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生き残りの悔恨を抱えて奮闘してきた淳忠兄ぃの長い幕末後が、慶喜公の労いでようやく終わった、そんな冒頭から始まる回に、かつて「直参舐めんなよ」な平岡様たち幕府方の奮闘も知らず”悲憤慷慨”し勝手な攘夷を掲げてた栄一たちと同じく、日露講和条約を売国と怒る民衆を出す構成の巧さ。
#青天を衝け
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泰時のためいざとなれば盾にもなる良き幼なじみ従者で、主人である義時に対してさえ、諱のついでに御家人にも!と明るく言えるほど気さくな鶴丸が、太郎の弟である朝時を「あの方が苦手」とはっきり言うの、さらっと流されてたけど、こちらもなかなか不穏なものが仕込まれてないか…
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美都里さん、戦争中も夫の事業への雉真の奥方らしい心配は一言もなく、ただ自分と自分の可愛い子の心地よい生活にしか関心がないお嬢様気質に徹底して描かれてたのが、稔の結婚を渋々許す時はいいほうに作用したし、また稔が死ねば恨みをぶつける先が手近な所にしかないのも一貫してる。
#カムカム
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頼家が、子を生んだせつでなくつつじを正妻に望んだのは、血筋以上に、乳母父である比企への煩わしさもあったとしたら、つつじからも心が離れ次はゆうに惹かれたのは、先週つつじが政子の薫陶を受けてるのを見たのもあるのかな。比企や政子=”親”の影響下にない、俺だけの女がほしいと。
#鎌倉殿の13人
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時政パパが堤に侮辱された頃から、今回の全成実衣まで、自分はともかく身内が傷ついたら本気で怒る小四郎の傾向は一貫してるし、そこは坂東武者の気質なんでしょうが、カウンターが「一族を守る」でなく「体制自体を変える」なのはやはり異質で、そこを共有できてるのは今のとこ政子だけなんだろなと。
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今日のどう家、氏真の正妻は北条の姫で…と出たところで家族が、えっ北条?誰の子?と聞いてきて、えーとですね、恐らく誤解してると思いますが、去年の北条さんと今年のこの戦国時代の北条さんは違いますからねと説明することになったので、やはり一度ぐらい北条五代主役の大河を作っていただきたい。
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武田が事前に瀬名の好物は栗だと知っていたのは、やはり瀬名が「民の声を聴くため」築山に移ったことで、忍びが入りやすくもなってるんだろな… と思うと、じわじわあの事件への布石が打たれていて怖い。武田に好物を知られるぐらい内側に入り込まれてる、気さくな築山殿。
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こんなにも大勢のプロが労力と時間を投入して造っている大河ドラマ、やはり放送終了後に、制作秘話や資料などをまとめたジ・アート・オブ的な分厚い本を出すべき…… 毎年毎年言ってるけど。
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米蔵で木簡を数え、飢饉に備え計画まで出してた義時が、長引く戦の兵糧計算や、まして所領のことまで考えてなかったのは、急激に考える範囲が大きくなったのもあるけど、やはりメンタルが次男のままなのもあるんだろうなあ。所領第一の覚悟より前に、別の何かが芽生え始めてる小四郎。
#鎌倉殿の13人
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経験もなく自信もなかったら何もできぬと言った九郎に、その自信をつけるには経験が必要だと声をかける時政パパ、きっと脳裏には、その経験を積む間もなく死んだ三郎がいるんだろうなあ…
平家を滅ぼすため産まれたような御方という九郎への評に重なる、平家をぶっ潰すぜ!な兄上の姿。
#鎌倉殿の13人
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というか、政子や平六に限らず序盤から頼朝を含めあらゆる人が、小四郎という素直な器に「何とかせよ」を注いできた結果、無私無欲だからこそ厄介な鎌倉防衛システムのような恐ろしい何かに変化してしまい、注いだものが本人たちに返ってくるというの、何だか大南北あたりにありそうな話でないですか。
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小豆の匂いに誘われ見た幻で、見送らなかったのを後悔してた算太に、妻と母を死なせたことを許される優しさとともに、その幻=父の認識の中で相変わらず算太は人を騙して金を取ってるし、それを許すほど父は帰還を喜んでる(それぐらい弱ってる)という、この一滴の毒を入れる藤本脚本な…
#カムカム
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音が荒れてるよ?何があった?と無垢な顔で聞いたり、舞台で善女のパンをやらかしたり、子供らと夏祭りに興じてタコ焼きをこぼしたり… 一歩間違えればあざとくなりかねん役が、オダギリジョーさんのぽわぽわした柔らかさで血肉を得ている感。脚本藤本さんの指名だったのがよく分かる今週。
#カムカム
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局長が憑依した慎吾ママに「こんな形で会うべきではなかった… だが最高だ」とニヤッと笑う副長。ありがとうございましたーーー!!!
