451
「相手の正解」を探す人がいる。
この人は何を言ってほしいのか、何をしてほしいのか…センサーフル稼働で正解を探す。子どもの頃からそうしてきたから無意識にやってしまうし、正解率も高い。
それに加えHSP気質があると、「ああすればよかった」「こう言えば良かった」と落ち込みやすい。
452
家庭内のバランスをとるため、幼少期から頑張ってきた人は多い。
大人の愚痴を聞き、慰め励まし、ワガママを我慢し、期待に応えるため努力する。兄弟姉妹がいる場合、自分ばかり我慢して損をすることもある。
あなたの笑顔の裏に、とてつもないプレッシャーと悲しみが隠れていることを誰も知らない。
453
「ありのままの自分じゃ愛されない」と感じるアダルトチルドレンは、自分が存在することの理由を探し求める。
不安を和らげるため、自分のことより人の為に頑張る。誰かが喜んでくれたら、そこにいても良いと思えるから。
人の役に立ち何か出来なければ生きている価値がないと思い、恐怖が膨らむ。
454
馬鹿にされたように感じて、イラッ!とすることがある。
誰でもそう言うことはあるが、そういうことがしょっちゅうあり、突発的に激しい怒りが出るなら「過去」が影響している。
幼少期、大人達に否定されたり、からかわれたり、雑に扱われていたように感じているとそうなりやすい。
実は過去の怒り。
455
ACは「怒り憎しみ悲しみ」を出し切れず、内側に抱えたまま成長する。
だが抱えるにも限界がある。
だからある日突然、抑圧された感情が溢れる。いつもイライラするようになる。
これらの感情を表に出せない場合、「そもそも感じない」ようにしてしまう人もいる。自分がよく分からない、につながる。
456
人間関係のベースは親子。
理想的な環境で育つと、親から「心地よい人間関係の距離感」を教えられる。
だがACは、「すごく遠い」か「近すぎる」という極端な距離感を教えられる。だから人間関係で苦労する。
相手に全く心を開かない、もしくは急にすべてを曝け出しすぎたり、依存してしまう事もある。
457
頑張り屋のACほど、自己啓発本などで自分を変えようとする。
だが、なかなかうまくいかない。
それは、それらのほとんどが『理想的な環境で育った人』へ向けた内容だから。
ACの場合は状況が一時的に改善したように思えても、再び元の状態に戻ってしまう。そんな自分に焦り、苛立ち、自責してしまう。
458
<ACが抱えやすい傾向>
・「良いか悪いか」「正しいか間違っているか」白黒で判断して疲れがち
・ほどほどが分からず、気付くと限界間近
・「ちゃんとしなきゃ」「強くならなきゃ」が強い
・小さな失敗で自分をとことん責める
共通点は『周囲の人よりエネルギー消費量が多く疲れやすい』こと。
459
過去に否定されることの多かった人ほど、強くなければダメ、しっかりしないとダメだと自分を追い込む。人に助けを求める事は弱さであり、弱い人間は世の中で生きていけないと精神的強さを求める。
人を信じられない場合、断られたり見返りを求められることを警戒し「自分でやった方が良い」と考える。
460
疲れやストレスをため込んで、ある日突然爆発することがある。人が変わったように怒る。
怒りが爆発しないタイプの人はそのまま内側に抱え続け、うつ状態に陥ることもある。
どちらも周囲からは「突然そうなった」ように見えるが、実はそうではない。
耐えて耐えて耐えて…我慢の限界が来てそうなる。
461
子どもの頃から「いいこ」を演じてきた人は、「甘えるって何?」とよく分からないことがある。
甘えられないのではなく、「他人に迷惑をかけてしまうのでは」「相手が困るのでは」という気遣いや優しさから、「甘えない」を選んでいることもある。
甘えるのが苦手な人は、一人で頑張り続けてきた人。
462
堂々と休むのが苦手な人がいる。
休むことに後ろめたさが出る。体が悲鳴をあげても倒れるまで働き続けたり、心が壊れて病気になるまで頑張り続ける。しんどくても心を麻痺させる。
限界が来ないと休むことが許されないという感覚をもつ場合、いっそのこと疲れ果てて倒れてしまいたい…とさえ思う。
