西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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季節。「雪が降るのはホレおばさんが羽根枕を修繕しているから」。ということでラッカムの絵ではガチョウが羽根をむしられております。この老婦人は勤勉な者には優しく、怠惰な者には厳しいのであります。冬の女神様なり、と。
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卵の墜落事故の現場を描くと結構こわい絵になることが多いようです。擬人化するとさらに不気味な場合も。絵は1913年の楽譜集から。
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時計の雑。巨大柱時計といえば「おじいさんの古時計」の歌が有名ですが、あれも原典の歌詞はなかなかのもの。「真夜中、それまで故障していたアラームが鳴りひびくとおじいさんが息をひきとった。それからもう二度と動くことはなかった」。そこそこ怪奇なのであります。
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で、英国で作物泥棒といえばまずキャベツ。グリーナウェイが描く「デブゴブリンのワルガキ」は毎晩のように二三個盗んでいくのです。農夫に追われても逃げきってしまいます。見るからに憎たらしい顔です。誰でも知り合いに一人いるような顔です。
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雑。暦本に中世の写本職人の作業机の様子が紹介されておりました。複数のインク容器、二段式インク壺、ペンナイフ、砂時計、拡大鏡、鋏、インクパッド、羊皮紙の切れ端。角度をつけた作業台。集中時間を決めておくための砂時計が興味深い存在。もちろん納期が迫れば修羅場と化すのであります。
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さらにラウントリー・スミス。あまり裕福でない家の、しかし真面目な少女が毎日お使いで通る森のなかで靴造りの妖精に出会い、足を採寸されている図。やがて妖精から靴をプレゼントされるのですが、それを履くとフェアリー・ステップを踏めるようになるのです。お話はそこでお終いーー
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先程のRT。中世の時祷書は現在ページ単位で売られているものもあります。本から零れ落ちた一枚という意味で零葉と称します。当館は数枚ゲットして力尽きました。それでも本物の羊皮紙に触れる機会を得られて貴重でした。裏と表で手触りが違うのです。肉筆の魔力も実感できましたしーー
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季節の話題。東方の三博士ガスパール、メルキオール、バルタザール。かれらは星に導かれて無事にベツレヘムにたどりついたということで旅行の守護聖人とされ、その名を刻んだ護符指輪が大量生産されたそうです。ケルン大聖堂には三博士の頭蓋骨を納めた聖遺物筐があり、尊崇を集めているとか。
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暦。10月17日は英国国教会による聖エセルドレーダの祝祭日(カトリックは6月23日)。王族に生まれ、政略結婚から信仰生活へ入られた聖女さまです。旅の途中、お昼寝しているあいだに杖が芽吹いて巨大な樹木(トネリコ)になったという伝説があります。別名を聖オードリー。
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季節の挨拶。今年も近所の空き地の柘榴が元気です。こんな感じで枝からぶらさがるのであります。なぜかさまざまな女神様に愛される果実。下のほうの実はタヌキやハクビシンのおやつになっているようです。おもしろや、と。
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さてひなまつり当日。海外には「人形まつり」として紹介されますが、日本在住の人による正確な描写もあれば、文字情報のみを頼りに適当に挿絵をつける場合もあります。図は1901年に描かれた「中国と日本の遊び」。ダイナミックな羽子板、竹馬、ひなまつりと、微妙なずれ加減を楽しむべし、と。
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季節。寒い地方ならばもうすぐジャック・フロストが出没して窓ガラスに絵を描くのでしょう。今頃は山を紅色に染めているのか。  ちなみに英国ではヘンリー八世の御代にあってもガラス窓があるのは教会か大貴族の館くらいだったそうです。庶民がジャックの芸術を知るのは18世紀に入ってからとのこと。
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雑。ハンカチの魔法使い、と称されるパーラーゲーム。それ風の魔法の名前があって、頼まれると占いをしたり呪いをかけたりします。日頃は口にできない本音をかたることもあれば、とんでもない嘘をつくことも。由緒正しい魔法であります。ベルー『遊戯大全』(1866)から。
