「相手の正解」を探す人がいる。 この人は何を言ってほしいのか、何をしてほしいのか…センサーフル稼働で正解を探す。子どもの頃からそうしてきたから無意識にやってしまうし、正解率も高い。 それに加えHSP気質があると、「ああすればよかった」「こう言えば良かった」と落ち込みやすい。
家庭内のバランスをとるため、幼少期から頑張ってきた人は多い。 大人の愚痴を聞き、慰め励まし、ワガママを我慢し、期待に応えるため努力する。兄弟姉妹がいる場合、自分ばかり我慢して損をすることもある。 あなたの笑顔の裏に、とてつもないプレッシャーと悲しみが隠れていることを誰も知らない。
「ありのままの自分じゃ愛されない」と感じるアダルトチルドレンは、自分が存在することの理由を探し求める。 不安を和らげるため、自分のことより人の為に頑張る。誰かが喜んでくれたら、そこにいても良いと思えるから。 人の役に立ち何か出来なければ生きている価値がないと思い、恐怖が膨らむ。
馬鹿にされたように感じて、イラッ!とすることがある。 誰でもそう言うことはあるが、そういうことがしょっちゅうあり、突発的に激しい怒りが出るなら「過去」が影響している。 幼少期、大人達に否定されたり、からかわれたり、雑に扱われていたように感じているとそうなりやすい。 実は過去の怒り。
ACは「怒り憎しみ悲しみ」を出し切れず、内側に抱えたまま成長する。 だが抱えるにも限界がある。 だからある日突然、抑圧された感情が溢れる。いつもイライラするようになる。 これらの感情を表に出せない場合、「そもそも感じない」ようにしてしまう人もいる。自分がよく分からない、につながる。
人間関係のベースは親子。 理想的な環境で育つと、親から「心地よい人間関係の距離感」を教えられる。 だがACは、「すごく遠い」か「近すぎる」という極端な距離感を教えられる。だから人間関係で苦労する。 相手に全く心を開かない、もしくは急にすべてを曝け出しすぎたり、依存してしまう事もある。
頑張り屋のACほど、自己啓発本などで自分を変えようとする。 だが、なかなかうまくいかない。 それは、それらのほとんどが『理想的な環境で育った人』へ向けた内容だから。 ACの場合は状況が一時的に改善したように思えても、再び元の状態に戻ってしまう。そんな自分に焦り、苛立ち、自責してしまう。
<ACが抱えやすい傾向> ・「良いか悪いか」「正しいか間違っているか」白黒で判断して疲れがち ・ほどほどが分からず、気付くと限界間近 ・「ちゃんとしなきゃ」「強くならなきゃ」が強い ・小さな失敗で自分をとことん責める 共通点は『周囲の人よりエネルギー消費量が多く疲れやすい』こと。
過去に否定されることの多かった人ほど、強くなければダメ、しっかりしないとダメだと自分を追い込む。人に助けを求める事は弱さであり、弱い人間は世の中で生きていけないと精神的強さを求める。 人を信じられない場合、断られたり見返りを求められることを警戒し「自分でやった方が良い」と考える。
疲れやストレスをため込んで、ある日突然爆発することがある。人が変わったように怒る。 怒りが爆発しないタイプの人はそのまま内側に抱え続け、うつ状態に陥ることもある。 どちらも周囲からは「突然そうなった」ように見えるが、実はそうではない。 耐えて耐えて耐えて…我慢の限界が来てそうなる。
子どもの頃から「いいこ」を演じてきた人は、「甘えるって何?」とよく分からないことがある。 甘えられないのではなく、「他人に迷惑をかけてしまうのでは」「相手が困るのでは」という気遣いや優しさから、「甘えない」を選んでいることもある。 甘えるのが苦手な人は、一人で頑張り続けてきた人。
堂々と休むのが苦手な人がいる。 休むことに後ろめたさが出る。体が悲鳴をあげても倒れるまで働き続けたり、心が壊れて病気になるまで頑張り続ける。しんどくても心を麻痺させる。 限界が来ないと休むことが許されないという感覚をもつ場合、いっそのこと疲れ果てて倒れてしまいたい…とさえ思う。
