夜行の日でもあるので妙な伝承が多いです。
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怪。イースターシーズン独特の怪談もあるわけで、かの総督ポンティオ・ピラトはその後フランス地方に左遷され、失望のあまりローヌ川に身投げしたとのこと。死骸はそのまま一帯を汚染し、悪霊と疫病が蔓延して500年の災厄を招いたという伝承。もちろん裏付けとなる史実は見当たらずーー
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妖精の靴屋さん。チャターボックス1874年版に収録されたそれは舞台がコーンウォールになり、妖精も通常のエルフではなくピクシーに。ストーリー自体は他のものと同一で、裸ではかわいそうと老夫婦が服を贈るとそれっきり姿を消してしまいます。同誌独特の挿絵がいい感じに不気味です。
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雑。勢いで海外に紹介された「道成寺」を調べまして。「キヨヒメ、あるいは愛の力」「道成寺の鐘」といったタイトルのもと、ストーリーはほぼ間違いないのですが、語り口によって印象はえらく違うから面白いのであります。Dragon Maid and the Bell 。カラー図版はグレース『青柳』からゴブル作。
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さて二月になるとハリネズミが眠い目をこすりつつ穴から出てきて、空をしばらく眺めるとふたたび穴に戻って二度寝するという伝承。そのときの様子で三月の天候がわかるというのですが、具体的な記述に乏しいのです。とりあえずひなたぼっこ。図は当館のモニタークリーナー(本来の用途にあらず)