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今週なにげに重かったのは、家康が於愛を気に入る直接のきっかけは「下手な笛」だったことで。元々しごでき人で今現在ほぼ側近のお葉、全てがうわてだったお万を経ている家康が、そこにふと癒やしを見出す。そりゃ瀬名の覚醒にも気づかず「たおやかな妻」認識止まりなわけだ…容赦ない…
#どうする家康
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いやもしかしたら、小四郎が中身を見るか否かで善児の命運を試すと同時に、もし見たとして善児を生かし使うか否かで小四郎が「坂東武者の世をつくる」ため今後どう非情に振る舞えるかまで試していたのか。
どちらにしても、善児という天命を梶原から受け取ってしまったんだな小四郎…
#鎌倉殿の13人
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父ちゃんが亡くなったから俺たちが母ちゃんを助けるんだ!と張り切る子供たちの仕事分担が、10日でもう疲れが出てきて崩れ、きょうだい喧嘩が始まるあたり、ちょっとリアルだし、また子供たちに疑似大人としてのしっかり具合を乗せて描くつもりはないらしいのが、ホッとするな…
#ちむどんどん
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のえさんに対する小四郎の発言があかんのは当然として、でもまあ偶然自分の代わりになった男の無惨な死体を見て、その原因は盟友の裏切りで、しかし待ったなしの仕事は山積み極限状態で、「妬いておられるのですか」を受け流せる器用さがあればそもそも多方面ここまでこじらせてないよねと今更ながら。
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閨の描写とか『デート』依子さんをパワー系にしたようなお葉さんとか、笑い満載回に見せつつ、逆に言えばここまでギャグの皮を被ってるからこそ、子を一人でも多く産み家を繋ぐことを殿も女たちも”務め”と見做し仕える、当時の価値観や側室制度を決してぼかさず描けたんだろうなあ。
#どうする家康
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(だからまあ、昨日も話題に出ていた「共感」の心地よさ、まして登場人物に「正しさ」を求める人には、とことん合わない脚本ではあるんですよ本来は… 安子編序盤がそもそもミスリーディング的であったと言えるぐらい)
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今川からの自立という、ある意味分かりやすい外敵に目が向かってたときは、生まれながらに国を背負う家康の立場自体が求心力になり得たけど、足りない物資を国内で取り合い始まった戦となると、殿の存在意義そのものが根拠を問われる。主人公の成長クエストとしても、よく出来てますね…
#どうする家康
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どう家、三谷さんがよく言う「毎週日曜夜に大人も子供も家族でワクワク見る大河」を、去年と別方面から目指してる感じがするなあ。さすが長年第一線のアイドルだった人をど真ん中に置く華。明解な人物描写と目を引くビジュアル。厳しさと逃げ道のバランス構造。王道の成長譚。
twitter.com/atohz_chiri/st…
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小四郎、他人に対する感情としての評価(気に入った気に入らない系)を意外と口にしない男で、それは一定の社会性はあるものの、実は他者への関心がぼんやり低体温な証だとも思ってるんですが、だからこそ「言葉と思いが別のとき襟を触る」なんてロジックを自ら弾き出し信じ込むのでは。
#鎌倉殿の13人
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公暁について「おいそれと還俗できぬ」とさらりと言えてしまう実朝さま、ああそりゃ子供のときから一緒に育った時元の鬱屈に気づけない方だなあと思うし、この鈍感さこそ、頼朝の弟でも僧として一歩身を引くことで自分と家族を守ってこれた優しい全成が守り育てたものなのかもしれない。
#鎌倉殿の13人
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もし政子がこれまでのあれこれを見ながら、本気で公暁が自分の血筋を気にせず大人しく僧におさまってくれると信じているとしたら、和田合戦のとき平六を落とすため言った「弟と違って私は人を信じない」が跳ね返ってくることになる。
