以前、某市当局から「牛がみるみる痩せて衰弱し、便から肝蛭の卵が出た。貝が媒介するらしいが対策は?」と相談され、畜舎の水呑場にヒメモノアラガイが大量に湧いてるというので「元凶はそれだ! すぐ干上がらせて一掃!」とお答えし、効果覿面でした。画像はその時の「成功報酬」として戴いた肝蛭標本。 twitter.com/legendofhotdog…
#新種発見のエピソード 山と溪谷社から遂に書籍化! タグの考案者馬場先生@Baboon_saiとともに、僭越ながら編者を仰せつかりました。多様な分類群の新種記載経験者による珠玉の「すべらない話」19篇に加え、記載命名小講座から豪華顔触れの座談会まで盛り沢山。12月17日発売! amazon.co.jp/dp/4635063208/
これは紛れもなく、絶滅が危惧される稀少種ベニワスレです。何しろ私は、この種を昨年新種記載した当人ですので間違いありません。特に三浦半島産の標本は全国の博物館にもほんの僅かしか所蔵されておらず、貴重極まりない情報に接して感動しました。 doi.org/10.1080/132358… okayama-u.ac.jp/up_load_files/… twitter.com/jhansuka/statu…
なんと、今朝からワスレガイ論文が全文フリーアクセスとなりました! PDFダウンロードもできます: doi.org/10.1080/132358… 3日前のツイートの反響を受けての出版社の計らいで、ひとえに、いるかさんと会えるかなさん@jhansuka のおかげです。多分1ヶ月限定。MR史上3作目・5度目の快挙です。 twitter.com/SocStudMollDiv…
広東住血線虫症は九州以南のみならず北海道・本州・四国各地でも症例(髄膜炎・脳障害等)が知られています。アフリカマイマイやアシヒダナメクジが主な中間宿主とされますが、潜在的には多様な陸産貝類に見られる可能性があるので、生きたカタツムリ・ナメクジに触れたら念入りに手を洗いましょう。.. twitter.com/VetPara_Nvlu/s…
絶滅危惧種という術語は厳密にはI類とII類だけを指し、準絶滅危惧以下は含まれません。 また「〜に指定」という表記をよく目にしますが、「指定」は天然記念物や国内希少野生動植物種など法的拘束力を伴うものを対象とします。RL掲載種それ自体は規制対象でないので、「〜に選定」と記すのが適切です。
驚きのニュース。確かに本邦のアワビ属大型3種は日本列島+朝鮮半島周辺に固有なので、巨視的には分布域は決して広くないのですが、もしそうならサザエも同様にIUCNのRLに入る日が来ても奇異ではない。しかもENとは環境省RLなら絶滅危惧IB類相当という高ランク! 水産庁はどう対応するのか注目です。 twitter.com/SciKotz/status…
二枚貝類の水管の形態は分類群ごとに様々で、殻の多様さとはまた一味違う面白みがあります。例えばサクラガイの生貝を深夜、清浄な海水中に横たえて暗闇で放置すると、しばらく後に予想外に細長くて白い、素麺みたいな一対の水管を伸ばしてリラックスするので、初めて目にすると「きゃー」となります。 twitter.com/SocStudMollDiv…
この表紙上列中央の巻貝は、絶滅危惧種どころか外来種の疑いがあります。私たちは今まさにその外来種の報告を作成中のため、共著者2人と意見交換しましたが疑念が払拭できません。サイズや産地の明記がなく断定には至りませんが、この図鑑の表紙に相応しくはないでしょう。… amzn.to/3GSAZSW
倉敷市自然史博のお宝百選、今月の貝類は岡山県産ハマグリ。県内最後の生貝標本はまたしても #畠田和一(1965年歿)まで遡らねばならず、私もこの22年間県内で相当探しましたが、著しく古い半片数個が関の山でした。放流も失敗続き(環境が悪いので当然)で、県RDB2020では絶滅したと判断しました。 twitter.com/kura_n_h_museu…
これは凄い! 現生オウムガイの3新種を米領サモア・バヌアツ・フィジーからそれぞれ記載。ここ数年、従来のオウムガイは複数種を含むらしいとの噂が伝わってきて、2018年には真のオウムガイのネオタイプが指定される等の動きもありましたが、今回の論文との関連についてはこれからじっくり拝読します。 twitter.com/TylerGreenfieI…
現在店頭や食卓に並ぶ「ハマグリ」の多くは似て非なる別種です。チョウセン〜、シナ〜、ハンボリ〜などを代替品的に消費しています。真のハマグリが絶滅の危機に陥ったのは前世紀末以来の動かしがたい現実ですが、そのことがまだあまり広く知られていないならば、それはまた別の「恐怖」です。 twitter.com/oikawamaru/sta…
