これも驚きのニュース! タケノコカワニナは紀州・四国・九州等にまだ点々と産地が残るものの、愛知県ではとっくに絶滅したとされていました。近隣他県から浮游幼生がやって来て新たな個体群が生じた可能性もあり、棲息環境が改善されれば戻ってくる種の一例かもしれません。 chunichi.co.jp/article/727000
の名前と所属を決定し、他者へ伝えて情報共有することは決して容易でなく、むしろ様々な困難を伴います。サザエを巡る混乱はその好例です。したがって生物に関する我々の知識は今なお甚だしく不完全で、偏見や錯誤も多く混入していることを、多少とも自覚した上で自然界に臨む方がよいだろうと私は..
有明海のサルボオが1パック千円まで高騰! 岡山県ではとっくに採れなくなり、少なくとも今世紀はずっと有明海から移入して短期間海に浸け、「地元産」と称して流通させていましたが(そのせいで外来種も蔓延)、それももう続かなくなりそうです。内湾の在来貝類はどんどん消えてゆきつつあります。 twitter.com/sayakasbs/stat…
このような技術開発に余念がありません。散々苦労して入手した激レア種の虎の子1個体に対し、気合を入れて肉抜きに臨んだにもかかわらず、無惨に失敗した時以上の絶望はこの世にないからです。貝人が学会等で集まると、「遂に俺はあれを抜けた」だの、「頼むからあれの抜き方を教えてくれ」だの、...
おおお、これは正真正銘、日本在来のハマグリ! シナハマグリやチョウセンハマグリなど同属の別種ではない。しかもこの大きさだと相当お高そう。産地が知りたい。やはり熊本か杵築あたりだろうか? 在来ハマグリの保全はまさにSDGs的課題です。 twitter.com/chiakikuriyama…
貝人は洋の東西と時代を問わず存在し、一つの社会を形成するため、必然的に独自の文化と多くの流儀・作法・unwritten rulesが存在します。その典型例が肉抜きで、曰く「肉抜きは貝人の嗜み」。肉抜きとは、殻を持つ貝類の生きている個体に対し、殻と軟体部(肉)の両方を、共に無傷で分離する手法の...
風間翔さんの新作、ヤベガワモチ届きました! 世界広しといえどもアワモチのぬいぐるみは史上初の快挙ではないでしょうか。もちろんバケツの側面も垂直に登れます。以前からうちにいるヒミツナメクジ共々大切にします。絶滅危惧軟体動物シリーズは今後も続くそうですので、次作も心待ちにしています。 twitter.com/kazamashow/sta…
この茂みにいたヤマクルマの生体写真は、奇しくもつい先日刊行された岩波ジュニア新書『新種発見物語』の私の章に掲載したばかりですが、残念ながらこの写真が、上記個体群の「遺影」となってしまうことでしょう。岡山大ではこの23年間で約70種の貝類が確認されましたが、在来種は次第に減っています。
我々が歓声を上げた傍らで中電の人が悄然とうなだれていたのが印象的でした。ともかくそのような稀少種の宝庫に来て、少しでも長く調査したかったものの2時間限定の約束だったので、私はカクメイ科のいた潮溜りの底から堆積砂泥を急ぎ掻き集め、持ち帰って微小種を探すことにしました。..
先ほど、サザエ新種記載論文が全文フリーアクセスとなりました! PDFも入手可。RTの冒頭ツイートのリンクから行けます。ここ数日の反響(altmetricsがまさかの4桁到達)を受けての出版元による計らいで、5年前・昨年に続き3回目。多分以前と同様、1ヶ月程度の期間限定でしょう。ぜひご利用下さい。 twitter.com/SocStudMollDiv…
野外での様子(川内野善治会員撮影)。基本的に夜行性で、昼間は河口の軟らかい泥の中に深さ30 cm以上も潜り込んでいますが、雨上がりや潮が引いた直後には表層へ出てくることがあり、その場合は頭触角を思い切り伸ばし、背面の疣状突起を棘状に立てて、結構な速さで泥上をどんどん進んでゆきます。
この絵のコアラは「人にとって都合の良い生物」の象徴だから、役に立つ・食える種などにも置き換え可能です。でも生物多様性の定義の一つは「地球上の全ての種」であり、役に立とうが立つまいが、害をなそうが本来は関係ない。役に立たんよりは立つ方がいいかもしれませんが、それはまた別の議論です。 twitter.com/SocStudMollDiv…
77年前の今日8月11日、昭和天皇の前で東條英機が、ポツダム宣言受諾の是非を巡ってなぜかサザエに言及しました。その遥かなる反映として、サザエは2017年に新種記載されるに至ったのです。来週木曜(18日)19:30からのNHK #ダーウィンが来た 夏休みスペシャルでも、サザエの一件が紹介される予定です。 twitter.com/SocStudMollDiv…
その後の、近年までに刊行された関係文献を徹底的に調べたところ、サザエまたはナンカイサザエを指す学名は全部で8つ存在し、そのうち2つはサザエを指しているものの、それぞれ異なる理由で有効名とはなり得ません。結局、サザエに対して使用可能な学名は存在しないことが明確化されました。つまり…
事の発端は、別の場所で伸び過ぎた竹の先が電線に触れて危険なので伐ったことで、それ自体は必要な処置でしたが、某教員の発案で、無関係な今回の茂みまでついでに手を付けたとのことです。「ハウスに影を落とし邪魔」とも主張したらしいですが、これは茂みとハウスの位置関係からして事実に反します。 twitter.com/SocStudMollDiv…
ないことで、上記2文献は日本にない稀覯本です。2010年代になってネット上のデジタルアーカイヴが発達し、誰でも簡単に電子ファイルを閲覧できるようになるまでは、内容の確認は極めて困難だったのです。ともかく、従来のサザエの学名は誤りであることが判明しました。ではサザエの適切な学名は..
