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しかし、1年モノ大河のまだ8月の段階で、主人公が”鎌倉”という上位概念を守るためなら人の心も捨てる底の底まで来てしまっていると、ここから残り3分の1ある以上、もう1~2段階はまだ小四郎の変貌があるかもしれないんだよなあ… 脚本と演者にまだ絶望の引出しがあるのか、もしくは。
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自分が惚れた人の宿願に巻き込んだ弟に「一心同体」と引き止められる政子も、梶原弾劾でも重保殺害でも小四郎に荷を負わせつつ自分は安全圏にいたつもりが、公暁を使った杜撰な計画ではさすがに以前のようなリカバリーが効かなかった平六も、小四郎に今まで注いでたものがある意味返ってきてるんだよな
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てっきり重忠の死で、いよいよ政子も弟と同じ次元へ腹をくくるかと思ってたのですが、違うんですね。そして小四郎にとっても、姉が同じ血塗られた道を歩んでくれる人でなく、この期に及んでも父を殺すなと言える人なことこそ逆に救いなのかもしれない。八重との愛息泰時がいつまでも青臭いのと同等に。
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ああ… むりに岡山へ連れ帰る強引なことはしないけど、おはぎの薄利多売でるいに相応しい教育と生活を今後させてやれるかと、その言葉が安子を無茶な忙しさに駆り立て、そして怪我と諦めに繋がってしまうのか。
再婚話のときといい、千吉さんの優しい正論はいつも隙がなく安子を追い詰める。
#カムカム
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今年1年間見ていたものは、実在する『吾妻鏡』を基にした物語というより、来年放送される松潤の顔をした家康公が、あの世界の中で熱心に読み、その脳内でずっと長澤ナレで再生されていた『吾妻鏡』という、入れ子構造のような何かだったのかもしれない。とふと浮かびましたおはようございます。
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こうして、言ったこともやったことも全て返ってくる厳しい #鎌倉殿の13人 世界観を再確認した回で、「天に選ばれた為政者」という概念に梶原が仕えてきた、その働きの象徴でもある善児を小四郎に譲り渡すことの、祝福と呪いの重さよ…
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第24回副題「変わらぬ人」、変わらず誠実だから生き残れない蒲殿なのか、立場は人を変えると言われつつ実は、子を失い冷酷な命令を下す構図は第1回と同じ頼朝の変わらなさなのか、変わらずにいてほしい盟友なのか、変わらず美しいのは死んだ冠者殿だけという話なのか、ずっと考えてる。
#鎌倉殿の13人
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第8回終盤、頼朝が政子に跡継ぎをと言う場面。下女に紛れ込ませた亀に、お前はあくまでも妾で嫡男を産む立場ではないと言外に告げてる意味でもエグいな…と初見で思ったのですが、ここで盛長が和田と畠山の出立を報告する、つまり元嫁の八重がいる伊東攻めも同時進行させてて、何重にエグいんですね…
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えっ!と思わずプラスで確認してしまいました>RT
本当だ… 確かに「たちばな」の文字が書かれた包み紙がお供えされている。
もしや、あのおはぎ少年が、安子失踪後に商店街に戻ってきて、かつてあった和菓子屋の名前を誰かに聞き、恩義を込めて名前を借りた可能性も?
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子供の時のショックで一時期は感情を閉ざしてた大姫が、成長したら笑顔で一見普通に生活し、でもふとしたとき心の傷穴がぱっくり口を開ける描写がやけにリアルだったように、小四郎が今回やけにあっさり再婚を決めたのも、喪失や痛みに慣れきって感情の振れ幅が狭くなってるからできた判断にも見えて。
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丸でいえば、大坂編の恐ろしさは主に天下人秀吉による歪みからもたらされたし、組!も時代の激動に呑み込まれ背負わされた悲劇があった。 でも鎌倉殿は、確かに「そういう時代である」と描く部分があるにせよ、17回時点でもう既に小四郎が、誰かのせい だ け にはできない領域に片足突っ込んでる。
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るいの過去も片桐さんとの淡い恋も、ずっとつかず離れずの距離で見守ってきていた竹村夫妻が、るいの「母に捨てられた」話を聞き、そこから「お母さんに会いたいんやな」とるいの内奥の心を汲み取るジョーの人となりを見て、初めて一歩踏み込んでおせっかいするのが、とても温かく優しい。
#カムカム
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扮装なしでも「おばけ」として全力で脅かし、ギャーと逃げる客に「ありがとうございました」と律儀に言う虚無さん、本日も最高でした。サイン会の余興で、しかも小学生の前でも、全力で斬られ演技をしていたあの頃から、ずっとこの人は「日々鍛錬」で目の前の仕事に取り組んでるんだな。
#カムカム
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平六の謀略は結局、ギリギリ綱渡りで戻っても平六を頼り受け入れる小四郎の甘さがあり初めて成り立ってた(ただし小四郎も平六に甘えてるのでイーブン)坂東サイズなのではと考えると、西へ相当食い込んでたつもりが実はその他大勢扱いだった院宣の件は、それを突きつけられたようで少々気の毒ではある
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序盤から、父が自分の才を頼ってくれるのに喜びを感じつつ、あくまで最終判断は父に委ねる、そんな己のバランス感覚にも誇りを持ってる様子だった平六が、先週の木曽行きで義のため嫡男を人質に出す義仲ショックを経たせいか、今日の「父上のお好きなように」は物すごく苦しげだったな…
#鎌倉殿の13人
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小四郎、人当たりは穏やかだし、投げられた仕事は淡々とこなすので、周囲に「自分を受け入れてくれる、言うこと聞いてくれる」と思わせる(侮られる)とこがあるけど、上総介の天命を見切った辺りから分かるように、感情とは別の理性による諦め突き放し限界値が、外から分かりにくいけど厳密にある。
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嵐でも船を出し、漕手を狙う奇策のイノシシ武者義経。
その戦ぶりを頼朝に伝える梶原殿。
息子を愛する普通の親ゆえ潔く死なず囚われる宗盛。
兄弟がすれ違う腰越。
今まであらゆる媒体で何度も見てきたはずの馴染み深い源平合戦エピが、こんなにも新鮮に迫ってくる #鎌倉殿の13人 とんでもないな…
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一見わかりにくく、だから見過ごされがちな傷をあえて描くこと。まだ10年でそれを早い(もっと他に描くべきものがある)と見るか、10年かかってようやくその傷も描けるようになったと見るかは分かれるでしょうけど、私は朝ドラという枠でこそ描いてくれてよかったと思うのです。
#おかえりモネ
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WOWOWさんはこの鎌倉殿から巻き起こるだろう時政パパ旋風に乗っかって、ぜひともNEXT歌舞伎『阿弖流為』を再放送してほしい。彌十郎さんのほわほわ可愛らしいもぞわぞわ怖いも、どちらも味わえる極上の役なんですよ… (ついでに、最高にかっこいい陽性の二枚目将軍を演じる中村屋の推しも見てくれ)