西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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#最近覚えた覚えなくていい英単語 outmiracle  (vt) (より上位の奇跡によって)奇跡を無効化する 地方の聖人が行うささやかな奇跡などを大聖人が制圧したりする際に用います。転じて、小さな発明を大発明で潰す場合などにも使用。覚えなくてもいいとまではいいませんがーー
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心得。ローヴェットによれば、マントルピース上に並ぶ物品はその家にとってのラッキーチャーム類である場合が多く、重要な観察対象なのだそうです。漠然とした供物としての意義も込められるとか。暖炉系のカルチャーは圏外の人間には難しゅうございますが、見逃さずにいたいものです。
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お宝。つけぼくろ容器 patch box 。50x40x8mm、38g。19世紀半ばの銀板プレスに塗金。パッチボックスは蓋を開けると鏡があるのが特徴。角のあいだに十字架を持つ鹿が描かれていて、聖ユベールの加護が付与されています。つけぼくろは貴婦人のお洒落として一時期大流行したのでありますーー
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雑。ピーター・ラビットに代表されるウサギさんの擬人化もの。かれらは常にキツネや人間といった天敵を抱えていて、しかし食物を求めて農園に侵入をはかります。得意技は知恵と繁殖というあたり、なかなかのグノーシス思想といえましょうか。図はラウントリー・スミス『コトンテイル物語』から。
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王子関連。王子様ばかりを登場させるアダムズ童話集(1836)。さまざまな気質を王子化していて、教訓的すぎて面白くないのが玉に瑕。登場するのは魅力王子、小規模王子、不幸王子に幸運王子、知性王子に鼻長王子など、いろいろと。チェリー王子は美女と野獣の原型のようなお話でそれなりに読めます。
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暦。3月5日は #珊瑚の日 。図にありますように、日本産の珊瑚がかなりの数量で西洋に輸出されていて、外貨稼ぎの一助となっていた模様。ちなみに19世紀の英国オカルト界では水晶玉といえば日本製がメイン。護符用の珊瑚玉も日本のシェア率が高かったと推測されるのであります。
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雑。教会の鐘は鐘楼に取り付けるまえに儀式を行い、特定の聖人や天使に奉献することで機能性を持たせるのであります。写真の鐘には悪魔を倒すミカエルのプレートが嵌め込まれていて、悪霊退散を意図していると推測されます。冠婚葬祭、さまざまな場面で聖なる響きをもって場を清めます。
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わたしが病気で寝ていると 妖精たちがやってきて 頭のまわりで踊ってあそぶ ほかの人には見えません ーーローズ・ファイルマン(1877-1957) 幽霊や妖精を体調不良がもたらす幻覚とする発想は、しかし特定の疾病の原因を特定の妖魔に求めるという旧来の思考と大差ないのかもしれません。
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雑。さて12月。この季節、強風をもたらす精霊は「ふいご」を手にするのであります。この道具は火おこしにも使われるため、火事を連想させる不吉さも持ち合わせています。暖房と強風は危いカップルということで。絵はチャールズ・ロビンソン、イヴリン・シャープ『風見鶏物語』から。
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雑。19世紀に入ると大仰な四柱式寝台はやはり少数派となり、図版クラスの品が増えてくるようです。もちろん四方系のおまじないは健在ですし、正しい側から降りないと一日中アンラッキーだったり。見えないところに護符を貼ったり、ピアスを片方だけ捨てたりするのもお約束。寝台まわりは怖いです。
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敵が魔法を使ってるかもしれないと感じたら、刀身を舐めたり、手のひらに唾を飛ばしてから拳を握りしめるわけです。日本では「眉につばする」のであります。唾液の退魔効果に関してはプリニウスの頃から伝わっているとか。
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イースターは卵型のものをプレゼントする季節でもあります。先般紹介したハンドクーラーもそのひとつ。デビュー前のお嬢さまに、汗ばむ手は淑女の恥ずべきところと伝えつつ。ドレスの色に合わせて何種類も揃える向きもあったようです。写真のは孔雀石。
