326
梶原が石橋山で頼朝を見逃すのも、賽の目で上総介を斬るのも、全て「あの方は天に守られている」神仏観ゆえでしたが、分岐点で頼朝を守ってきたその同じ認識が、今度は、義経の才に惚れ込んだからこそ、選ばれし方が二人は並び立たぬと試すかのような梶原の”讒言”に繋がる流れに痺れる。
#鎌倉殿の13人
327
父も子もないあの場面で、自分は小四郎に頼まれここにいると時政に言える平六と託してる小四郎のツーカーっぷりの一方で、小四郎がトウに出したりく暗殺指令を平六が知らずに阻むのもまた逆に良いなと。全て筒抜けでなく枝葉の部分は互いの利で動く、それでも大筋で共闘できる刎頸の友。
#鎌倉殿の13人
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戦をするため生まれてきた嫡男の宗時を失い、同じく平家を滅ぼすため生まれてきたような九郎義経を優しく見守りまた失った時政パパが、唾飛ばして話す血気盛んな五郎を烏帽子親として可愛がり敵討ちを応援するの物すごく分かるし、そしてこの子たちが曽我兄弟であるのが、もう、ああ~~
#鎌倉殿の13人
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考えてみれば小四郎、幼い日の初恋からずーーーっと八重さんだけを思い続け、めでたく結ばれ、そんな亡き八重さんへの思いごと受け止めてくれた比奈さんという人にも恵まれ、女性関係はある意味ものすごく甘やかされてきた圧倒的経験不足なわけで。のえさんに勝てるのか。がんばれ。
#鎌倉殿の13人
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ただの歌と割り切り、戯れの範疇で返歌を詠む如才なさなど泰時にはない。渡す歌を鎌倉殿が間違えたことにしたのは、彼なりの誠実さ優しさでもあるけど、やはり「間違えておられます」は、泰時の真っ直ぐピュアさ(義時が必死で守りたいものでもある)の残酷さを別の面から際立たせたなと
#鎌倉殿の13人
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いかにも全身全霊銀幕スタァな風格で見事な太刀捌きだったモモケンと、軽妙さと品のよさでああこれはお茶の間の人気者になるだろなあとひと目で分かるモモケン2世を演じ分ける菊之助さん、やはりすごいな…
オダジョだけでなく菊之助さんも、あんな面こんな面魅力全部使い倒します的な。
#カムカム
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いやあ面白かったー!
信玄に誘い出されてしまう、その結末は分かってるのに、餌に差し出した自分の首を無視された感情要因、今動けない信長との関係が響く外交要因、今後の遠江統治にも影響がある内政要因、岡崎の愛する妻子を守りたい私的要因…の畳み掛けにハラハラした。お見事。
#どうする家康
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本人はいつもどおりカッコつけてるつもりなんでしょうけど、八重さんの身柄は我が三浦で預かりますと、このしっかりしてるようで恋愛面では頼りない小四郎の前で、すっと八重に手を差し出す(でもスルーされる)平六のプリンス仕草に、本日最大笑った。
#鎌倉殿の13人
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テレビの漫才で大笑いする夫婦、案内された住込み用の和室から見える裏庭の緑、店主と店員が囲む食卓、そしてお客さんの笑顔を思い浮かべるるい。
るいが知らないはずの、でも安子が必死で取り戻し娘に与えたかった、戦前のたちばなでの暮らしと商いがこのクリーニング店にあるのが、もう。
#カムカム
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八重さん所へ通ってる期小四郎への「ストーカー」呼ばわりが始終違和感だったのは、現実でストーカーと名のつく行為に付き物の、男女としてどうなりたい欲や相手を屈服させたいマウントが小四郎には全く希薄で、むしろ性的に未分化な子供がその幼い理屈で突撃お節介してるほうが強く見えたからですね…
336
平六が梶原排除を企むのは政治的意味以上に、爺様の件もあるだろうし、朝光を使い実衣を狙ったのは、亀の前事件など彼女が嘴突っ込んできた姿も知るからだろうし、ほんと過去の所業が今を追いかけてくるなあ… それで全ての始まりだった千鶴丸の下手人善児を小四郎が譲り受ける重さよ。
#鎌倉殿の13人
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露伴先生と泉ちゃん、互いに合わせようという気はさらさらなく、根底では相手を尊敬し認めあってるなんて美しい感情があるわけでもなく、ただただ自分の都合と感情で動き回ってる結果が偶然噛み合ってる相性の良さが存在してるだけという、とても理想的な異性バディだなあ
