「私さえいなければ」という思いを子どもの頃、抱える人がいる。 私が私立学校に行かなければ、私が生まれなければ、私がワガママしなければ、私がもっとできる子だったら…と。 「親の不幸の原因が自分なのでは」という思いが根底にあると、自分の生きる価値が分からなくなってしまうこともある。
<アダルトチルドレンが苦手な状況> ・親の連絡をスルー(何十件と着信が残る恐怖や罪悪感) ・親の意見にNOを言う(悲しませる、怒られる、否定される) ・相手がつまらなさそう(自分なんて…) ・自分一人だけ楽しむ(うしろめたさ、申し訳なさ) ・誰かが不機嫌な時(自分のせいかなと思う)
辛くても悲しくても言えない、と悩む人がいる。 「ネガティブな感情を出してはいけない」「心配をかけたくない」と思っていることもある。 子どもの頃から、誰かに喜んでもらうことで「自分はここにいてもいい」と実感してきた人に多い傾向。 自分の気持ちより、他人の気持ちが優先される。
「自分から動けない」「自分で決めるのが苦手」という相談が増えている。 こんな自分を変えたいと思い悩む人は多いのだが、性格のせいではなく「過保護・過干渉」の環境で育っていることが多い。できないのではなく「してはいけない」と植え付けられていたり、「やり方が分からない」こともある。
自分の気持ちが分からない、と悩む人がいる。 子どもの頃に親から無視されたり、あまりかまってもらえなかったり、親の話しばかり聞かされていると、自分の気持ちを抑えるのがクセになってしまう。 負の感情を抑えると、前向きな感情も抑えられてしまうから「楽しい」「嬉しい」が実感しにくくなる。
親からの拒否や否定は、「自分はダメな人間だ」「誰にも必要とされていないのでは」という自己否定感を植え付ける。 嫌だった記憶は忘れられなくて当然。 「もう昔のことなのに」などと、思い出す自分を責める必要もない。 忘れられないだけで十分苦しいというのに、これ以上自分を責めなくていい。
ACは、いい所を伸ばすより悪い所を直そうと頑張る傾向がある。 「いい所なんてない」「悪い所を直さないと誰も好きになってくれない」と思い込んでいることもある。 どれだけ他人に褒められても、一番身近な親に褒められた経験がないとなかなか自分に自信がもてない。それほど親は影響を及ぼす。
周囲に嫌われるような厄介なタイプの人に好かれる、と悩む人がいる。 相手を否定しない気遣い上手の人に多い。 あなたが反撃しないことを見抜き、相手はぐいぐい距離を縮めてくる。子どもの頃から染みついた「皆仲良く」という風潮が追い打ちをかける。 本当は、意地悪しないだけで十分優しいのに。
「ありのままの自分」を受け入れてもらえない場合に、自責する人もいれば、他責する人(結果的に自責しやすい)もいる。 認めてもらうため必死に頑張る人もいるし、真逆の人もいる。 味方が1人もいない場合、自分の人生を「壊す」ことを繰り返しやすい。頑張っても無意味という思いに押しつぶされる。
能力があっても、容姿端麗でも、自分を愛してくれる人が傍にいても、お金があっても、本人は『幸せ』と思えないことがある。 「勉強だけ出来てもダメ」と言われたり、「見た目だけ」と揶揄されたり、「お金は人を不幸にする」など、小さい頃誰かに言われたことが無意識に影響しているケースは多い。
もともと大人しい性格の子もいる。 人と仲良くなるのにじっくり時間をかける子もいる。 だが「誰かに馬鹿にされた」経験から、大人しい性格になる子もいる。目立たないようにしたり、自分を出さないようにしたリ、おかしいと思われないように「本来の自分を抑え込む」ことで自分を守る。
自分より、相手を満足させることを優先してしまうと悩む人が増えている。 幼少期に家族のバランスをとってきた人に多い傾向。 自分の感情や欲望を抑え込むからとにかく疲れるが、コミュニケーション能力が高く見えたりと周囲に評価されることも多い。ただし一人になった時のダメージがもの凄い。