現在改訂作業中の環境省RLでは、ハマグリの選定と評価を私が担当する予定でしたが、先日突然水産庁が「こちらでやるから」と一方的に宣告してきました。まさか、RL対象外としたくて囲い込むのではないでしょうが、口出し無用というなら責任を持って、現状に即した妥当な判断をお願いしたいものです。 twitter.com/SocStudMollDiv…
「九十九里産ハマグリ」は別種チョウセンハマグリ(左)です。和名の由来は朝鮮でなく潮線・汀線と言われています。主として外海に面した砂浜に産します。一方、真のハマグリ(右)は内湾奥部河口附近の砂泥干潟を好み、同様の環境の多くが近年の埋立・干拓や水質汚染等で悪化したため、激減しました。 twitter.com/SocStudMollDiv…
風間翔さんの新作、ヤベガワモチ届きました! 世界広しといえどもアワモチのぬいぐるみは史上初の快挙ではないでしょうか。もちろんバケツの側面も垂直に登れます。以前からうちにいるヒミツナメクジ共々大切にします。絶滅危惧軟体動物シリーズは今後も続くそうですので、次作も心待ちにしています。 twitter.com/kazamashow/sta…
ついさっき知り絶句。この河口のヨシ原には絶滅が深刻に危惧されるオオクリイロカワザンショウの日本最大規模の個体群があり、私は四半世紀前にヨシの刈取りを巡り地元と揉めた苦い記憶があります。生物群集への負荷は考慮したのでしょうか? 水辺の僅かな刈り残しが免罪符? nippon.com/ja/news/fnn202…
「四半世紀前に揉めた」時は、97年の諫早湾閉切で死滅するムツゴロウを町興しと称して移入し、干潟を広げるべくわざわざヨシを刈ったのでした。当時の新聞には「自然保護という名の欺瞞」と報じられました。今回は目的も規模も異なりますが、いわば「森を見て木を見ず」という点は共通すると思います。 twitter.com/socstudmolldiv…
以前「揉めた」六角川のヨシ刈取は、『有明海の生きものたち』でも論じたので、当該部分の全文を挙げます。お時間のある方や、今回の件で取材をお考えの報道関係者の皆様、ご一読いただけると幸いです。今回はムツゴロウは直接関係ないですが、文の後半はヨシ原の生物に関して普遍的に言えることです。 twitter.com/SocStudMollDiv…
有明海のサルボオが1パック千円まで高騰! 岡山県ではとっくに採れなくなり、少なくとも今世紀はずっと有明海から移入して短期間海に浸け、「地元産」と称して流通させていましたが(そのせいで外来種も蔓延)、それももう続かなくなりそうです。内湾の在来貝類はどんどん消えてゆきつつあります。 twitter.com/sayakasbs/stat…
#ハチSOS ハチの干潟のLNG火電計画が、このたび「中断」されました。理由はウクライナ危機による燃料価格高騰のためとされ、県への水域占有許可申請も既に取り下げられ、計画再開は未定とのこと。しかし白紙撤回ではないので、当会では今後も注視し、議論を続けてゆきます。 chugoku-np.co.jp/articles/-/275…
「生物多様性の根幹」について長めのインタビューを受け、南三陸サスティナビリティセンター発行のフリー冊子『海の恵みに迫る危機』にこのほど掲載されました: m-sustainable.org/works/writing-… ニシザワマキコさん@makkotwittによる見事な挿画付きです。この絵はRTの「その他99%」の原図を踏まえています。 twitter.com/SocStudMollDiv…
「あらゆる生物は繋がっている」は生態学的には圧倒的に正しいですが、倫理的にはやや足りないと思います。「組織の中の歯車・齣」的な、個別存在の軽視や疎外に陥る危険があるので。だから「繋がっている」だけを強調すべきではなく、「繋がっているけど、同時に、個々に独立」が望ましいでしょう。 twitter.com/oikawamaru/sta…
それと「全ての生物は役に立つ」なら、役に立たない生物は存在しないわけですから、有用/無用の区別自体がそもそも意味を成しません。だからその線引きに対し、常に距離を置くのが大切ではないでしょうか。有用性が局在的に重要な場合は確かにあるものの、それを過度に一般化すべきでないと思います。
六角川河畔で見た興味深い表示。スクミリンゴガイの凄まじい増殖速度を考えると、「撲滅」の達成には一水路あたり何匹のスッポンが必要か、そしてそれはどこから連れて来るのでしょうか? 想像を様々に掻き立てられます。しかし水面からちらっと見ただけでは、両種とも存在を確認できませんでした。
岡山大津島キャンパスで唯一、ゴマガイ・ヤマクルマ・アツブタガイが棲息していた茂みが遂に伐採されて落胆。上記3種は全国的には広域に分布する普通種ながら、弊学敷地内ではこれで絶滅必至です。同様の伐採が世界中で進み、夥しい数の陸貝の種がどんどん絶滅していることを想起せざるをえません。...