463
愛されていないと感じたまま大人になると、心に埋められない穴があく。
親なりに愛してくれていても「求められている自分」を演じ、本当の自分を出せていない場合は同様の影響を受ける。
そのせいで「誰にも必要とされないのでは」と不安に駆られる。好かれる為よりも、嫌われない為に人に気を遣う。
464
生きているだけで価値がある、自分を大切にするという感覚は幼少期に家庭の中で育つ。
だが、愛されずに育つと「誰からも愛されていない」「愛される価値がない」という不安が育つ。これは大人になっても残る。
過干渉やコントロールといった形で、親なりに愛していたとしても同様の影響を及ぼす。
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466
幼少期、大人から否定されることが多いと『他人と頭の中で戦う』ようになる。
相手がこう言ったら自分はこう返して、相手が○○したらこう対処して…という風に、相手がいない時にひたすらシミュレーションする。
人生は楽しみではなく、日々戦いが続くことの「疲れ・苦しみ」への絶望感が膨らむ。
467
助けを求めるのが苦手な人がいる。
多くの場合は内面の苦しさを表に出さないため、周囲から「問題を起こさないおとなしくていい子」「悩みがなさそう」と思われている。
人間関係の基礎は、親子。
親を信用できず頼れなかった場合、他人も信用できず頼れないと思う。これは大人になっても影響する。
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<ACが抱えやすい苦手意識の傾向>
・リラックスしたり休むのが苦手
例)働いていないと不安
・自分だけ楽しむことに罪悪感が出る
例)相手を喜ばせなきゃと思う
・予測不能な事態が極端に苦手
例)最悪のパターンを想定する
・考えは溢れてくるが実行にうつさない
例)人にどう思われるか気になる
470
勇気を出し、過去の苦しみを打ち明けた時。
親から「いつまでそんなこと言ってるの」と呆れられることがある。「大人になったら?」「親にも事情があったんだよ」と、周囲が親の味方に付くことも多い。
でも、自分を責める必要はない。大人になっても影響するような出来事があったのだと思って良い。
471
特に酷いことをされなくても、ACになることはある。
これくらいで、なんて自責しなくていい。
家庭が心安らぐ場所ではない、自分を否定される、必要とされず信じてもらえていないと感じると、心にぽっかり穴が空く。何をしても埋まらない穴のせいで、大人になった時の人間関係で生きづらさを感じる。
472
「嫌い」よりも「寂しい」の方が強く出やすい。
だから寂しさを少しでも満たしてくれる人、場所、物、関係を「好き」と思い込もうとする。「あの人は悪い人じゃない」「根はいい人」と思い込む事で、嫌わないようにする。
苦手で嫌いな人なのに「嫌われたくない」という心理もこれに関係している。
473
<アダルトチルドレンが抱えやすい悩み>
・相手の機嫌を常に伺う
・他人の機嫌に不安・恐怖を感じる
・相手を信じきれない
・滅多に頼れない
・ふいに一方的に関係を断つ
・尽くしすぎ、反対に束縛しすぎ
・相手との距離感が分からない
・嫌われないために神経をすり減らす
・自分の気持ちを言えない
474
アダルトチルドレンは、不全感を抱えやすい。
生きがいや目標、何をしても達成感がなかったり、自分が何をしたいのか、どうしたいのか、自分の感情がよく分からないこともある。
「努力が足りない」から「こんな性格だから」と自分を責めてしまうが、実は違う。
過去の影響で不全感を抱えやすいだけ。
475
ACが抱える悩みは、中身だけ見れば「誰でも抱える悩み」と同じ。
だからこそ理解ある環境で育った人たちには「甘え」「言い訳」「人のせいにしている」という風に見えたり、心無い言葉を浴びせられることもある。
そういう人たちに、心の土台に大きな穴が空いたACの悩みの深さは分からない。