「暗い」「冷たい」「人と何か違う」「感情がないのでは」と、自分自身に不安を抱くことがある。 だが実際は、冷たいのではなく信念があったり、曲がっていることが嫌いだったり、警戒から心を守るために自分の気持ちを話さない人が多い。 家庭内で感情を抑えてきたACほど、この葛藤を感じやすい
「なんで私はストレスがうまく発散できないんだろ…」なんて落ち込まないでね。 その人とは、ストレスの大きさが違うだけだから。少し休むくらいじゃスッキリできないくらい耐えてきたのかもしれないし、好きな事でさえ楽しめないほど疲れてるのかもしれない。 ゆっくり少しずつ、あなたのペースで。
アダルトチルドレンは幸せな時より、不幸な時にホッとしやすい。子どもの頃から認められず、怒られて悲しくて辛いのが当たり前だったから。 脳は変化を嫌うから上手くいくと落ち着かなかったり、褒められて怖くなったり、幸せな時に急に不安になったりする。
「生きているだけで価値がある」と思えるかは、子どもの頃の家庭環境の影響が大きい。 「橋の下で拾った」「本当は男の子(女の子)が欲しかった」など、親から存在を否定された子どもは「自分という存在」が分からないことがある。いてもいなくても一緒なのでは、と虚しさを感じることさえある。
親が、子どもをからかったり馬鹿にした時に「冗談だ」ということがある。「お前のためを思って」「こんなこと親くらいしか言ってくれない」と正当化することもある。 だがこれらは子どもにとって、デメリットでしかない。 冗談だからと我慢したり、事実だからと酷い言葉を受け入れる必要はない。
・幸せになりたいのになぜか踏み出せない。どうせ…と思う ・大切な人との関係をなぜか壊してしまう。私なんかと…と思う 「なぜか」そう思うのは、性格ではなく家庭環境が強く影響している。 例えば「認められたいのに褒められると素直に受け取れない」のは、応援や励ましが少ない家庭に多い傾向。
いつも笑顔のアダルトチルドレンは、「悩みがなさそうだよねー」「いつも楽しそう」と言われたりする。 辛くてしんどい時ほどいつも以上に笑顔を心掛けるのだが、誰も気づかない。作り笑顔が「自然な笑顔」に見えるほど、子どもの頃から笑顔を心掛けてきたから。 作り笑顔をやめるのが怖い事もある。
「できてるよ」と褒められて戸惑うほど、「あなたはダメ」「まだまだ」と言われ続けてきたのかもしれない。 「すごいね」と褒められて戸惑うほど、叱られる回数の方が多かったのかもしれない。 「大好きだよ」と言われて戸惑うほど、今まで愛されてる実感が持てなくて不安だったのかもしれない。
「好きなことが分からない」という人が増えている。 両親が厳しかったり、子どもの頃から「良く考えて行動しなさい」「そんなの意味がない」などと言われて育った人に多い。 「好きなこと・楽しいこと=親に受け入れられないこと」と無意識に植え付けられていると、楽しむことに罪悪感も出やすい。
「人気者」「優しい人」「愛されキャラ」「いい人」と、言われることがある。 本来なら誉め言葉として喜んでいい。 だがACは戸惑ってしまう。 それは内面の寂しさ、孤独、不安、怒りを笑顔という仮面で隠して「演じている自分」だから。本当の自分を見せたら離れていくのでは、という恐怖さえ感じる。
自分らしさが分からないというACは多いが、なぜか不安だったり、不幸だと感じるなら『自分らしくないことをしている』1つのサインと思って良い。 思考のクセや行動が「過去の影響」であったとしても、辛いものは辛いし、気になるものは気になる。それでいい。 自分で自分を否定しないでね。
「頼りがいがある人」「できる人」「しっかりしてる」、と言われることがある。 信頼され評価されることは素晴らしいが、『期待に応えなきゃ!』というプレッシャーが凄まじい場合、「無理」「わかりません」「助けてほしい」が言えず、しんどくても一人で背負ってしまう。
何も出来なくて辛い、と思うことがある。 そんな時に「何なら出来るか」は考えなくていい。 何もできないのは「今は休め!」という体からの緊急命令だから。辛い環境で心がマヒしたあなたに体が教えている。 「何もできない⇒何もしたくない」になるまでまず休む。次に「何かしたい」が出てくるから