376
「苦手な人には、嫌われてもいい」
この考え方が持てると、人間関係はかなり楽になる。
家庭内で「ありのままの自分」を受け入れてもらった実感があるとこのように思える。
だがACは、苦手な人でさえ嫌われるのが怖い。嫌われる=自分の居場所がなくなる気がするから。
自分の心を守る為、日々戦う。
377
アダルトチルドレンは、自分を大切にしてくれない人を選ぶ事がある。
「自分には価値がない」と思っている場合、物のように扱われたとしても相手から離れない。「これが私」と妙に納得さえする。
幸せになる価値がない、そんな権利はないと思っている場合も同様に、幼少期の家庭環境が影響している。
378
・親の電話に出ない
・親と会わない
・親のLINE既読スルー
・親の頼み事を断る
・親の意見にNOを言う
理想的な家庭で育った人は「嫌なら断れば?」と軽く言う。
でもACは、断わった後の大変さを知っているから「そんなこと出来ない」「無理」と思う。
我慢する方が平和だと、経験から知っている。
379
「本当にしてほしい事や、本当に欲しいものが言えない」という人がいる。
これは高すぎる、今は忙しそう、これを選んでほしいだろうなと、空気を読む。子どもの頃から無意識にそうしていた、という人が多い。
ダメだった時の悲しみや絶望感を痛いほど知っているから、そうまでして言おうと思わない。
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相手が黙っているだけで、とてつもない不安に駆られるアダルトチルドレンは多い。
何か気に障ることを言ったかも、と自分の落ち度を探す。相手を楽しませなきゃと焦り、楽しい話題を探す。
私と居ても面白くないよね…と申し訳なくなったりする。
気を遣ってばかりの家庭環境で育つと、そう感じやすい
381
「何で早く言わないの」と怒られることがある。
過去に「辛い」「しんどい」と打ち明けた時に、「私の方が辛い」「それくらいで…」なんて返ってきた経験があると「言わない方が傷つかない」と学ぶ。頼るより、耐える方を選ぶ。
実は言わなかったのではなく、言いたくても言えない環境だっただけ。
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アダルトチルドレンにとって笑顔は、自分を守る仮面。
落ち込んでも辛くても限界でも、笑顔でいれば気づかれない。気づかれないために笑うが、本当は誰かが気がついて救い出して欲しい。
ACの怒りや警戒は、不用意に誰かに近づいて傷つけられないための防御。そこに相手を傷つける意図はない。
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「うつ病は甘え」という人がいるが、むしろ逆。
真面目にバリバリ頑張っている人ほど倒れやすい。
特にHSP+ACだと、周囲の空気を読み、迷惑をかけないように笑顔で頑張りすぎる。だから周りも「もう大丈夫」と勘違いする。
ほんの少し体調が回復するといつも通り働き、再び倒れることも珍しくない。
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カッとなる、気分次第で怒る、喜怒哀楽が激しくなる干渉しすぎてしまう…
自分と親が似ているのでは、と苦しくなる時がある。
30代~40代になると、子どもの頃みた「親の姿」と似てきて鏡を見ることが嫌になることもある。
心の中に住む親の姿が、今の自分と重なる。過去の影響が強い人ほど恐怖を抱く
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普段穏やかな人が、急にキレることがある。
これまでニコニコ耐えてきたけど抑えられなくなったり、恐怖や不安から身を守るため反射的に攻撃することもある。そこに相手を傷つけたくて怒る意図はない。
周囲から見れば「突然」だが、本人にしてみれば「我慢の限界」である。そこまで耐えたのだから。
387
ACは子供時代を子どもらしく過ごせなかったり、心に傷を抱えたまま大人になった人のこと。病名でも診断名でもなく、状態を表す言葉。大人子供のように、揶揄する言葉でもない。
気がつかないうちに心に深い傷を負っている為、うつ病、不安障害、摂食障害、依存症といった精神疾患を呼び起こしやすい。
388
「意見を言えない」「こんな性格を変えたい」というACは多い。
多くの場合はもともとの性格ではなく、過去の家庭環境が「意見を言えない」あなたを作りだしている。
反論したら何十倍も反撃されそのたび後悔したり、否定されてばかりいると、言う気力さえ奪われる。言っても意味がないと学んでしまう。
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「朝起きた時からしんどい」という人がいる。
何もしていないのに既に疲れている。気がついたら夕方で、落ち込む事もある。
これは身体ではなく「心(脳)」が疲れている状態。これ以上無理しないように、脳が行動をストップさせる。一種の防衛反応。
やる気の問題ではなく、動きたいけど動けない状態
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人との距離感に、とても悩む人がいる。
自由に気持ちを言い、好きなものを選んで、とことん失敗して、それでも受け止めてもらえる安心感を学ぶべき幼少期に、『大人の顔色を見て行動しなければいけなかった』人に多い傾向。
自己肯定感の低さから、「産まれてきてごめんなさい」と思うこともある。
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自分のしたいことよりも、「相手がどう思うか」が判断基準になる人がいる。
認められたいという気持ちが強い。自分を否定されるくらいなら、従う方が心が傷つかないと考えることもある。
失敗が許されない環境で育った場合は、「あの言い方はよくなかった」「こうすれば良かった」と自責してしまう。
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虐待ほど酷いこともなく、暴言を吐かれたわけでもなく、むしろ感謝もしている場合、生きづらさの原因が過去に会っても「親のせいにしているだけでは」と思いやすい。
自分の決断を否定され、何でも勝手に決められ、欲しいものを与えられない環境で育つと、自分の決断や想いに自信が持てない。
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「こんな私だけど愛してくれる?」と試し行動をとることがある。
「こんな私を好きなわけがない」「いつか離れる」と不安を感じ、自ら関係を断つことがある。
心の内側では「こんな私も含めて受け止めてほしい」と願っているが、「家族でさえ受け入れてくれないのに」という思いがブレーキをかける。
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アダルトチルドレンは、相手を「好きか嫌いか」より、相手に「好かれているか嫌われているか」で判断してしまう。
幼少期からワガママを抑えてきた人は、「好きか嫌いか」さえ分からなくなる。「根はいい人…」と好きになろうとする。
迷ったら「自分を大切にしてくれるかどうか」で判断してほしい。
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頑張る、にも色々な基準がある。
アダルトチルドレンの「まだ頑張れる」は、理想的な環境で育った人たちの「もう無理、限界」に近い。
「まだ」「あと少し」と無理を重ねていくうちに、とっくに限界を超えてしまう。
怖いのは、限界を超えると「離れる」「逃げる」という選択肢さえ選べなくなること
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愛された、大切にされた、許された、受け入れられた、認められた…このような幼少期の環境が『自分を大切に』という感覚を育てる。何か出来なくても失敗しても、自分の価値は全く変わらないと知る。
なぜか自分を大切に思えないのなら、それらが不足していたり、真逆のものが与えられたのかもしれない
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ACは、「我慢しすぎ」「考えすぎ」「警戒しすぎ」と言われやすい。
でも好きで我慢したのでなく、その環境で生きる為に我慢するしかなかった。
考えすぎでなく、不意打ちの攻撃で傷つかないよう心を守ってきた。
警戒しなきゃいけないような事が、幼少期に多すぎただけ。
実は性格のせいではない。
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先延ばしグセは、性格のせいではないことがある。
否定ばかりされて育つと「やっても意味がない」と思う。無意味だとよぎるから、始める意欲が削がれてしまう。
反対に「まだやらなくて大丈夫だけど、先にやっておかないと不安」と何かと先回りするクセも、過去の家庭環境が影響しているケースが多い