126
アダルトチルドレンは、愛情が分からない。
愛は自由で心地よいものではなく、「○○しないと愛されない」「いつ失うか分からない不安定なもの」と植え付けられている。
愛されたいのに愛されると怖くなり、捨てられる恐怖に駆られる。一方的に関係を断ったり、大切なのに傷つけてしまうこともある。
127
「手の掛からない良い子だった」と言われることがある。
親や先生からすれば「良い子」かもしれないが、子ども側は相当努力している。子どもらしいわがままを抑え、周囲に合わせ、迷惑をかけないように我慢する。
それなのに「この子は放っておいても大丈夫」と、ますます放っておかれてしまう。
128
何でこんなに疲れるんだろう。
何でこんなにうまくいかないんだろう。
何でこんなに出来ないんだろう。
こんなふうに悩むことがある。
「何でこんなに」と思う時点で、あなたは相当頑張っている。
すぐ疲れるのではなく、疲れるほど頑張っていたり、今までの疲れが溜まっているのかもしれない。
129
「なぜこんなに考えすぎるのか…」と落ち込むことがある。
相手の表情や仕草から察するのが得意な人は、受け取る情報量が多いから必然的に考える量が増える。親の顔色をうかがわなければいけなかった人は、この傾向が強い。
特に幼少期にミスが許されなかった人は、失敗しないために思考を巡らせる。
130
誰かに受け入れてほしい・認めてほしいと思っているのに、いざ受け入れてくれる人が現れると怖くなることがある。「裏があるのでは」「何かおかしい」と疑う。
素直に受け取るどころか拒絶してしまう。だから相手も混乱し、離れていってしまう。
自分自身への『無価値観』が強い場合にそうなりやすい
131
「うちの子は反抗期がなかった」「育て方が良かった」と親が誇ったり、立派に成長したあなたを見て、親が他人から褒められることがある。
でも実は、反抗期がなかったのではなく『反抗できる環境ではなかった』ことがほとんど。できなかったから、しなかっただけ。
当時頑張ったのは、あなた。
132
人は「愛されたい」という気持ちを持って生まれる。
その気持ちを幼少期に満たしてもらえると、「愛したい」という気持ちが得られる。
だが家庭内で「愛されたい」が満たされないまま大人になると、「愛されたい」が消えない。他人に求めすぎる。
親なりに愛していたとしても、同様の影響を及ぼす。
133
人の目がそれほど気にならない人と、ものすごく気になる人がいる。
親の様子を気にしなければいけない環境で生きてきた人ほど、後者になる。
「気にしすぎ」と言われやすいが、気になる人が「気にしない」為には、入ってきた情報を「気にしないように処理」しなければいけないから疲れてしまう。
134
世間一般のストレス解消法で『逆にストレスを溜める』人が増えている。
「察する」が得意な人ほどそうなりやすい。会話で気を遣うから、ストレス解消で遊んだつもりが逆に疲れる。気分転換に外出したつもりが、色々なものが気になり息抜きにならなず落ち込む。
「一人で何もしない」が必要なこともある
135
毒親育ちの場合、無意識に自分を蔑ろにしやすい。
それは「自分を大切に」と学ぶべき時期に、自分より他の家族を大切にすることを学ばされたから。
自分が欲しいものより親が望むものを選び、親が笑顔になることを頑張り、親の心を大切にしてきたから。
自分を蔑ろにするあなたが悪いのではない。
136
<アダルトチルドレンが抱えやすい心の状態>
・褒められて戸惑う(嫌悪、疑い、喜べない)
・~べき思考
・深読みする(言葉の裏を読む)
・白黒思考
・ポジティブな言葉への拒否反応(ありのまま、自分を大切になど)
・どうせ私は…と卑屈になる
・人との距離感に悩む(依存、急に関係を断つ)
137
しんどい時ほど、「頑張らなきゃ」と自分を追い込む人がいる。
本当はしんどくなる前に休んでいいし、しんどい時こそ頼っていいのだが、笑顔でしんどさを隠してしまう。
子どもの頃から大人を信用できず自分で頑張ってきた人ほど、周囲が気付かないほど「大丈夫」を演じるのが上手になってしまう。
138
「何を考えているか分からない」と言われる人がいる。
