226
誰にでも小さくて無力な時期がある。
この時期に「生きているだけで愛される」という経験を積むのか、「親の意に沿わなければ愛されない」「ちゃんと出来ないと怒られる」という経験を積むのかでは、心の土台が全然違う。
どんな自分にも価値があると思えるかどうかの差は、考え方や性格だけではない。
227
親と離れてから、うつ状態や不調に悩まされる人は多い。
離れたことで「傷ついていた事実」に気づき、心身にダメージが出る。
「育ててもらったのに」という申し訳なさから罪悪感が出たり、抑えていた憎しみが溢れ出ることもある。
未だに影響を受けているというより、「やっと出せた」と思って良い。
228
「あの時言い返せばよかった」
「あの人酷い」
このように後になって怒りが出ることがある。
その場で言い返せなかった自分を責めてしまうことがあるが、怒りを出すには『怒りを出しても安全な環境』という前提条件が必須。
当時は、怒りを出せるような安全な状況ではなかったのかもしれない。
229
甘えたり頼ることが苦手な人がいる。
それはそれでいいのだが、「したいのに何故か出来ない」のなら過去が影響している。嫌われるかも、迷惑かも、裏切られるかも、見返りを求められるかもと不安になる。
幼少期に十分甘えられなかった場合は、「甘える方法」が分からないため空回りすることもある。
230
「嫌」「したくない」が許されないで育つと、大人になっても断れなくなる。しんどいのに我慢する。
「したい」「好き」を否定されて育つと、大人になっても言えない。否定される怖さが勝つ。
甘えとか他責とかそういうことではなく1つの事実として、許されて育った人たちの何倍もそれらが難しくなる。
231
「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」という言葉がある。
その通りだが、あなたがどれだけ頑張っても何も変わらず辛いままのこともある。
あなたを悩ませるその人は、あなたの為に変わろうとしてくれますか?
あなただけが変わらなきゃいけないなんてルールはない。
232
悩みがなさそうに見える人がいる。
実は、悩みを見せないように相当頑張っている。深い悩みを抱える人ほど、だれにも相談できず一人で抱え込みやすい。
いつも笑顔の人もいる。
でも多くの場合は、悲しみや苦しみを笑顔で覆い隠している。心を元気にするはずの笑顔で、自分の心がすり減ってしまう。
233
考えるのが苦手な人がいる。
グルグル悩むことは多いが、「自分の考え」や「どうしたらいいのか」について考えようとすると混乱する。何も出てこなかったり頭が真っ白になることもある。
幼少期に「お母さんの言う通りにやれば間違いない」と言われていたり、自分の考えや行動を否定された子に多い。
234
自分の心に嘘をつくことがある。
誰かを喜ばせるため、悲しませないため、受け入れてもらうために。
聞きたくない愚痴を聞き、泣きたいほどしんどいのに笑い、平気とごまかし、限界なのに大丈夫なふりをする。
子どもの頃に家族のバランスを保っていたり、親を喜ばせようと頑張っていた人に多い傾向。
235
人間関係のトラブルに悩み、「性格を直さなければ」と思う人がいる。
だがその多くは「性格のせい」でそうなっているのではなく、本当の自分を理解していないせいでそうなっている。子どもの頃、家庭で植え付けられた思考が関係している。
悩んでいる本人が、性格を直さなくていいケースは案外多い。
236
子どもの頃、本当に辛い時に助けてもらえなかった経験があると、「助けてほしい」「どうせ誰も助けてくれない」という両極端な気持ちが綱引きする。
アクセルとブレーキを同時に踏むようなものだから、体力も気力も消耗する。限界が来て、「誰も助けてくれない!」と怒りが爆発することも珍しくない。
237
「質問されるのが嫌」という人がいる。
周りの人の話を聞くのは平気なのだが、自分のことを聞かれるのが嫌だと感じる。質問されると責められているように思う事もある。自分を曝け出すのが怖い。
子どもの頃、「自分のワガママを減らすことで家族の負担を減らしてきた人」に多い傾向。距離感に悩む。
