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耕治はまだ自分をホッとさせまいと思ってるし、新次も結局船に戻らない。未知の傷もまた偶に疼くだろう。
過去の痛みは消せないし、未来の前に無力だけど、それでも人は言語化と対話で、より生きやすいほうへ向かえるはずと祈りのような「きれいごと」をしぶとく誠実に描く半年だった。
#おかえりモネ
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3年前に爺様の京都行きを祝う席では健やかに加わっていた工藤祐経が、土地を奪われ妻とも離縁させられ落ちぶれた姿になり、そして頼朝に「祐親を殺せ」と囁かれる。
やはり #鎌倉殿の13人 は”曽我兄弟の敵討ち”を、中世武士の土地争いが積もった末の歪と暴発として描くのかな… うわーー楽しみーー。
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「それでも人生は続いていく」
百年の物語として #カムカム を貫くひとつのテーマなんだろうなあ。それを言い、体現するジョーさんの役は、脚本家の藤本さんご指名だったことが、ここまで見てよく分かる。
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逃げ続けてた男が、かつて自ら捨てた妹も実家も、二度と手に入らないものとして美しい幻に見ることで、己の罪を死の前に再び突きつけられるのは容赦ないし、またそんなどうしようもない男でも、モモケン二代目やジョーにきっかけを与える存在になれる藤本脚本の厳しい優しさが好きですよ。
#カムカム
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#鎌倉殿の13人 第45回、全方位つらいものの、第26回ラストと反転した姉弟の会話(「貴方は何をなされた」)で、自ら鎌倉に弟を引き止めながら弟の所業を責め続けてきた政子の素朴な”善”はあえてそう描かれてたと分かったので、雲が晴れ見通しよくなった感はある。とはいえ見えるのは一面の地獄ですが。
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小四郎の自己犠牲ぎみ傾向を「自己陶酔」とするツイを見かけたのですが、そもそも小四郎に陶酔する程度の自己というか、自分個人を大切にする気持ちがかけらでもあれば、もうちょっとマシな道を選べたのではと思う。
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八重さんの言っていた「佐殿は寝汗をかかれる」が、第4回のように毎晩、法皇様なり誰かが夢枕に立っては魘されてきたせいだとしたら、佐殿の「無類の女好き」は案外、夜は誰かと一緒にいないとしんどい という理由もあるんだろうか。
#鎌倉殿の13人
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大姫、父頼朝が自分の願いを聞き起請文を書いてくれたところで退室したので、人づてに聞いた義高の殺害と父の責任とを直接結び付けないよう、もしかしたら幼いなりに整合性取ろうとしてた可能性もあるんですよね… それがここで直接、父の口から「殺した」と聞いてしまった。悲劇。
#鎌倉殿の13人
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#鎌倉殿の13人 これで年末までにまだ総集編と紅白SPコラボが残っているというんだから、ほんと今年の大河は福利厚生がよすぎる。
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「難しいこと」を避け単純明快に楽しく生きているうち、いつの間にか義盛もまた、秩序が出来上がりつつある鎌倉には合わなくなってるのだろうし、上総介の話を自分のこととして話すのも、子供らと酒を呑む時政とまた別の形の「昔はよかった」なのかもしれない。
#鎌倉殿の13人
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そういえば、小四郎やその周りの“老い”は強調されていますけど、泰時も実はもう30代半ば、頼朝が死んだ頃の小四郎とほぼ同世代なのを考えると、今日の土スタで言われてた平六の変わらなさと同様、泰時のなかなか抜けない「息子」感もあえてなんだろうか、やはり。
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あのシーンは女心分かってない云々というより、修羅場を共にくぐった八重や、比企の件で共闘した比奈と違い、あの政治的非常時に妬いているのかと言えちゃうのえの、小四郎とお互いの立場への認識、価値観を共有できない決定的断絶を感じたし、それが露呈したタイミングでの政村登場に怖さを感じる。
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のえの不幸は、実は自分が思うほど権勢欲タイプでなく、少しちやほやされ適当に楽しい生活こそ合ってる自分に気付いてないギャップではと思うんですが、下手に都きらきら文化への憧れもあるせいか、その「適当に楽しい生活」を手に入れるため権勢が必要と思い込まざるを得ない環境の不幸もありますね。
