「言葉にしないと伝わらないよ?」 「ちゃんと話せば分かってもらえるはず」 そう言われることがある。 だが言葉にしても伝わらない人はいるし、話しても分かってもらえないこともある。 それが親の場合、子どもの頃からその経験を積み重ねすぎて「何も言わない方が心が傷つかない」と諦めてしまう。
心理的虐待、と呼ばれるものがある。 酷い暴言をイメージするかもしれないが、それだけではない。子どもの発言を制し、考えを支配し、行動をコントロールする『過干渉』もその1つ。「あなたのため」「躾」という言葉で縛り付ける。 殴る蹴るのように表面化する虐待とは違い、周囲も本人も自覚しにくい
いつも頑張らない人がたまに頑張るだけで、褒められる。 でもいつも頑張ってきた人が、たった1回頑張るのをやめたら「なんでやらないの?」と呆れられ、「ちゃんとやれ!」と怒られてしまう。 だからいつも頑張っている人ほど、休むのが怖い。 周囲が与える無意識の圧力が「休めない理由」をつくる。
皆に好かれようとしない、期待しない、依存しない。 この3つが出来るようになると人間関係の悩みは軽くなるが、大前提として『何があっても自分を受け止めてくれる場所』が欠かせない。 だからACは、悩みが尽きない。 何があっても頼り安心できる場所が、「ある」か「ない」かの差は大きい。
「ありのままの自分って何?」と思うアダルトチルドレンは多い。 自分が何者で、どんな性格で、何を感じているのか、考えるほど分からなくなってしまう。誰に見せている自分が、本来の自分なのかと悩む。 子どもの頃に抑え込んだ感情があまりに多いと、自分が自分ではないような感覚を持つこともある
「人にどう思われるのかが気になる」人がいる。 自然な感情なのだが、ACの場合は気になりすぎて辛い。相手の機嫌が悪くならないように、気を遣いすぎてしまう。 子どもの頃からピリピリした家庭環境で育っている場合は、不機嫌な人がいるだけで落ち着かない。怒っている人がいるだけで疲れてしまう。
そんなことで傷つくの?、冗談なのに、つまんない子、気にしすぎ、考えすぎ、真面目すぎ… このように言われ続けて育つと、「どの気持ちは出して良くてどの気持ちは出しちゃダメなのか」苦しむ。 自分の感情を疑うようになる。本当の気持ちが分からなくなる。 「自分自身がよく分からない」に繋がる。
「集団の場が苦手」という人がいる。 幼少期、家庭内で「自分の居場所がない」と感じた人に多い傾向。人嫌いなのではなく、1人でのびのび平和に過ごしていたいタイプが多い。 だが日本の社会では「集団生活ができない子」「協調性がない子」というレッテルを貼られてしまう。結果、孤立感が強まる。
心の傷が睡眠障害となって現れることがある。 寝つきが悪いし目覚めも悪い。 一番調子がいいはずの朝に、既に疲れている。 誰でもそういう日はあるが、アダルトチルドレンの場合は「子どもの頃からずっとそう」という人が多い。常に緊張しっぱなしの家庭で過ごしていると「それが当たり前」になる。
<自己肯定感が低くなる要因> 1.生まれつきの気質 HSPだと罪悪感、孤独感、マイナス感情が出やすい 2.幼少期の親との関係 褒められ励まされるより、一方的な指示や人格否定が多かった場合「無価値観」が出やすい 3.トラウマ体験 不安と恐怖に押しつぶされ、自信を失い、感情が乱れやすい
「親を悪く言うなんて」とあなたを責める人がいる。 その人は、親に与えてもらうはずの『心の土台』を自分で作らなければいけない悲しみや苦労を知らない。 親も苦労したのかもしれないし、かわいそうな人だったのかもしれない。だけどそれは親自身が向き合う問題。 辛かったことは、辛いと思っていい
アダルトチルドレンは「怒り」の感情に振り回される。 子どもの頃に怒りっぽい大人がいて「あの人のようになりたくない」と怒りを封じ込めたり、ふいに怒りが抑え切れずに溢れたり、信頼できる誰かにだけ怒りをぶちまけてしまうこともある。 家庭が「安全基地」ではなかった場合、そうなりやすい。
HSP気質+ACだと、「私ばっかりやってる!」とイライラしやすい。察する能力の高さから、細かいことに気がつき先回りできてしまうからこその悩み。 子どもの頃から人に頼らず頑張ってきたタイプは「私がやらなきゃ」と背負いすぎる。みんなを笑顔にしてきたタイプは「やってあげたい」が強く出やすい。