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さて #13日の金曜日 凶日という発想はもちろん英国にも古来より存在していて、ここに紹介するのはそのひとつ。△が凶、Xが大凶。これに金曜日が重なるとトリプル凶となりますが、面白いのは五月に凶日がない点。さらに13日もない点でしょう。13日の金曜日は比較的近年の発明なのであります。
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シーズンイン関連。覚醒型吸血鬼の特徴も一応伝わっています。 ・七男あるいは七女 ・頭頂部の毛髪密度が希薄 ・独身 ・11月中旬から野外で寝ることを好む 映画『ノスフェラトゥ』の吸血鬼は意外に忠実な描写だったのかもしれません。
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なおワンコはクリスマス方面にはあまり関心がないとのこと。このあたり、対比的であります。
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――一生を不可思議な研究や探検に費やし、その方面で名をなしたり著作を残したあとはカントリーサイドで隠居して犬を飼い薔薇を育てる日々。 "With a dog and a few good books"  英国異能紳士の面目躍如たるところでありましょう。写真はオールドバチェラーの典型、W・グレアム・ロバートソン。
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暦。1月20日夜は「聖アグネス前夜」。乙女が一食抜いて就寝すると将来の伴侶の夢を見るという夜。ベン・ジョンソンも言及している由緒正しい恋占いがキーツの筆によって永遠の生命を得たといえましょう。絵はウェナートの小妖精たちがかわいくてよろしいかと。
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やってみましたスナップドラゴン。小型のフライパンにアーモンドとクルミを入れ、ブランデーがなかったのでウィスキーで。部屋を暗くすると青い炎がいい感じに揺れて雰囲気はあります。炎を消す際は蓋をかぶせるのが一番。
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――黒魔術校では卒検の内容を事前に知ることが一番大事なのだそうで、悪魔教授を出し抜く話がいろいろ伝わっています。スコットランドの名門子弟がグランドツアーの折にイタリアの魔術学校に短期留学する話もありました。面白や、と。
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妖精集会の覗き見とその顛末もヴァリエーションが多くて面白いです。いたいけな子供は大目に見てもらえたり、図々しいおばあさんはボコボコにされたり。エルフィンフェアでは妖精金を持っていればきちんと買い物ができるのだとか。冷やかしが歓迎されないあたり、それなりの経済活動であります。
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雑。夏から秋に変わる頃といいますから今頃でしょう。「ノアの方舟」パーティーなるものが開かれていたといいます。動物のマスクを着用した子供たちが主催者の家に集まり、方舟に見立てた一室に入る入らないで遊んだと記録にあります。子供の遊戯が神話の再現となる場合、その魔術性は強力なり、と。
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Vデーに目にする小鳥によって将来の伴侶を占うという伝承がありました クロウタドリ 牧師 コマドリ 船乗り オウゴンヒワ 億万長者 黄色い鳥全般 金持ち スズメ 慎ましい庶民 青い鳥全般 詩人、びんぼう人 イスカ 喧嘩が絶えない人 鳩の群れ 全般的にラッキー 鳥の分布が異なる日本では?
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6月23日夜=聖ヨハネ前夜の伝承 ・海に沈んだ鐘が浮かびあがり、ひなたぼっこをしてから沈む ・今宵に収穫するハーブは効力倍増 ・頭に石を乗せて焚火を飛び越え、石が落ちなかったらラッキー ・今宵、ブルターニュ地方では幽霊が大量出現して家屋を占拠するが誰も気づかない 変なのをピックアップ。
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雑。チェンバースによれば、文人政治家サー・ウィリアム・テンプル(1628-99) は自分の心臓を銀の小箱に入れて庭園日時計の下に埋めよと遺言したとのこと。遺言はその通りに執行され、当の日時計も現存しているそうです。この種の日時計はいろいろなおまじないの舞台にもってこいでありましょう。
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雑。昔のハロウィンのパーティージョークは独特のものがあったらしく、だいたい聞くと疲れる(憑かれる)のであります。 ・「アダムの一日が長かったのはなぜか? イブがなかったから」 ・「海の魔女、山の魔女、砂漠の魔女。食べていいのは?」 推して知るべし、と。