多くの場合、色々な事を感じ取って考えている。
それを言葉で表現するのが苦手だったり、理解されず傷つくことの苦しさを知っているから言わないだけ。
自分の考えを否定されがちだったり、本音が言えない環境で育つとこの傾向が出やすい。
139
つい酷い事を言ったり、誰かに八つ当たりしてしまうことは誰でもある。でも健全な心があれば、後悔したり反省する。
だがモラハラ・パワハラをする人は、「あなたが怒らせたから」と自分を正当化する。
酷いことを言った時でさえ、「私の方が傷ついた」と責任転換する。何故かあなたが悪者にされる。
140
休みたいのに、休むと罪悪感に押しつぶされそうになる人がいる。
子どもの頃から「頑張ること」を求められた人に多く、何もしないと落ち着かなかったり、頑張らないと自分の価値がなくなるように感じて怖い。
心の中で、焦らされ責められ急かされる。
勘違いされやすいが、自意識過剰ではない。
141
「真面目だね」と褒められても、「それしか取り柄がないって事?」「嫌み?」と思う人がいる。
親切から「もっと休んだら?」と言われて、休めないことを責められているように感じる人もいる。
幼少期に批判されてばかりいると「批判される前提」で聞いてしまいやすい。だから人間関係が複雑になる。
142
<抱えやすい心の葛藤>
・誰にも受け入れてもらえないと諦めるが、一方で親しくなりたいと願う
・自分なんて...と劣等感を持ちながら、一方で優れていなくてはダメだと自責する
・私なんて愛される価値がないと思いながら、一方で愛されないことに不満や悲しみを抱く
※妙に安心することもある
143
しんどい時こそ明るく振舞い、平気なふりをして、自分の状態を周囲に見せないようにすることがある。
子どもの頃からそうやって頑張ってきた人ほど、無意識にそうしてしまう。
心配かけないように、迷惑かけないように、弱いと思われないように、つけこまれないように…本当の自分を隠すことで守る。
144
<ACが抱えやすい傾向>
・「良いか悪いか」「正しいか間違っているか」白黒で判断して疲れがち
・ほどほどが分からず、気付くと限界間近
・「ちゃんとしなきゃ」「強くならなきゃ」が強い
・小さな失敗で自分をとことん責める
共通点は『周囲の人よりエネルギー消費量が多く疲れやすい』こと。
145
肩こりが酷い、首がガチガチ、食いしばりが酷い、頭痛もち…というACは多い。
常に何かを警戒し、心と体が緊張状態だから、朝起きた時に『既に疲れている』こともある。
子どもの頃からずっとそうだと「これが当たり前」「みんなそう」と思い込むが、実はそうではない。
本当は、体はもっと軽い。
146
褒められて喜べない、と悩む人がいる。
容姿、成績、仕草、言葉遣い、性格など、子どもの頃に親から否定されたことを褒められると拒否反応が出やすい。「そんなわけない」と相手を疑ってしまう。
幼少期に滅多に褒められないと「こんなことで褒めるなんて」という不信感、嫌悪感を抱くこともある。
147
「自分から動けない」「自分で決めるのが苦手」という相談が増えている。
こんな自分を変えたいと思い悩む人は多いのだが、性格のせいではなく「過保護・過干渉」の環境で育っていることが多い。できないのではなく「してはいけない」と植え付けられていたり、「やり方が分からない」こともある。
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自分のしたいことが分からない、と悩む人がいる。
何かが欲しいと言えば「ワガママ」、意見を言えば「自分のことばっかり」と責められ、結局我慢するしかなかった場合にそうなりやすい。
欲しいものを与えられず一方的に「大人の与えたいもの」だけ、大人の都合で与えられる場合も同じ影響を及ぼす。
150
「誰とも話したくない」「誰にも会いたくない」と思うことがある。
そういう日もあるし、そういう日が続くこともある。
そう思うほど疲れていたり、傷ついているのかもしれないから、そういう時はどんどん一人の時間を作る。
そんな自分をダメだと思ったり、責めたり落ち込んだりする必要はない。