しかもその本文には「中国産」と明記されています。驚くべきことに、従来ずっとサザエの学名とされてきた𝘛𝘶𝘳𝘣𝘰 𝘤𝘰𝘳𝘯𝘶𝘵𝘶𝘴は、実は別種ナンカイサザエを指していたのです。私以前には誰も原記載を再確認した人がいなかったために、この混乱が生じてしまったようです。しかしそれは無理も...
「四半世紀前に揉めた」時は、97年の諫早湾閉切で死滅するムツゴロウを町興しと称して移入し、干潟を広げるべくわざわざヨシを刈ったのでした。当時の新聞には「自然保護という名の欺瞞」と報じられました。今回は目的も規模も異なりますが、いわば「森を見て木を見ず」という点は共通すると思います。 twitter.com/socstudmolldiv…
いかん出遅れた、すまん芳賀君! エントツガイは彼が最も得意とするフナクイムシ科です。異様に長い棲管(殻ではない)が時折売られていますがそれらはフィリピンなど外国産で、まさか国内にもいたとは驚愕。同じ科の他種は木材に穿孔しますが、この種はマングローブの泥底に埋もれているとのこと。 twitter.com/nhk_news/statu…
これはもっと周知・強調されるべきと思います。図鑑はあたかも「一家に一冊の決定版」として過度に信頼される傾向がありますが、どんな場合も完璧などあり得ないのです。他の分類群の事情は存じ上げませんが、貝類の「著名な」図鑑は大半のページに、何らかの点で事実に反する点を含むのが現状です。 twitter.com/Baboon_sai/sta…
筋肉は外せたとしても単純に引っ張ると力が奥まで伝わらないので、殻頂近くにケガキ針という硬い針を用いて、肉眼で見えないほどの小さな孔を開けます。この孔から注射器などで水を勢いよく注入すれば、軟体は殻口方向へ降りてくるのでやがて無傷で取り出せるわけです。日本の貝人は昔から、...
サザエが現れたのはイギリス人Reeveの1848年の図譜(右)であり、その図は紛れもなく我々がよく知るサザエですが、学名は𝘛𝘶𝘳𝘣𝘰 𝘤𝘰𝘳𝘯𝘶𝘵𝘶𝘴とされており、これこそが最近まで連綿と続いてきた誤同定の源泉でした。ところがこのReeveの本には、更に奇怪な図と記述が掲載されています。…
イボウミニナ! 本州〜九州のウミニナ属3種のうち際立って稀少性の高い種です(環境省RLで絶滅危惧II類)。今なおこれほど大量に採れるならその場所には生物多様性の極めて高い干潟が広がっている可能性が高く、他の稀少種の産出も期待できます。この状態が今後も維持されるよう願ってやみません。 twitter.com/yoshiike_group…
手首を掴んで落ち着かせてから、ピンセットを握ったのを覚えています。貝の足に触れて軽く引っ張ると、抵抗もなく、全体がつるりと殻から出ました。肉抜きは、完璧でした。よっしゃあああ! 私は無人の研究室で一人絶叫しました。2時を回っていました。涙が出ました。しかし抜けて終わりではなく、..
なく、手付かずの自然が広がっていました。浜へ着くなりすぐに、途轍もなく高い生物多様性を示す場所であることに驚嘆しました。貝類は過去百年以上再発見されていなかった種や、瀬戸内海の他所で極めて稀になった絶滅危惧種が次々に現れました。踏査するうち、目標のカクメイ科も棲息が確認され..