#岸辺露伴は動かない
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ちなみに安子の英語ですが、本当にNHKラジオ だ け で韓国語を独学してたら、うっかり知人の民間交流の通訳に駆り出され、しかも案外通じて相手にも自信をもって!と励まされたので、そのあと語学活かせる職に転職し、今も元気に働いてる友人が実際いるので、そんな突飛な設定とも思わんかったです。
339
しかし自分でも言ってますが小四郎もう既に疲れ果ててるな…
米蔵から引きずり出された初回からずっと、人の間を取り持ち、気を使い、衝突を避ける水面下工作も被害を最小限にしたい努力も結局は恨まれるだけ。もう自分の好きにやるしかと半分ヤケのような独断に垣間見える「衰え」か…
#鎌倉殿の13人
340
二代目ヒロインの名が「るい」とは当初から分かってて、では稔からのルイ・アームストロングか、勇だから野球の塁か…と1~2週のころ予想の楽しみがあり、巧いなと思ってたら、まさか、本当の由来を明かせない葛藤と、勘違いでも「皆でるいを守る」と言う弟のファインプレーに繋がるとは…
#カムカム
341
それにしても、兄上の意思を継げばすなわち佐殿はお飾りだと、言われて気づいてもそのまま突き進む義時も、価値を見極めてやる気満々で参陣する上総介も相当ですが、全て分かった上でお飾りとして一芝居打てる佐殿、やはり底の見えない怖さがある男だな… 伊達に流人を20年やってない。
#鎌倉殿の13人
342
実はボケてた歩き巫女が言う「天命」を信じてしまった実朝の、しかしどこか従容とした最期の笑顔に対し、頼朝様のように天に生かされたと言いつつ、やはり根はリアリストだから信じきれるわけでなく、”俗物”同士のウマで運慶に彫らせる仏も何か確認作業のような小四郎の孤独が一層重い。
#鎌倉殿の13人
343
義盛の一つ覚え作戦を読んでたり、相手の狙いを悟りあえて引きずり出されてきた小四郎を見て「待っておったぞ」と笑う重忠といい、あいつが板挟みになると黙ってた平六に「私に隠れてこそこそ動き回った罰だ」と役目を与える小四郎といい、このお互い通じすぎてる4人が、ほんとになあ…
#鎌倉殿の13人
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於愛の方が、殿の真意(ただ信長に媚びへつらってるわけでない)を察してるのは、側室の近さだけでなく、面接で瀬名と直接話した楽しい記憶も大きいんだろうなあ。あの優しく暖かいお方様の哀しい死を、この殿が簡単に忘れられるはずなかろうと。於愛にとっても彼女は忘れ得ぬ人のはず。
#どうする家康
346
理屈とか史実とかいろいろなものをすっ飛ばしたことを感情のままに言いますと、はーーーーもういいよ小四郎、姉上に無理やり引き止められてからここまでめっちゃ頑張ったよ、鎌倉なんぞ放り出して仲章の言うとおり伊豆に帰って念願の隠居生活しちゃえ!!後のことは知らぬ存ぜぬで通せ!!!になる。
347
小栗さんのインタビュー、未だに誰も信用できない頼朝を支えられるのは自分だけで「自分がこの人を裏切ったら、全てが崩れてしまうんじゃないか」と思い付き従ってる、また自分が壊れないよう無意識で、悲しみに蓋をする作業を機械的にできるようになってるという小四郎解釈に、ひえっとなりましたね…
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アメリカに(野球でも)勝てば稔兄さんも認めてくれるはず、と信じ切って、それで安子にプロポーズする勇ちゃん。でもその稔さんが安子に託した夢は「どこの国とも自由に行き来できる、音楽を聞ける」であり、勝ち負けじゃない。この、互いに大事な稔への認識ですら顕になる徹底的ズレ。
#カムカム
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扮装なしでも「おばけ」として全力で脅かし、ギャーと逃げる客に「ありがとうございました」と律儀に言う虚無さん、本日も最高でした。サイン会の余興で、しかも小学生の前でも、全力で斬られ演技をしていたあの頃から、ずっとこの人は「日々鍛錬」で目の前の仕事に取り組んでるんだな。
#カムカム
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頼家と泰時、いとこ兼幼馴染だけでなく、そこに千鶴丸を挟めば、それぞれ千鶴丸の異母弟、異父弟でもあるのを思うと、全ての始まりだった千鶴丸を殺めた男・善児が最期を迎える場に2人の生と死が交錯するの、ほんとこの作品らしいなと思いますね…
(さらに、千鶴丸と重ねて命を救われた鶴丸もいる)