1101
苦手で嫌いな人なのに、「嫌われたくない(嫌われちゃダメ)」という心理が働くことがある。
「あの人は悪い人じゃない」「根はいい人」と思い込む事で、嫌わないようにする。
寂しさや自信のなさを抱えていると、それを少しでも満たしてくれる人・場所・物を「好き」と思い込もうとすることもある。
1102
周囲が「そんなことでそんなに…?」と思うような事で、とことん落ち込む人がいる。
幼少期に植え付けられた「自分なんて…」という不安が顔を出し、自分を責めて追い込んでしまっている。
天気の変化や世の中の雰囲気が体調に影響しやすい人は、自分の意思とは無関係に落ち込んでしまうことも多い。
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1104
「誰からも愛されたことがない」と感じるACは多い。
実際には友達、恋人、身近な人など、あなたを愛してくれている人がいることもあるのだが『気づけない』。
心の奥底で親の愛を求めている場合は、誰かに愛されていても「愛されている」と実感できない。何となく満たされない。不全感が邪魔をする。
1105
<ACが抱えやすいプレッシャー>
・強くならなきゃ ※弱い自分はダメ
・完璧にやらなきゃ ※能力=自分の存在価値になりやすい
・早くしなきゃ ※いつも急き立てられる感覚がある
・頑張らなきゃ ※限界を超え倒れるまで休めない
・喜ばせなきゃ ※自分一人だけ楽しむのが苦手。皆が笑顔だと安心
1106
すぐ不安になってしまう、と悩むことがある。
理想的な環境で育てば、自己啓発本で示されるような方法(不安の9割は現実に起こらない、大丈夫と唱える)などで不安が解消できる。
だが親から「大丈夫」の安心感を貰っていない場合、それが難しい。
助けてほしい時に助けてもらえなかった傷は深い。
1107
理不尽な攻撃にあったのに、「私は悪くない」と思えないことがある。
子どもの頃、「あなたが悪かったんじゃないの?」と批判されることが多いとそうなりやすい。
理不尽な攻撃をされているのに、自分の原因を探すようになる。
「どうせ」「やっぱり」と思わせる過去が、「私なんて」に繋がる。
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ため息が後ろから聞こえた時。
「疲れてるのかな?」と心配する人、「私何かした?」と不安になる人、機嫌を直さなきゃと焦る人、警戒する人、そもそも気にならない人もいる。
事実は1つだが、感じ方や行動は人それぞれ違う。
親に気を遣ってきた子どもほど「恐怖」「焦り」「しなきゃ」が出やすい。
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勇気を出し、過去の苦しみを打ち明けた時。
親から「いつまでそんなこと言ってるの」と呆れられることがある。「大人になったら?」「親にも事情があったんだよ」と、周囲が親の味方に付くことも多い。
でも、自分を責める必要はない。大人になっても影響するような出来事があったのだと思って良い。
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助けを求めるのが苦手な人がいる。
多くの場合は内面の苦しさを表に出さないため、周囲から「問題を起こさないおとなしくていい子」「悩みがなさそう」と思われている。
人間関係の基礎は、親子。
親を信用できず頼れなかった場合、他人も信用できず頼れないと思う。これは大人になっても影響する。
1113
「大丈夫?」という励ましが、「あなたに出来るの?」「頑張りが足りない」に思えてモヤッとすることがある。
相手が心配から「頑張りすぎ」「休んだら?」と言ってくれても、自分を責められているように感じることがある。
励ましが少ない環境で育つと、『励まし』に無意識に拒否反応が出やすい。
1114
当時の「辛い気持ち」を抑え込んだまま大人になると、当時の気持ちが「冷凍保存」されたような状態になる。
ずっとそのままならいいが、ふとした時に解凍され当時の感覚が生々しく蘇る。
すると目の前の人と「過去に傷つけた人(出来事)」が心の中で重り、「信じない方が良い!」と警戒してしまう。
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<ACが抱えやすい苦手意識の傾向>
・リラックスしたり休むのが苦手
例)何かしていないと不安
・自分だけ楽しむことに罪悪感が出る
例)親の顔がよぎる
・予測不能な事態が極端に苦手
例)最悪のパターンを想定し不安になる
・考えは溢れてくるが実行にうつさない
例)人にどう思われるか気になる
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人を信じて頼れない、と悩むアダルトチルドレンは多い。
認めてくれるに違いない、分かってくれたはずだ、もうしないだろう、変わってくれると信じてみよう…
子どもの頃、このような期待を何度も裏切られてきたことが影響している。
信じたいし頼りたいのに、過去の嫌な経験がブレーキをかける。
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幼少期、大人から否定されることが多いと『他人と頭の中で戦う』ようになる。
相手がこう言ったら自分はこう返して、相手が○○したらこう対処して…という風に、相手がいない時にひたすらシミュレーションする。
人生は楽しみではなく、日々戦いが続くことの「疲れ・苦しみ」への絶望感が膨らむ。
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人は、自分が期待していた結果が得られない時、「裏切られた」「傷ついた」と感じやすい。
相手が「信じている人」「身近な人」であるほど、心の傷は深くなる。
子どもにとって、親はその両方が当てはまる。
だからこそ、子どもの頃の出来事は「人を信じられないきっかけ」となりやすい。
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特に酷いことをされなくても、ACになることはある。
これくらいで、なんて自責しなくていい。
家庭が心安らぐ場所ではない、自分を否定される、必要とされず信じてもらえていないと感じると、心にぽっかり穴が空く。何をしても埋まらない穴のせいで、大人になった時の人間関係で生きづらさを感じる。
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生きているだけで価値がある、自分を大切にするという感覚は幼少期に家庭の中で育つ。
だが、愛されずに育つと「誰からも愛されていない」「愛される価値がない」という不安が育つ。これは大人になっても残る。
過干渉やコントロールといった形で、親なりに愛していたとしても同様の影響を及ぼす。
1124
完璧な親はいないし、100%正しい子育てはないし、意図せず子どもを傷つけてしまうこともある。
それにもかかわらずACは、不自然なほど「良い親だった」と思い込もうとする。親を悪く思うことに罪悪感が出ることもある。
それこそが、気を遣わなければ生きてこられなかった」という心の傷でもある。
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堂々と休むのが苦手な人がいる。
休むことに後ろめたさが出る。体が悲鳴をあげても倒れるまで働き続けたり、心が壊れて病気になるまで頑張り続ける。しんどくても心を麻痺させる。
限界が来ないと休むことが許されないという感覚をもつ場合、いっそのこと疲れ果てて倒れてしまいたい…とさえ思う。