376
母語の日本語では言えなかった稔さんの死への怒り疑問を、異国語の英語ならロバートの前で言語化できたように、渡米して50年、今度は異国語になった日本語でこそ、溢れた気持ちを言えるのが、ああやはり安子なんだなと。
そして相変わらず自己完結してたそこに、今度はひなたがやって来る。
#カムカム
377
るいが安子と別れ二十数年。ずっと英語から離れてたるいが再び娘のため思い出したとき、ラジオ英語講座は今も変わらず放送されていた。
いつ誰が始めようと思っても、どれだけ離れて戻ってきても大丈夫なよう、教養コンテンツを継続提供できる公共放送の意義をさりげなく入れてきますね… #カムカム
378
『サムライベースボール』という映画が担っていた意味、単純に時代劇がハリウッドに認められたよ!て能天気な話ではなく、稔さんの夢「自由に【行き来】できる」に掛かっていたんだな。どこか誰かの愛するものが、その生まれた国にとどまらず、互いに等しく行ったり来たりする自由さ。
#カムカム
380
そもそも、それなりの情があるとはいえ勝利のためなら孫の宗時でも殺せと言えるのが伊藤の爺様で、義時もまたその血をひいているんだよなあ… やがて産まれる佐殿の子、彼にとっての甥っ子たちが、義時にとってどんな存在になっていくのかという。
#鎌倉殿の13人
381
富野監督が、毎週日曜に鎌倉殿を見て、日芸後輩な三谷さんに対して本気で悔しがって気が滅入ってる……というお話が面白かったのでメモ。
/富野由悠季監督が『G-レコ』で描きたかったのは“宇宙開発全否定”の物語。まったくプレイしないというゲームのことも聞いてみた famitsu.com/news/202207/30…
382
特に大江殿、頼朝生前から小四郎に目はかけていましたけど、特に時政パパと比企能員の対立がひどくなって以降は、北条の父上と引き離した上で、江間義時という存在を今の鎌倉になくてはならない重しとして見ている感がある。
383
時政が訴訟人の贈り物を受け取り頼みを聞くのも、実朝さまが御所に攻め入った老臣を衆人環視で無罪とするのも、政治の質としては同じなんだけど、前者は執権としてのダメダメさ、後者は青年将軍と忠臣の美しい場面に見えるのは、対象がモブか、思い入れたっぷりになってる人物かの違いだけなんだよな…
384
実はボケてた歩き巫女が言う「天命」を信じてしまった実朝の、しかしどこか従容とした最期の笑顔に対し、頼朝様のように天に生かされたと言いつつ、やはり根はリアリストだから信じきれるわけでなく、”俗物”同士のウマで運慶に彫らせる仏も何か確認作業のような小四郎の孤独が一層重い。
#鎌倉殿の13人
385
#カムカム 中に出てくる朝ドラとその意味を読み解く、よい記事だった。
藤本さんが相当の朝ドラマニアだとは、たしかちりとて遠藤Pがどこかで話されてましたっけ。
/『カムカムエヴリバディ』が問うた“朝ドラの役割” 1日15分の物語は人生の手助けに realsound.jp/movie/2022/04/…
386
何で呑まないの?未成年?さっさと成長しなさいよ気が利かないわね!と酔っ払うすみれさん、ひなたとお酒が呑みたいと遠回しに言っているのがかわいいし、どれだけ我儘なこと言っても、どこかふふっと笑えるチャーミングさに見せる安達祐実さんの演技のすごさ…
#カムカム
387
第36回の盟友、あの絶対零度「下がっていい」に不敵な笑みで返すやり取りをずっと考え続けた末、第15回の「頼朝に似てきた」との褒め言葉を20年かかってようやく受け入れ、ああそのとおりだよコノヤロウとぶつける小四郎と、遂に認めやがったなとほくそ笑む平六との、壮大なじゃれ合いにも思えてきた。
388
ジョーに美味しいコーヒーを入れて笑顔にする。古本屋に行こうとしてばったり再会する。そしてサマーフェスティバル。
