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音が荒れてるよ?何があった?と無垢な顔で聞いたり、舞台で善女のパンをやらかしたり、子供らと夏祭りに興じてタコ焼きをこぼしたり… 一歩間違えればあざとくなりかねん役が、オダギリジョーさんのぽわぽわした柔らかさで血肉を得ている感。脚本藤本さんの指名だったのがよく分かる今週。
#カムカム
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父の遺言で作り続けてきた足袋にようやく打順が…と泣く勇。
その足袋が、金太と千吉を意気投合させ安子と稔の結婚に結びついたことも、杵太郎が愛用してたことも、今は誰も(視聴者以外は)知らない。
人の生き死に、記憶が消えること、それでもモノは残ることに、百年の長さを思う…
#カムカム
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あー…
戦に勝てば喜ぶ家臣、武将として褒めてくれた帝、いけいけどんどんで背中押す帰蝶。その嬉しさだけで走ってきた子供が、恐らく生まれて初めて、あなたは生きているだけでいいんですと存在そのものを全肯定された美しい瞬間のはずなのに、信長と光秀というだけで漂う不穏オブ不穏。 #麒麟がくる
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大河の影響力を考えると、史実はこう!と言いたい人の懸念もまあ分からんでもないですが、純粋なドラマ感想にわざわざリプする根底には、ドラマなんぞを楽しむ人間は皆フィクションを史実と混同するに違いないという侮りと思い込みがないか?と言いたくもなるな…と、相互さんが絡まれてるのを見つつ。
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『サムライベースボール』という映画が担っていた意味、単純に時代劇がハリウッドに認められたよ!て能天気な話ではなく、稔さんの夢「自由に【行き来】できる」に掛かっていたんだな。どこか誰かの愛するものが、その生まれた国にとどまらず、互いに等しく行ったり来たりする自由さ。
#カムカム
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斬られ役を屈辱と見て、扮装バイトに腐っている今の五十嵐よりも、映画村のためできることを考え、コツコツ貯金もしてる今のひなたのほうが、モモケンの「志を失わなければ侍になれる」のとおり、刀は差しておらずチャンバラができずとも余程「侍」に近い精神性は保ってるかもしれないなあ。
#カムカム
307
あと、やはり第15回からの流れがずっと続いているんだなあと。
あの現場で心底怯えた義澄をはじめ父世代は、義経挙兵を受けまず守りに入るのに対し、それぞれの立場はあれ上総介誅殺を受け止めた小四郎平六はアイコンタクトで攻めに回る。鎌倉殿が造る新しい体制に順応する世代の台頭。
#鎌倉殿の13人
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それにしても、石橋山直後に「(兄も含め)死んでいった者たちが浮かばれない」と頼朝に発破かけていた小四郎が、その兄と同じく戦をするため産まれてきたような義経から、”多少の犠牲”扱いな無数の死体を前に「これまで討ち死にした者が浮かばれない」と言われる、このしっぺ返し感よ。
#鎌倉殿の13人
309
今の義時のやり方を真っ向から否定してくる泰時を謹慎させるのも、政子姉上に「甘い」と言い放つのも、義時が守ろうとしてるのは、2人のそんな青さ甘さだからこそだよなあ。そこに、北条嫡男の清廉さ、尼御台の無謬性という政治的価値はあるとしても。小四郎にせめて残された希望。
#鎌倉殿の13人
310
4人きょうだい。一人は音楽好きで体が弱い。実は借金があるらしい経済状況。そして、ご馳走を困っている隣人に分け与えようと子供らを説得する慈悲深い母親。
これは、若草物語がベースになっていく……??
