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於愛の方が、殿の真意(ただ信長に媚びへつらってるわけでない)を察してるのは、側室の近さだけでなく、面接で瀬名と直接話した楽しい記憶も大きいんだろうなあ。あの優しく暖かいお方様の哀しい死を、この殿が簡単に忘れられるはずなかろうと。於愛にとっても彼女は忘れ得ぬ人のはず。
#どうする家康
2
四郎次郎、前回に続き今回も、出るだけでパッと明るくなるオーラだけでなく、平平コンビさえ殿の心を分かりかねてる時点で、この饗応もまた殿の”戦”だと於愛と並んで理解し、ただの商人兼太鼓持ち以上の覚悟で臨んでると、ちゃんと見えるのが流石の勘九郎さんでしたありがとうございます
#どうする家康
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松潤さん家康の見事な、予想をはるかに超えてきた化けっぷり… これがやはり一年長尺で演技変化を味わえる楽しさだなあ。同じ笑顔でも、先週までの優しさと弱さが紐づいてた笑顔と全く違う。誰にも開かない心の扉ができたことで、誰にも折らせない太い背骨が一本入ったのも見える家康。
#どうする家康
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だよなあ、たとえ「ままごと」だろうと、戦も奪い合いもせぬ慈愛の国を目指したのだから、自分の身代わりに用意された女性の怯えた目を、瀬名が受け入れるはずがないんだ。名もなき身代わりを逃がし全ての責めを負った瀬名の血をもって、彼女の夢物語は揺らがぬ理想となり家康に宿る。
#どうする家康
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あんなに大河ドラマを愛して、少年時代憧れのヒーロー(『黄金の日日』の助左)を自作大河に出演させるオタクの夢を叶え、描いた3作品ごとに新しい試みをして大河ドラマという媒体そのものを活性化させ貢献してきた三谷さんの、その3作品全てが、配信ですら見られないってやはり悲劇すぎるでしょう。
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どの作品も勿論そうなんですが、特に『鎌倉殿の13人』は、100カメや公式HPでの裏方さんの深堀り話、番宣等でよく話題に出てた、小栗座長が全員名前覚えたというスタッフさんの顔を写真集で実際に見られたのが印象深かったので、あの方たちのお仕事も見られなくなったのか…て辛さ虚しさもドドッと。
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共同経済圏と相互依存による戦のない世。それはやはり人工の小宇宙な築山だから語り得た甘い理想で、「ままごと」で、力の論理に結局踏み潰される。それでも、そんなこと百も承知で、泣き虫白兎がやがて築く泰平の世の礎に、築山殿事件の解釈をこう持ってくる #どうする家康 の芯、やはり好きです。
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今朝のらんまん。ヒロインが男の「○○を成し遂げたら迎えに行く」方式に全力で怒るし、史実ではこれから夫の極貧研究人生を妻が支える夫婦のスタートも、「それ万ちゃんの都合だよね?」と第三者ツッコミ入れた上で、ここまで描いてた彼女の八犬伝オタ視点で主体的に選ぶ冒険の旅に塗り替える。痛快。
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今週なにげに重かったのは、家康が於愛を気に入る直接のきっかけは「下手な笛」だったことで。元々しごでき人で今現在ほぼ側近のお葉、全てがうわてだったお万を経ている家康が、そこにふと癒やしを見出す。そりゃ瀬名の覚醒にも気づかず「たおやかな妻」認識止まりなわけだ…容赦ない…
#どうする家康
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これ第二次上田合戦が楽しみになってきた… いやもちろん主役は殿潤ですから関ヶ原が主体に決まってますし、一方その頃は的ワイプ扱いでしょうけど、信繁の配役からして恐らく秀忠役も若手俳優さんになるはずで。それを支えるのは松ケン正信で。浩市さん昌幸と松ケン殿正信のバチバチ構図ですよ。
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土佐時代にジョンマンが苦しい胸の底を打ち明けたのも、おゆうさんが過去の恋を話したのも、寿恵子が大事な八犬伝を貸そうとしたのも、そして今日、徳永が夕顔の話をしたのも、万太郎は人の大切なものを決して見下したり嘲笑ったりしないと信頼できるからなんだろな…と、その説得力に唸る。らんまん。
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今週のようにその特性がぶつかった時、どちらも愚かでなく最善を尽くした上での勝因敗因が分かりやすいし、またそこに大きな時代の流れも感じられるの、やはり面白い。
個に特化した武田の強さは織田の統制に崩され、さらに秀吉はその勝利から銭の力を抜き出し次を見つめる。その横で息を潜める白兎。
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どう家の各国描写、よくも悪くも少年マンガの実写版的なデフォルメ強い画には時々なるんですが、山に囲まれた地で個々の戦闘力上げに特化した武田軍、カリスマ狼の恐怖下でピシッと統率する織田軍、泣きべそ白兎を支える牧歌的ヤンキーな徳川軍…と、なぜそのカラーなのか作中での理屈も立ってるので→