238
他人から、「過去は忘れて前に進むべき」と言われて悩み苦しむことがある。
許せない自分は冷たい、酷い人なのではないかと思うこともある。
でも他人は、あなたが見たもの・感じたもの・耐えたものを全て知らない。
だからこそあなたがまず許すべきは、「誰かを許せない」と思う自分自身でいい。
239
<アダルトチルドレンが抱えやすい心の状態>
・褒められて戸惑う(嫌悪、疑い、喜べない)
・~べき思考
・深読みする(言葉の裏を読む)
・白黒思考
・ポジティブな言葉への拒否反応(ありのまま、自分を大切になど)
・どうせ私は…と卑屈になる
・人との距離感に悩む(依存、急に関係を断つ)
240
他人に内面を詮索されたり、自分の考えを否定されたように感じると、自分でも驚くほど敏感に反応してしまう人がいる。
その結果、故意ではないのに喧嘩になったり、相手を傷つけ後悔しやすい。
子どもの頃から自我を抑え込んできた人ほど「自分の内面」を知られることに強い恐怖を感じてしまう。
241
自分の気持ちを出すことに抵抗を感じる人がいる。
「私はこうしてほしい」「私はこう思う」と伝えられず、「どうしてあの人は」「○○してくれない」と心の中で葛藤する。直接言えないが、頭の中で戦い続けてしまう。だから疲れる。
支配的だったり、意見を言いにくい家庭環境で育つとそうなりやすい。
242
<ACが抱えやすいプレッシャー>
・強くならなきゃ ※弱い自分はダメ
・完璧にやらなきゃ ※能力=自分の存在価値になりやすい
・早くしなきゃ ※いつも急き立てられる感覚がある
・頑張らなきゃ ※限界を超え倒れるまで休めない
・喜ばせなきゃ ※自分一人だけ楽しむのが苦手。皆が笑顔だと安心
243
244
<自己肯定感が低くなる要因>
1.生まれつきの気質
HSPだと罪悪感・孤独感・マイナス感情が出やすい
2.幼少期の親との関係
褒められ励まされるより、一方的な指示や人格否定が多かった場合「無価値観」が出やすい
3.トラウマ体験
不安と恐怖に押しつぶされ、自信を失い、感情が乱れやすい
245
話さなくても分かる相手と、話せば分かる相手がいる。
一番厄介なのは、話しても分かり合えない相手。
最後まで話を聞かず、問題をすり替え、揚げ足をとり、都合よく解釈する。
親がこのタイプの場合、子供は周囲に理解されず辛い。
「話せば分かるはず」「話し合った?」とアドバイスされて苦しむ。
246
アダルトチルドレンは、人との距離感に悩む。
期待して傷ついた過去があると、自分からは近づかない。でも心を許すと一気に近づく。本当は誰かに受け入れてほしいという思いが溢れ、自分を曝け出しすぎて相手が離れてしまう事もある。見捨てられる不安や恐怖から、一方的に自ら関係を断つこともある。
247
あれもこれも辛かったと思っていいし、本当は悲しかった寂しかったし、ああして欲しかったこうして欲しかった…と思っていいんですよ。
「未だにこんなこと言ってるなんて…」と責める必要なし。
だって当時蓋をするしかなかった気持ちに、今やっと気がつけたのですから。
これは、「できた」です。
248
人に頼るのが苦手、という人が増えている。
子どもの頃に「いい子」が求められ、一人で頑張り、甘えるのを我慢した人ほどそうなりやすい。
何でもかんでも親が決めて「従うこと」が求められすぎた場合、親の求める理想の子ども像に苦しめられる。その結果、一人では何もできないように感じてしまう。
249
皆に好かれようとしない、期待しない、依存しない。
この3つが出来るようになると人間関係の悩みは軽くなるが、大前提として『何があっても自分を受け止めてくれる場所』が欠かせない。
だからACは、悩みが尽きない。
何があっても頼り安心できる場所が、「ある」か「ない」かの差は大きい。
250
自分のしたいことよりも、「相手がどう思うか」が判断基準になる人がいる。
否定が多い環境で育つと、従う方が心が傷つかないと考えやすい。
褒められる経験が少ないと、認められたいという気持ちが強くなる。
失敗が許されない環境で育った場合、「あの言い方はよくなかった」と後悔し自責しやすい。