#珍種紹介 日本の淡水貝の #七大珍種 にカワネジガイを含めることに異論は出ないでしょう。稀少性はもちろん、形の奇抜さや意表を突く所属など、これこそは貝通の夢にして憧れの種。この種に関するまとまった報告を一番最近公表したのがたまたま私なので、カワネジガイの凄さと魅力をご紹介します。...
どこで息継ぎすべきかわからない場合もありますが、貝人はこれらの名を正確に諳んじて流暢に口にします。15〜16字程度は決して珍しくありません。 ちなみに、現時点で最も長い貝類の和名はレーズンイリムシパンサンショウガイモドキ、20字です。この和名を命名したのは私自身で、殻を見た瞬間…
図鑑とは、山溪さんご指摘の通り入門書と専門書を兼ねた稀有な媒体。時にその作成に関与する立場としては利用者のニーズを知るべしと思い立ち、学生相手の単純な聞取調査を行いました。その結果、依頼講演等で意外に好評な持ちネタとなったのでご笑覧下さい。いつも通り考察が飛躍しまくりですが。… twitter.com/Yamakei_ikimon…
今回の恐るべき成果が、卑小で凡庸な物語に回収・梱包されて終わってしまうのではと勝手に危惧し、もどかしさを禁じ得ません。それは無理もないことで、カヤノミカニモリという名前自体を今回初めて聞いたという方が圧倒的多数のはずで、その点で今回の研究は、レベルが高過ぎて正当な評価が得られ..
カヤノミカニモリの件、「高校生が」「9年かけて」「環境省から表彰」という経緯は私も慶賀にたえませんし、だからこそ新聞記事にもなったのでしょう。でも、それらに当てはまる研究は従来も多数ありました。他方、カヤノミカニモリの飼育下での全生活史解明は、人類史上初のことです。だから私は...
ミヤイリガイについて補足。日本住血吸虫症が終熄したと公的に認められている現在、ミヤイリガイは「普通の」絶滅危惧種として環境省RL・RDBに掲載されています。カテゴリは絶滅危惧I類、つまりヤベガワモチと同じです。ならば必然的に、保全対策が求められます。画像は現存個体群の生貝。
記事内容の最も恐るべき点は「幼生から成貝までの飼育を初めて成功」の部分で、この種の生活史全体を飼育下で再現できるなどとは、私は思いもよりませんでした。これで謎の減少要因の特定にも繋がるかもしれません。確かに天草には九州以北としては数少ない健在個体群があり、この地域でこそなしえた..
この報道、迂闊にも気付くのが遅れましたが、研究内容のものすごさに驚嘆・絶句しました。カヤノミカニモリは1970年代までは本州〜九州でもごく普通でしたが、その後短期間で原因不明の消滅を遂げ、絶滅寸前に陥ったのです。一方で南西諸島以南ではなぜか今も多産します。... news.yahoo.co.jp/articles/72a6d…
ミヤイリガイを巡る歴史を思い出すたび、私は激情を抑えられなくなり、必死で冷静を保とうと努めざるをえない。これは人と自然の関わりにおいて不可避的に生じる難題の、縮図の一つでもあります。去年公表された岡山県RDB2020でも、最後は私自身が救いを求めて、供養の話で締めくくっていました。
人の都合で滅ぼしてしまった生きものを供養する、という発想は、生物多様性保全の根源的動機付けの一つとしても不可欠と思います。外来種も含め、人や他の生物に害をなす存在であっても、そのものに罪はないのですから。久留米の筑後川河畔には「宮入貝供養碑」があります。 miyairikinenkan.com/seiatsu/chikug… twitter.com/oikawamaru/sta…
アワモチたちには他の貝類にない驚きの特徴が2点ありますので、併せてご紹介します。 ①脱皮して成長する。脱皮とは本来、外骨格を持つ節足動物等がやることで、軟体動物では生じないはずですが、アワモチは脱皮します。写真は私が飼育していたセンベイアワモチの脱皮後の様子です。ただし脱げる..