るいが、おはぎを推して出会い、書店で再会し、夏祭りに一緒に行った、母安子と、そして顔も知らない父稔との恋を知らずなぞっている。
#カムカム
389
ちなみに安子の英語ですが、本当にNHKラジオ だ け で韓国語を独学してたら、うっかり知人の民間交流の通訳に駆り出され、しかも案外通じて相手にも自信をもって!と励まされたので、そのあと語学活かせる職に転職し、今も元気に働いてる友人が実際いるので、そんな突飛な設定とも思わんかったです。
390
アメリカに(野球でも)勝てば稔兄さんも認めてくれるはず、と信じ切って、それで安子にプロポーズする勇ちゃん。でもその稔さんが安子に託した夢は「どこの国とも自由に行き来できる、音楽を聞ける」であり、勝ち負けじゃない。この、互いに大事な稔への認識ですら顕になる徹底的ズレ。
#カムカム
391
『新選組!』では、あの山南さん切腹回でどん底に落とした翌週、「みんなそれなりにありがとー!」な大騒動で浮上させてくれた三谷脚本が、今年の #鎌倉殿の13人 では、上総介誅殺の翌週を息抜きどころか、傷心小四郎くんが目撃する鬼神義経の戦に次ぐ戦にしてるの、色々な意味で凄みが増してる。
392
先の史実を知っていれば、ああこれはフラグか、ていうかこの段階から後の行動も確実に納得できる人物描写を入れてくるかと分かるし、史実を知らずに見ていても、それぞれの立場で思惑が複雑に交差する一筋縄でいかなさがクラクラするほど面白いに決まってるし、ほんとすごいな #鎌倉殿の13人 …。
393
大河ドラマ、だいたい夏を過ぎた辺りで「思えば遠くへ来たもんだ」としみじみ序盤を振り返るのが定番だし、それも醍醐味なんですけど、『鎌倉殿の13人』はちょっと激動が過ぎて、いつの時点でもほんの数回前を振り返っただけで遠い目になってしまうんですよ。
394
『真田丸』秀吉の晩年あたりもそうだったけど、その死が及ぼす影響が大きい立場の人だからこそ、身近にいてその尊厳も残すものも守りたいと強く願う人ほど、心が引き裂かれる思いで、死に備えた準備を淡々としていかなねばならない哀しい矛盾を描くのが本当にうまいですよね三谷脚本…
#鎌倉殿の13人
395
「頼朝に似てきた」とは、ほかに選択しようがなく正解の分かってる話をわざわざ打ち明け、小四郎を共犯者として懐に引きずり込んできた頼朝と同じ手口を今まさに自分も小四郎にされてるということで。しかもそれを褒め言葉として評するのは、その甘えを受け入れてやる宣言でもあって。平六……
397
本日の副題「許されざる嘘」、義円を死地に向かわせた九郎の子供じみた嫉妬とともに、産まれる子を男子とするため、爺さまと祐清の暗殺を図り公式には自死とした佐殿と周囲にもかかってくるのですね… そして嘘の反対である真=佐殿は一度言ったことは必ず守る が一番恐ろしいという罠。
#鎌倉殿の13人
398
桜舞い散る都。修学旅行のノリで浮かれる家臣ズ。甘い菓子ひとつで大騒ぎの箸休め。と見せかけて、赤子の茶々を抱く家康、阿月=あずき(小豆)という名の侍女、まるで次は無いと知ってるように「一度でいいから」語り合いたかったと笑う聡明な浅井長政…と何ですかこの鬼フラグ立て回。
#どうする家康
399
主人公はもちろん、ちょっと不憫で視聴者に愛される脇役ですらそのままにしないのが、藤本脚本のこわいところだなと思っているのです。
○○系キャラ、○○属性だと勝手に見ているこちらの横っ面を張り倒すような、決して擁護できない愚かなことも含めた人間性を生のままゴロンと出してくるというか。
400
ずっと「ひなたの道」を主題に描いてきて、また一方で「暗闇でしか見えないものもある」と陽が当たらない場所にいる者の存在もまた描いてきて、そしてこの終盤、頑なに暗闇から出なかった虚無さんを引っ張り出し「暗闇にいたんじゃ見えないものもあるんですよ」と優しく声を掛けるんだなあ。
#カムカム