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信康くんのあれは、三方ヶ原後の家康と同じく合戦ショックの後遺症だろうけど、白兎の弱さを自覚してる父と違い、個の武勇を磨いてた自負がある子だけに、それを全否定された設楽原の「嬲り殺し」の傷は深く、だから余計躍起に戦ハイになってるんだろうなあ。そして無理がきて潰れる心。
#どうする家康
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#どうする家康 の勝頼様、信玄公には儂を超える才と賞され、宿老にも支えられ、史上最強に愛され勝頼様では?と思ってたら、その曇りなき強さ美しさゆえ破滅してくんですね…
しかし、無知でも驕りでもなく最強のまま、最強だからこそ敗れていく武田軍、哀しいけど、敵方の描写としてとても良かった。
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忠義などまやかし、せめて死ぬ前に好き勝手したいという先週の弥四郎の叫びが真実ならば、ただ一度手を握ってくれた姫を裏切るまいとした結果の忠義もまた真実なはずで。
強右衛門の迷いと決心は、先週の万千代「笑わせる殿がいい」と併せ、どう家が描く「忠義」の輪郭をひとつまた明確にしたなあと。
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足を封じられ父に売られた阿月が、主のため走り「人」であることを取り戻したように、強右衛門も、ろくでなしだ獣だと呼ばれた自分を「人」と扱ってくれた亀姫の記憶が(また恐らくいつもかばってくれてたのだろう信昌の優しさも)防波堤になる。小さき人々の誇りを繰り返し描く #どうする家康 。
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阿月のあの回があったので、逸話的に被る強右衛門はどう描くんだろと思ってたら、なるほど阿月の一途な忠義とはまた違う、ろくでなしの逃げたがり泣き虫男が、それでも人生の最期にささやかな憧れのため全てを捧げる一瞬として描くんですね… 岡崎体育さんがぴったりの愛嬌と哀しみ。
#どうする家康
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不穏な謀反が成功するかと見せかけ、信康も瀬名も側近もしっかり準備してて反撃する王道アクションを挿みつつ、一方で、ああこうして明るく賢く親しみやすい瀬名姫が“築山殿”になっていくのか… と、その絡め取られてく運命はただ見守るしかなかった今日の回。緩急ジェットコースター。
#どうする家康
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やっと後悔が清算できると身代わりになった広次も、可愛い甥のため盾になった忠真も、自ら納得し”美しい”散り方をしたわけですが、それは一方で、羽交い締めで具足を解かれた家康も、お前の死に場所はここではないと蹴り出された平八郎も、涙と泥まみれで死者を背負い生きていくしかないんだよなあ…
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今更ながら第1回で里帰り後に元康若様が、背負う国の重さ、当主に生まれついた者の義務を瀬名に愚痴ってた場面の意味を思う。
広次の一言で周りも当然のごとく殿の具足を脱がせ、身代わりに仕立てる。本人が泣いても喚いても生かされる。全ての死も責も背負い生きねばならない殿の道。
#どうする家康
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しかし、もうすっかり小平太とコンビで殿の若手側近ポジションに収まり、都でも殿を侮辱されれば真っ先に爆発し、いざとなれば殿にタメ口で発破かけてた平八郎が、それでも叔父上の「殿のことが好きなんじゃろう」で、初めてぽかーんと自覚してたのが、ちょっとおかしく切なくもあった。
#どうする家康
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栗と餅の密約回で家康と直に話した信玄ならば、金陀美具足の首が家康でないことなどすぐ分かるわけで。それでも浜松を落とさず先を急ぐのは、己の病=時がないのもあるでしょうけど、家康のため身代わりになる家臣、兵法をよく学び実践する家臣がいる事実への感銘も大きいんでしょうね。
#どうする家康
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#どうする家康 の特徴である回想の使い方、恐らく賛否はあるでしょうけど、今日の使い方は効果的だったと思う。広次の名前をなぜか間違い続けた殿と、それを人の好い顔で受け入れてた広次。その「なぜ」が明かされるとき容赦なく訪れる清算を経て、生かされたことを受け入れた家康は青年期を終える。
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初回から、家康の殿たる自覚のリトマス紙にも見えてた「広次」言い間違いが、実は幼きころ親しかった家臣への愛着ゆえの混乱であり、その言い間違いに「吉」「信」の字が入る度、もしかしたら広次はあの時死んだはずの己への記憶が殿に残ってる喜びに震えてたかもしれないと思うとさあ…
#どうする家康