ヤベガワモチの学名確定に向けて少しでも前進しようと、昨日からずっと関連文献を読み漁っていますが、合致するものは見当たらず、属の所属すら不明瞭です。しかし大きな進展がありました。やはり不明だったセンベイアワモチの学名が遂に判明しました! 日本で記録されて以来、初めてのことです。
@taketyanman_r 素晴らしいの一言です、今まで知らなかったことを恥じ入ります。近縁なセンベイアワモチは縦に連なるだけで円環にはならないので、大きな差異に驚きました。この情報は必ず保全に役立ちます。貴重な瞬間を記録して伝えていただき、本当にありがとうございます。
ちなみに、スメアゴル科のゴクリ属とはこれです。この科は北半球では日本でのみ知られています。国内に少なくとも3種いますが、それぞれ、たった1つの浜の固有種です。キタギシマゴクリの棲息範囲は僅か10m程度しかありません。この類の話を始めるとまた長くなってしまうので、別の機会に改めて。
ヤベガワモチは環境省RLで絶滅危惧I類、即ちイリオモテヤマネコやヤンバルクイナ等とほぼ同等の稀少性評価を受けています。しかし稀少すぎて調査自体が難しく、学名すら決定できないなど難題山積です。そうするうちに河口はどんどん開発されて住処が奪われています。どうかこの現状を知ってください!
この動画は凄い!交尾です。私は見たことがありません。不勉強にしてこの動画の存在自体、たった今知りました。「先っちょに出ている」のは陰茎で、右の触角の斜め前から外へ突き出されます。雌雄同体で、雌性生殖口は体の右側後方にあるので、互いに陰茎を挿入し合おうとして廻転しているところです。 twitter.com/taketyanman_r/…
とても悲しいお知らせ。たった今、撮影者の川内野会員からメールがあり、画像の産地では環境悪化で既に絶滅しただろうとのことです。同じ長崎県内でかつて記録があった別の場所でも見つからないそうです。ヤベガワモチは今、本当に風前の灯です。
野外での様子(川内野善治会員撮影)。基本的に夜行性で、昼間は河口の軟らかい泥の中に深さ30 cm以上も潜り込んでいますが、雨上がりや潮が引いた直後には表層へ出てくることがあり、その場合は頭触角を思い切り伸ばし、背面の疣状突起を棘状に立てて、結構な速さで泥上をどんどん進んでゆきます。
みんな大好きヤベガワモチ。より新しい画像(2010年、長崎県産)が出てきました。また掌に載せてます(ひんやりして気持ちいいです)。この仲間はアシヒダナメクジ、スメアゴル(日本産はゴクリ)、オカミミガイ、ユキカラマツ等に近縁で、いわゆる普通のナメクジたちからはやや縁遠いグループです。
諫早湾問題がいまだ続いていることを忘れてはならない。有明海の特異な貝類相については、21年前の下記の書籍に書きました。ヤベガワモチという和名はこの本が初出です。 有明海の生きものたち―干潟・河口域の生物多様性 佐藤 正典 amazon.co.jp/dp/4905930057/… @AmazonJPより twitter.com/radioainet/sta…
本日未明、サザエ新種記載論文が全文フリーアクセスになりました! 2017年の公表直後に次ぎ2回目。先日のツイートを拡散戴いたお蔭で、出版社が動きました。本当にありがとうございます。PDFも無料ダウンロードできます。多分1ヶ月限定。よろしければご利用ください。 doi.org/10.1080/132358…
よく考えたら、ヒミツナメクジ・「ウミウシ」・「ナメクジ」等の系統関係についてご紹介していませんでした。改めて系統樹をご披露します。ヒミツナメクジはスナウミウシ類、普通のナメクジは柄眼類です。以上は黄色く塗った部分(汎有肺類)ですが、「ウミウシ」は緑色の部分(真後鰓類)です。
佐世保市在住の当会会員川内野善治さんから、宇久島の最新情報をお寄せいただきましたので、ご本人の諒解を得て転記します: 宇久島は太陽光パネルで島の1/3が敷き詰められ、風力発電40数機が建設される予定です。風力については県が世界遺産委員会の視察の際に風力発電の予定があること伝えていない..
#新種発見のエピソード サザエ番外編。一昨日の後篇で、かつてサザエを指す学名は2つ存在したものの、共に使用できないので新種記載したとご説明しました。その1つはモーリシャスの種と被ってしまった𝘛𝘶𝘳𝘣𝘰 𝘫𝘢𝘱𝘰𝘯𝘪𝘤𝘶𝘴ですが、もう1つは実は「トンデモ学名」で、話の流れを遮ってしまう..
【拡散希望】#ハチSOS ハチの干潟の発電所計画と環境保全問題に関して、このほど、5学会連名の要望書が行政(環境省・広島県・竹原市)と事業者へ郵送されました。要望書の全ファイルは当会HPのトップ(URLは上記プロフィール欄参照)に挙げてありますので、情報共有と拡散をお願い申し上げます。 twitter.com/SocStudMollDiv…