親に『そのままの自分』を認められた実感がないACは、恋愛で不信感を抱きやすい。 「私なんて」「どうせ誰も」と不安を抱えていると、「なんで私なんかを好きになるんだろう?」と思う。 都合がいいだけでは?と相手の好意を疑う事もある。相手が離れると、辛くて悲しいのに「ほらね」と妙に納得する。
ストレス解消が苦手なアダルトチルドレンは多い。 子どもの頃に大人たちの言うことに従い、理不尽でも納得しようと頑張りすぎると、辛さや苦しみに対する心が鈍くなってしまう。心身反応が出たり動けなくなったり感情が爆発してやっと、限界だと気がつく。 決して自己管理が出来ていないわけではない。
アダルトチルドレンは、自己肯定感の低い人が多い。 みんな一緒、みんな仲良く、個性を出さない、出る杭は打たれる、迷惑をかけてはいけない…などの日本独特の暗黙の了解が、ACの生きづらさを増幅させてしまう。 家庭内でも「ありのまま」で過ごせず、社会に出ても「ありのまま」を封じ込められる。
<ACが抱えやすい「いつもこうなる」の傾向> ■のびのび自由に楽しめない 例:仕事が全部終わるまでは楽しんじゃいけない、成功するまでは遊んじゃダメ(無理しすぎる) ■良い+悪いが1セット 例:楽しいことの後には、きっと嫌なことが起こる ■あと一歩なのに… 例:なぜか途中でやめたくなる
幼少期に親に否定されたり、褒められたことのない部分は「誉め言葉」として受け取りにくい。 「トロい」「グズ」「早く」「遅い」と怒られたことが多いと、「丁寧だね」と褒められて喜べない。遠回しに遅いと指摘されているように感じたりする。 褒められて喜べないのは、性格のせいではない事が多い。
「恩返ししろ」「親孝行しろ」「あなただけが頼りなのに…」と責められても従わなくていい。 「○○してあげたのに」という親にどれだけ尽くしても、満足しないし感謝しないし認めてはくれないから。 子供の頃にがんばって耐え続けたんだから、もう十分だよ。 これからはあなたの人生を生きていい。
あまりに辛い記憶がある場合、解離や抑圧という心理的防衛機能が働くことがある。 トラウマが冷凍保存されているような状態。 ・抑圧 嫌な記憶を封じ込め思い出さないようにすること ・解離 記憶の一部が抜け落ちたり、自分を外から眺めているように感じたり、複数の自分がいるように感じること
肩こりが酷い、首がガチガチ、食いしばりが酷い、頭痛もち…というACは多い。 常に何かを警戒し、心と体が緊張状態だから、朝起きた時に『既に疲れている』こともある。 子どもの頃からずっとそうだと「これが当たり前」「みんなそう」と思い込むが、実はそうではない。 本当は、体はもっと軽い。
親に愛されていない人だけが、ACになるのではない。 親なりに愛してくれていても、ACになることはある。 親の望む通り振る舞うことを求められ、それに応えているうちに「自分」というものがわからなくなる。気がついた時には、親の理想から外れることが怖くなり、自分の決断に自信が持てなくなる。
「質問されるのが嫌」という人がいる。 周りの人の話を聞くのは平気なのだが、自分のことを聞かれるのが嫌だと感じる。質問されると責められているように思う事もある。自分を曝け出すのが怖い。 子どもの頃、「自分のワガママを減らすことで家族の負担を減らしてきた人」に多い傾向。距離感に悩む。
「また大げさな…」「あなたはオーバーなのよ」と、親に言われることがある。 感じたままを伝えているのに、「話を盛っている」と疑われたり、「悲劇のヒロインぶっちゃって」と酷いことを言われることもある。 幼少期にこのようなことが繰り返されると、自分の考えに自信を持てなくなってしまう。
疲れるのは弱いからじゃない。 こんなに疲れるくらい色々なことを感じて、「どうしたらいいか」いっぱい考えたからこそ。 みんなに理解されなくても仕方ない。だってあなたが感じるものはみんなより多いし、考えるパターンも多いから。 だから堂々と「頑張ったー!疲れたー!」と思っていいんだよ。