#ちむどんどん
311
ジョーに美味しいコーヒーを入れて笑顔にする。古本屋に行こうとしてばったり再会する。そしてサマーフェスティバル。
るいが、おはぎを推して出会い、書店で再会し、夏祭りに一緒に行った、母安子と、そして顔も知らない父稔との恋を知らずなぞっている。
#カムカム
312
楽しみにしてたムロ藤吉郎、期待を遥かに超える怖さで最高だった…。蹴飛ばしてえ時に蹴飛ばしてちょうでえ!と尻を向けるあれ、自分を馬鹿にした奴やられたことを逐一覚えてるタイプ、という以上に、いつか利用するため自ら誘って相手の失点本性醜さを引きずり出す周到さではなかろか。
#どうする家康
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歩き巫女の占い、泰時の中に双六トラウマ上総介の魂が入ってること、実朝に雪の日は危ないとも的中してるだけに、オリジナルキャラゆえ先を読めない鶴丸の占いが義盛に邪魔された展開、逆に怖い。
今後の北条父子のためにも、明るい幼馴染従者の鶴丸にはずっと太郎の傍にいてほしい…
#鎌倉殿の13人
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自分の無意識のクセが実は小四郎を傷つけたことなど知らず、公暁の首桶を見た小四郎のアイコンタクトに、以前のような通じ合いを得られず、やや戸惑いながら茶番に参加する平六。
既視感あるなと思ったら、あれですね。第38回で、お恨み申し上げますと泣く小四郎に、ひどく驚いた顔をする時政パパ。
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つまり、安子が妥協して「るいのため」勇ちゃんと結婚しても、結局地獄になったのでは??て話になる。
安子の考えの至らなさ、視野の狭さを突きつける一方、では作中の世間一般が(一部の視聴者も)選べと言う道も決して「ひなたの道」じゃない、安子だけ責められないと描く #カムカム の仕掛けよ…
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「おかしいのはお前たちだ」「私の考えが鎌倉の考え」も、散々気を使い振り回され最悪の結果しか得られなかった果てに独善を”最適解”にしてしまった疲れなわけで、本当は二番手こそ合ってる自分が慣れない凸凹なことをしてると本人(とあと太郎も恐らく)が一番分かってた小四郎に、やっと……涙
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頼家が、子を生んだせつでなくつつじを正妻に望んだのは、血筋以上に、乳母父である比企への煩わしさもあったとしたら、つつじからも心が離れ次はゆうに惹かれたのは、先週つつじが政子の薫陶を受けてるのを見たのもあるのかな。比企や政子=”親”の影響下にない、俺だけの女がほしいと。
#鎌倉殿の13人
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この先の史実で、起請文も院宣も無視してなぜ義村が義時の側につくのか。第1回から描かれていた米蔵の幼馴染関係だけではなく、一度は恋の鞘当てさえした、伊東の一族のお姫様であり、必死でその命を救ったおばであり、盟友小四郎の妻でもある女性を死なせた傷を平六に負わせる三谷さんんんんん……
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ああ、そうか。ずっと良き娘、妻、嫁、母だった安子が、何もかも奪われるという理不尽な目にあって内側に燻ぶらせていた怒りや疑問、哀しみ、そして自らも気づいている矛盾を初めて言語化して叫べるのが「英語」なんだ。言葉を、言語を獲得するとはこういうことだ。自我に関わることだ。
#カムカム
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しかしカムカム、雑誌など各種媒体の記事は割と好意的だし、CDはジャズアレンジ含めて出るし、最終回前日には特番まで放送されるし(関東組なので深夜のを録画して見ます)ちりとての頃から鍛えられた勢としては、嘘だろ…藤本脚本なのに世間様がこんなに好評で手厚いの嘘だろ……てビビってしまう。
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小四郎主人公として本編の終わり方にあれ以上のものはないだろうとは納得しつつ、これだけ種をまいておいて伊賀氏の変をやらないことあります!?と思ったり、でもまたここまで、いかにも三谷舞台的な未来がはっきり見える種をまいてるからこそ「それはまた別の話」と委ねられてる気もしたり。
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物語の展開上、小四郎にどんどん辛い負荷がかかってくる中、その小四郎が遠慮なく頼って無茶振りできる盟友を、単なる誠実な自己犠牲タイプではなく、割と自己都合で動くおもしろ男にしてあるのが、人物の配置としてすごくよく出来てるなと思うんですよね… 双方の感情が袋小路に行き詰まらない。