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日々の食費も削る五十嵐にとって、回転焼き百円がどれほどの贅沢だったか、それでも熱々の回転焼きがどれだけ支えだったかを思うと、ボロボロの体と心で来た店にいつものおばさんがおらず、実家の商売を手伝う努力もしてないふうな娘が呑気にいたら、そりゃ舌打ちもするか…と今更ながら。
#カムカム
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第1話からずっと描かれてきた義盛殿のキャラクターや言動を考えると、この人物を「鎌倉いちの忠臣」だと劇的に叫ばせたこと自体が、『鎌倉殿の13人』という作品が内包する「忠義」なるものへのシニカルな認識なんじゃないかと、前から薄々思ってたことがちょっと今日の回で固まったかもしれない。
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忠義などまやかし、せめて死ぬ前に好き勝手したいという先週の弥四郎の叫びが真実ならば、ただ一度手を握ってくれた姫を裏切るまいとした結果の忠義もまた真実なはずで。
強右衛門の迷いと決心は、先週の万千代「笑わせる殿がいい」と併せ、どう家が描く「忠義」の輪郭をひとつまた明確にしたなあと。
467
第1回からずっと誰も彼も「小四郎、頼む」で丸投げし、そして託されることの重さ非情さは増していく。
大きな目を泳がせ文句を言ってた少年が、今や姉上を真っ直ぐ見て、父を陥れるため妹婿を犠牲にしたと言えるようになった姿に、その逃げ道なき人生を生きるしかないつらみが見えて。
#鎌倉殿の13人
468
いろいろ話したいこともあるだろうに、まずは大月家だけで話せるよう一足先に帰った勇ちゃんの、ようやく安子とタイミングを合わせられた気遣いにも、何気にしみじみしますね… そして米国で安子が名乗ったアニー=あんこで、そのあだ名も含め勇を懐かしく思ってくれてたと明かされるのも。
#カムカム
469
五十嵐に「いい人いないの?」と聞かれたひなたの表情、一瞬ためらった後、そういえばそもそも自分、文ちゃんと別れて10年「いい人」を必要ともしてなかったんだわ…と自分でも気づき、「今は仕事が楽しい」と発した言葉に我ながら腑に落ちるまでの絶妙な変化、川栄さんの演技すばらしかった
#カムカム
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#志摩一未誕生祭2022
平凡で代わり映えしなくてくだらない7月8日を、これからも相棒と一緒に積み重ねていってほしい。
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しかし、今まさに兄と決裂しかけている義経に問われ、亡き兄重盛を宗盛が語る対比、非常に美しく唸ると同時に、こうも死に行く人を慕わしく描き、情を湧かせてきた #鎌倉殿の13人 の作劇を思うと、心を開き合わずとも信じ合ってたと宗盛が言えるのは、死者だからこそでは?とも思え、ひやっとする。
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3世代で同じモチーフの繰り返しが、どうか次の世代はより良い選択と人生をという祈りにもなっている #カムカム の寓話的構造が好きなんですが、ここで安子の、確かにあの時代にはヒロインらしく見えてた特質が、現代にまた繰り返されることで別のものが浮かび上がってくるのも、また面白いですね…
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そして小四郎も、かつて頼朝が「坂東とわしとどちらを選ぶ?」と聞いたとき、即答できない程度の気遣いと迷いはあったけど、今同じように傍にいてくれと頼む頼家には、あくまで13人の一人=御家人として一線を引き助言しちゃうのが、冷徹な政治家への成長であり、悲劇でもあるんだな…
#鎌倉殿の13人
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「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。自由に演奏できる」「そんな世界をお前は生きとるよ」
撮影されているときは、この台詞がまさかここまで(前半はともかく後半まで)ダイレクトに響く世相になるとは、制作側も思わなかっただろうなあ…
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一党のケダモノ臭さを嫌いだと微苦笑する半蔵。奥を仕切りつつ元康の母より今の夫・久松の妻としてグイグイ押す於大の方。甲賀衆を引き込みながら服部党の手柄を図々しく誇る正信。そして地獄を見た瀬名。この雑多な人々の、やはり中心に居て纏めるのは元康なのだなと改めて思えた今週の #どうする家康