愛されていないと感じたまま大人になると、心に埋められない穴があく。 親なりに愛してくれていても「求められている自分」を演じ、本当の自分を出せていない場合は同様の影響を受ける。 そのせいで「誰にも必要とされないのでは」と不安に駆られる。好かれる為よりも、嫌われない為に人に気を遣う。
生きているだけで価値がある、自分を大切にするという感覚は幼少期に家庭の中で育つ。 だが、愛されずに育つと「誰からも愛されていない」「愛される価値がない」という不安が育つ。これは大人になっても残る。 過干渉やコントロールといった形で、親なりに愛していたとしても同様の影響を及ぼす。
怒りや不安が出てきた時。 「怒らない、怒らない…」と思うのは、逆効果。 脳は否定形を理解できないから、ますます「怒る」という感情が膨らむんです。 「我慢、我慢」で抑えても、いつか限界がきて爆発しちゃう…! 怒りも不安も、出ていい。 ちゃんと気持ちを感じてから、パッと手放しちゃおう。
幼少期、大人から否定されることが多いと『他人と頭の中で戦う』ようになる。 相手がこう言ったら自分はこう返して、相手が○○したらこう対処して…という風に、相手がいない時にひたすらシミュレーションする。 人生は楽しみではなく、日々戦いが続くことの「疲れ・苦しみ」への絶望感が膨らむ。
助けを求めるのが苦手な人がいる。 多くの場合は内面の苦しさを表に出さないため、周囲から「問題を起こさないおとなしくていい子」「悩みがなさそう」と思われている。 人間関係の基礎は、親子。 親を信用できず頼れなかった場合、他人も信用できず頼れないと思う。これは大人になっても影響する。
心のどこかで「私なんて」「どうせ」と思っていると、差し伸べられた手に気が付けなかったり、助けに気が付いてもその手をふりほどいてしまう。 もう自分のために生きていいんだよ。 まだそう思えなくても自分を責めないで。 それほどの環境で生きてきたってことだから…。 今まで頑張ったね。
<ACが抱えやすい苦手意識の傾向> ・リラックスしたり休むのが苦手 例)働いていないと不安 ・自分だけ楽しむことに罪悪感が出る 例)相手を喜ばせなきゃと思う ・予測不能な事態が極端に苦手 例)最悪のパターンを想定する ・考えは溢れてくるが実行にうつさない 例)人にどう思われるか気になる
勇気を出し、過去の苦しみを打ち明けた時。 親から「いつまでそんなこと言ってるの」と呆れられることがある。「大人になったら?」「親にも事情があったんだよ」と、周囲が親の味方に付くことも多い。 でも、自分を責める必要はない。大人になっても影響するような出来事があったのだと思って良い。
特に酷いことをされなくても、ACになることはある。 これくらいで、なんて自責しなくていい。 家庭が心安らぐ場所ではない、自分を否定される、必要とされず信じてもらえていないと感じると、心にぽっかり穴が空く。何をしても埋まらない穴のせいで、大人になった時の人間関係で生きづらさを感じる。
「嫌い」よりも「寂しい」の方が強く出やすい。 だから寂しさを少しでも満たしてくれる人、場所、物、関係を「好き」と思い込もうとする。「あの人は悪い人じゃない」「根はいい人」と思い込む事で、嫌わないようにする。 苦手で嫌いな人なのに「嫌われたくない」という心理もこれに関係している。
<アダルトチルドレンが抱えやすい悩み> ・相手の機嫌を常に伺う ・他人の機嫌に不安・恐怖を感じる ・相手を信じきれない ・滅多に頼れない ・ふいに一方的に関係を断つ ・尽くしすぎ、反対に束縛しすぎ ・相手との距離感が分からない ・嫌われないために神経をすり減らす ・自分の気持ちを言えない
アダルトチルドレンは、不全感を抱えやすい。 生きがいや目標、何をしても達成感がなかったり、自分が何をしたいのか、どうしたいのか、自分の感情がよく分からないこともある。 「努力が足りない」から「こんな性格だから」と自分を責めてしまうが、実は違う。 過去の影響で不全感を抱えやすいだけ。
ACが抱える悩みは、中身だけ見れば「誰でも抱える悩み」と同じ。 だからこそ理解ある環境で育った人たちには「甘え」「言い訳」「人のせいにしている」という風に見えたり、心無い言葉を浴びせられることもある。 そういう人たちに、心の土台に大きな穴が空いたACの悩みの深さは分からない。