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クリスマスの伝承 ・ぶらさげた靴下に曲げた釘を入れておくとラッキー ・24日の真夜中(0時)になると牛がしゃべる ・当日に野外で洗濯物を干すとアンラッキー ・イブには幽霊はまったく出ない ・イブには狼男の一団が酒蔵を襲う 図は一次大戦時の煙草の広告。塹壕のサンタクロース。 #スパウォー
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魔弾の作り方に関して再掲。七発六中というのは『魔弾の射手』内の設定のようです。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。チェンバースによれば、英国では1月14日を一年でもっとも寒い日と位置付けていて、また実際この前後にテムズ川が氷結することが多かったとのこと。凍ったテムズ上では露店が立ち並び、いわゆるフロストフェアが開かれるのであります。この自然発生的な祝祭も1810年代を最後に終幕ーー
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雑。ハロウィンは一応スプーキーナイト。学童がトリックオアトリートで遊ぶ一方、適齢期男女は不気味な夜長をさまざまな恋占いや恋のおまじないをして過ごします。ここでだめならクリスマス、それでもあかんなら来年のバレンタイン。だめもとエンチャンターのデスパレートな日々は続くのであります。
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暦。11月22日は音楽と音楽家の守護聖人セシリアの祝祭日。聖女セシリアは楽器を奏でながら神を賛美したと伝えられ、「その声を聴く人は天に昇り、天使はその声に魅かれて地に降る」(ドライデン)とまで称されています。オルガンの考案者ともされ、図像は各種楽器とともに描かれます。
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雑。ハロウィンに行われるさまざまな占い系は特に test と呼ばれていて、フォーチュンテリングとは一線を画します。  教会の庭の土を一塊持ってきて、パーティー参加者がそれぞれ自分の名前を書いたロウソクを立てていく。最後まで燃えたらラッキー、なのですがなかに数本途中で消えるよう細工がーー
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珍品。ハロウィンゲームを探していて遭遇。「クエーカー集会」。女子が数名、椅子に座って無表情のまま親指を回し続ける(図参照)。男子数名が女子の前で次々に牧師の真似をして、最後にずっこけて見せる。女子は笑ったら負け。なにやら闇が深そうなのであります。『児童遊戯全集』(1889)から。
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雑。バークシャーの外れに「ウェイランド・スミスの洞窟」と呼ばれる遺跡があり、ここに腕のよい妖精鍛冶が住んでいるとのこと。この近辺で馬の蹄鉄が外れたときは、馬をここに連れて来るとよいそうです。銀貨を置いてからしばらく離れていると妖精が蹄鉄を装着しなおしてくれるといいます。
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ーー金髪男性は問答無用で追い払う、門前払いにするとの記述も多いのです。冬場になると北方のバイキングに襲われた日々の名残とのこと。図はパンチ誌から「ファーストフット」の図。頭髪分布に空白がある人も金髪よりはましということらしいです。
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暦。5月3日は聖ヘレナがエルサレム近郊で聖十字架を発見したとされる日。この十字架は聖遺物中の聖遺物となり、王侯貴族が大金を寄付して欠片を頂戴するのであります。にもかかわらずいっこうに減る様子もなく、むしろ増殖する気配もあるという奇跡の木材。神学的には説明がつくそうです。
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暦。5月3日は十字架発見の日。320年頃のこの日、コンスタンチヌス帝の母ヘレナがエルサレム近郊にてキリストが架けられた十字架その他を発掘したとのこと。やがて十字架の木片は王侯貴族に下賜される至宝となり、いくら配っても本体は減らない有難さーー
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雑。curfew 夜間外出禁止令はフランス語の couvre-feu 消火が語源で、もともとは就寝前に竈や暖炉の火を落とす合図の鐘の音だったとのこと。ノルマン征服とともにこの習慣が英国に持ち込まれ、やがて意味もほとんど忘れ去られ、不気味な鐘の音として田舎の一部で継承されていったそうですーー