#ワルイコあつまれ
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今日の #どうする家康 、地味にツボだったのは、信長にキレちゃったあと勝家が来て、わしを守れと狼狽える家康に「堂々とせい!」とタメ口で注意する平八郎でした。
少しずつ殿への忠臣ぶりが板についてきてるけど、こう咄嗟のときは同年代らしさが出ちゃうたわけ(とそれを許してる殿)、慕わしい。
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兄に振り回され溜息ばかりの義時をじっくり観察した上で、その義時が警戒しまくってる政子との接近も悲願のための策と本心を明かし(たように見せ)て「このことは兄にも話すな」「お前はわしの頼りになる弟」と、次男坊のプライドをくすぐってくる頼朝、ほんと天然スケコマシだな…!?
#鎌倉殿の13人
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小四郎がなぜこうなってしまった、については、小四郎が「何とかせよ」の無茶振りを引き受けてくれたことで、「いい人」「愛される人」でい続けられた周囲の人全員に責任の一端があると思ってますけれど、その責任が何らかの天秤が釣り合う形で問われる物語でもないんだろうなあとも、また思っている。
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土佐時代にジョンマンが苦しい胸の底を打ち明けたのも、おゆうさんが過去の恋を話したのも、寿恵子が大事な八犬伝を貸そうとしたのも、そして今日、徳永が夕顔の話をしたのも、万太郎は人の大切なものを決して見下したり嘲笑ったりしないと信頼できるからなんだろな…と、その説得力に唸る。らんまん。
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一応吾妻鏡では平六と「断金の朋友」とされている(だから今回の件で義村が動くのも納得できる)朝光さんが、こんなパッと出てきてどう話を進めるんだろうと思ってたら、まさか金を切断するどころか銭金で繋がってる仲に描かれるとは思わなかった。いやほんと予測不能だな面白い…
#鎌倉殿の13人
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どう家、時々目に入ってくる批判に、そうだっけ…?と思い肩入れがちになるのは、今のとこ普通に楽しく観てるのもあるし、その言われようがちょっと『新選組!』当時と既視感なのもあるなあ。アイドル主演と結びつけた、軽い、大河らしくないの批判、揶揄としての「女性向け」、考証無視の先入観。
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#どうする家康 の勝頼様、信玄公には儂を超える才と賞され、宿老にも支えられ、史上最強に愛され勝頼様では?と思ってたら、その曇りなき強さ美しさゆえ破滅してくんですね…
しかし、無知でも驕りでもなく最強のまま、最強だからこそ敗れていく武田軍、哀しいけど、敵方の描写としてとても良かった。
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虫けら扱いな忍び働き衆のため「命懸けで働く者を笑うな」と怒れる主・家康でも、いやだからこそ、その”命懸け”が響かない民(実際、彼らにとっては米を搾り取る今川も戦を続けて見える家康も同じ)とその拠り所は理解できないし潰せる、この多面的かつ容赦ない主人公の描き方が良いなあ
#どうする家康
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これで、デイジーのほうが実はなんとも思ってなくて(遠い国から来て頑張って偉いわねと面倒見がよかった程度)、五十嵐がアメリカに帰ってから盛大に振られてたら、それはそれで面白いのですが。
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しかし、もうすっかり小平太とコンビで殿の若手側近ポジションに収まり、都でも殿を侮辱されれば真っ先に爆発し、いざとなれば殿にタメ口で発破かけてた平八郎が、それでも叔父上の「殿のことが好きなんじゃろう」で、初めてぽかーんと自覚してたのが、ちょっとおかしく切なくもあった。
#どうする家康