326
「言葉にしないと伝わらないよ?」
「ちゃんと話せば分かってもらえるはず」
そう言われることがある。
だが言葉にしても伝わらない人はいるし、話しても分かってもらえないこともある。
それが親の場合、子どもの頃からその経験を積み重ねすぎて「何も言わない方が心が傷つかない」と諦めてしまう。
327
心理的虐待、と呼ばれるものがある。
酷い暴言をイメージするかもしれないが、それだけではない。子どもの発言を制し、考えを支配し、行動をコントロールする『過干渉』もその1つ。「あなたのため」「躾」という言葉で縛り付ける。
殴る蹴るのように表面化する虐待とは違い、周囲も本人も自覚しにくい
328
いつも頑張らない人がたまに頑張るだけで、褒められる。
でもいつも頑張ってきた人が、たった1回頑張るのをやめたら「なんでやらないの?」と呆れられ、「ちゃんとやれ!」と怒られてしまう。
だからいつも頑張っている人ほど、休むのが怖い。
周囲が与える無意識の圧力が「休めない理由」をつくる。
329
皆に好かれようとしない、期待しない、依存しない。
この3つが出来るようになると人間関係の悩みは軽くなるが、大前提として『何があっても自分を受け止めてくれる場所』が欠かせない。
だからACは、悩みが尽きない。
何があっても頼り安心できる場所が、「ある」か「ない」かの差は大きい。
330
「ありのままの自分って何?」と思うアダルトチルドレンは多い。
自分が何者で、どんな性格で、何を感じているのか、考えるほど分からなくなってしまう。誰に見せている自分が、本来の自分なのかと悩む。
子どもの頃に抑え込んだ感情があまりに多いと、自分が自分ではないような感覚を持つこともある
331
「人にどう思われるのかが気になる」人がいる。
自然な感情なのだが、ACの場合は気になりすぎて辛い。相手の機嫌が悪くならないように、気を遣いすぎてしまう。
子どもの頃からピリピリした家庭環境で育っている場合は、不機嫌な人がいるだけで落ち着かない。怒っている人がいるだけで疲れてしまう。
332
そんなことで傷つくの?、冗談なのに、つまんない子、気にしすぎ、考えすぎ、真面目すぎ…
このように言われ続けて育つと、「どの気持ちは出して良くてどの気持ちは出しちゃダメなのか」苦しむ。
自分の感情を疑うようになる。本当の気持ちが分からなくなる。
「自分自身がよく分からない」に繋がる。
333
「集団の場が苦手」という人がいる。
幼少期、家庭内で「自分の居場所がない」と感じた人に多い傾向。人嫌いなのではなく、1人でのびのび平和に過ごしていたいタイプが多い。
だが日本の社会では「集団生活ができない子」「協調性がない子」というレッテルを貼られてしまう。結果、孤立感が強まる。
334
心の傷が睡眠障害となって現れることがある。
寝つきが悪いし目覚めも悪い。
一番調子がいいはずの朝に、既に疲れている。
誰でもそういう日はあるが、アダルトチルドレンの場合は「子どもの頃からずっとそう」という人が多い。常に緊張しっぱなしの家庭で過ごしていると「それが当たり前」になる。
335
<自己肯定感が低くなる要因>
1.生まれつきの気質
HSPだと罪悪感、孤独感、マイナス感情が出やすい
2.幼少期の親との関係
褒められ励まされるより、一方的な指示や人格否定が多かった場合「無価値観」が出やすい
3.トラウマ体験
不安と恐怖に押しつぶされ、自信を失い、感情が乱れやすい
336
「親を悪く言うなんて」とあなたを責める人がいる。
その人は、親に与えてもらうはずの『心の土台』を自分で作らなければいけない悲しみや苦労を知らない。
親も苦労したのかもしれないし、かわいそうな人だったのかもしれない。だけどそれは親自身が向き合う問題。
辛かったことは、辛いと思っていい
337
アダルトチルドレンは「怒り」の感情に振り回される。
子どもの頃に怒りっぽい大人がいて「あの人のようになりたくない」と怒りを封じ込めたり、ふいに怒りが抑え切れずに溢れたり、信頼できる誰かにだけ怒りをぶちまけてしまうこともある。
家庭が「安全基地」ではなかった場合、そうなりやすい。
338