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子供がいない【竹】村夫妻のもとに可愛らしい娘るいがやってきて、いっとき親子として幸せな歳月を過ごし、そして娘は大【月】くんのもとへ行く。
るい編モチーフはもしかして「かぐや姫」も入ってるのかな。
#カムカム
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しかし、大姫が亡くなり範頼の呪いだと静かに怒る頼朝の顔。前に『黒井戸殺し』ラストも心底震えたけど、 #鎌倉殿の13人 の大泉さん頼朝はそれ以上ですね… 頼朝役発表時から感じてた、三谷さんの絶大なる信頼と「ぼくがかんがえたさいきょうのおおいずみ」を、更に毎週軽々と更新していく。
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政子も小四郎もどちらが善か悪か、より賢いか愚かかという話でなく、かつて他愛ないことをお互いのせいにしたり喧嘩してた姉弟のまま、今もその卑近な狭さと必死さで、うっかり得てしまった立場で何とか最善を選ぼうと苦しむどうしようもない限界と哀しみが、三谷悲喜劇だなあと思う。
#鎌倉殿の13人
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十兵衛と信長のあんなにも激重な感情の大嵐を描きながら「夢を持って生きることの大切さを描けた」と清々しいコメントを出されてた池端先生といい、満面のキラキラした笑みで「日本中を絶望的な思いに」させてる自覚を語ってくる三谷さんといい、ほんと大河脚本家という方々は……(好き)
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かわいい長男に食べさせる鯛や牛肉が買えるのも、夫が営む軍服製造業と、それを着た兵たちがいる戦地の拡大あってこそなんですけど、そこに行かない(ごく自然な)申し訳なさを長男が口にしたら、あなたみたいな”優秀な子”は危ないところに行かないでいい、と言い出す雉真母のエグさがすごい。
#カムカム
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スマホ義経、小ネタが面白くてすごく楽しく見てはいるんですけど、さほど免疫力がない若いうちに、ネットのおかしな見下し系のノリやら、意識高いグループのやり取りやらを浴びてしまった子が、受け売りの言葉と行動で、承認欲求だけむくむく肥大化させていく様が妙に解像度高くて、ちょっと胃が痛い。
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元康が母の手を両手で取り頬に当てる仕草。瀬名が出陣前「上手にできますように」と祈り元康を励ました仕草と同じでしたね…。それほどの愛おしさを込め抱きしめた母に、今川と手を切れ=妻子を捨てろと迫られる。まだ揺らぎも多く青い若殿に、戦国の掟はまった無しだ。ほんと毎回 #どうする家康 だ。
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これ第二次上田合戦が楽しみになってきた… いやもちろん主役は殿潤ですから関ヶ原が主体に決まってますし、一方その頃は的ワイプ扱いでしょうけど、信繁の配役からして恐らく秀忠役も若手俳優さんになるはずで。それを支えるのは松ケン正信で。浩市さん昌幸と松ケン殿正信のバチバチ構図ですよ。
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当代の神田伯山さんが二代目伯山を演じるの、桜田門外の変回で当代の茂山千五郎さんが九世茂山千五郎を演じていたのと同じ趣向ですね。こういうキャスティングで、幕末~明治が案外近い時代だと実感できるのも面白いなあ。
#青天を衝け
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それにしても、重厚な銀幕スターの初代と、華やかなテレビスターの二代目とで、殺陣や発声が明らかに違う演じ分けだけでも凄いのに、ちょっと浮世離れした完璧なスターの振る舞いからだんだん人間味が出てきて、今日は映画館で情けなく泣く姿まで見せる菊之助さんの振り幅がすばらしくて。
#カムカム
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頼朝葬儀の後、坂東は坂東武者の手に戻ったと素直に言う義盛に、重忠が「そうでしょうか」と顔を曇らせてたのが、ここに繋がってきたんだなあ。
頼朝という絶対的存在が亡くなっても、坂東そして我が武蔵を脅かすものは現れる。それが北条だと、どこかで予想してたのかもしれない。
#鎌倉殿の13人
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笑って後に何も残らないコメディが理想、とよく話されてる三谷さんが、もしもそちらのほうに振り切って、とにかく笑えるだけで後にはさっぱり何も残らない毎朝15分を半年間ひたすら貫く朝ドラを本気出して描いてみたら、どうなるかなーとは時々考えてる。ちょっと見てみたい。