HSP気質+ACだと、「私ばっかりやってる!」とイライラしやすい。察する能力の高さから、細かいことに気がつき先回りできてしまうからこその悩み。
子どもの頃から人に頼らず頑張ってきたタイプは「私がやらなきゃ」と背負いすぎる。みんなを笑顔にしてきたタイプは「やってあげたい」が強く出やすい。
339
親に『そのままの自分』を認められた実感がないACは、恋愛で不信感を抱きやすい。
「私なんて」「どうせ誰も」と不安を抱えていると、「なんで私なんかを好きになるんだろう?」と思う。
都合がいいだけでは?と相手の好意を疑う事もある。相手が離れると、辛くて悲しいのに「ほらね」と妙に納得する。
340
ストレス解消が苦手なアダルトチルドレンは多い。
子どもの頃に大人たちの言うことに従い、理不尽でも納得しようと頑張りすぎると、辛さや苦しみに対する心が鈍くなってしまう。心身反応が出たり動けなくなったり感情が爆発してやっと、限界だと気がつく。
決して自己管理が出来ていないわけではない。
341
アダルトチルドレンは、自己肯定感の低い人が多い。
みんな一緒、みんな仲良く、個性を出さない、出る杭は打たれる、迷惑をかけてはいけない…などの日本独特の暗黙の了解が、ACの生きづらさを増幅させてしまう。
家庭内でも「ありのまま」で過ごせず、社会に出ても「ありのまま」を封じ込められる。
342
<ACが抱えやすい「いつもこうなる」の傾向>
■のびのび自由に楽しめない
例:仕事が全部終わるまでは楽しんじゃいけない、成功するまでは遊んじゃダメ(無理しすぎる)
■良い+悪いが1セット
例:楽しいことの後には、きっと嫌なことが起こる
■あと一歩なのに…
例:なぜか途中でやめたくなる
343
幼少期に親に否定されたり、褒められたことのない部分は「誉め言葉」として受け取りにくい。
「トロい」「グズ」「早く」「遅い」と怒られたことが多いと、「丁寧だね」と褒められて喜べない。遠回しに遅いと指摘されているように感じたりする。
褒められて喜べないのは、性格のせいではない事が多い。
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あまりに辛い記憶がある場合、解離や抑圧という心理的防衛機能が働くことがある。
トラウマが冷凍保存されているような状態。
・抑圧
嫌な記憶を封じ込め思い出さないようにすること
・解離
記憶の一部が抜け落ちたり、自分を外から眺めているように感じたり、複数の自分がいるように感じること
346
肩こりが酷い、首がガチガチ、食いしばりが酷い、頭痛もち…というACは多い。
常に何かを警戒し、心と体が緊張状態だから、朝起きた時に『既に疲れている』こともある。
子どもの頃からずっとそうだと「これが当たり前」「みんなそう」と思い込むが、実はそうではない。
本当は、体はもっと軽い。
347
親に愛されていない人だけが、ACになるのではない。
親なりに愛してくれていても、ACになることはある。
親の望む通り振る舞うことを求められ、それに応えているうちに「自分」というものがわからなくなる。気がついた時には、親の理想から外れることが怖くなり、自分の決断に自信が持てなくなる。
348
「質問されるのが嫌」という人がいる。
周りの人の話を聞くのは平気なのだが、自分のことを聞かれるのが嫌だと感じる。質問されると責められているように思う事もある。自分を曝け出すのが怖い。
子どもの頃、「自分のワガママを減らすことで家族の負担を減らしてきた人」に多い傾向。距離感に悩む。
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「また大げさな…」「あなたはオーバーなのよ」と、親に言われることがある。
感じたままを伝えているのに、「話を盛っている」と疑われたり、「悲劇のヒロインぶっちゃって」と酷いことを言われることもある。
幼少期にこのようなことが繰り返されると、自分の考えに自信を持てなくなってしまう。
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