701
「頑張らなくていい」という言葉で、心が軽くなる人がいる。
だがその一方、「じゃあ誰がやってくれるの?」「そういう人がいるせいで…」とイライラする人もいる。このタイプの人はそんな自分を責めてしまいがちだが、普段から頑張っている人が多い。
どちらが良くてどちらが悪いということはない。
702
誰かにイライラすることがある。
人を不快にさせないように、傷つけないように、迷惑をかけないように頑張っていたり、怒らないように気をつけている人ほどイライラしやすい。
そんな自分が嫌になることもあるかもしれないが、あなたの心が狭いわけではない。
頑張り屋さんほどイライラしやすい。
703
言いたいことが「言えない」と悩む人が増えている。
だが実は「言えない」のではなくて、「言わない」のかもしれない。
言ったら相手を傷つけてしまう、言ったら嫌われる、言っても無駄だ、言わない方がいいだろうな…そう思わせる過去の経験から、無意識に「言わない」を選んでいるのかもしれない。
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過干渉な環境で育つと、「自分の選択は認められない」という感覚が強くなる。
自分が選んだものを否定された経験が多いほど、自分の決断に自信がもてない。他人もどうせ否定する、と思ってしまう。
親の言うことが絶対の環境で育つと、「何がしたいのか」が分からなくなる。欲が抑え込まれてしまう。
706
とことん甘えてありのままを認めてもらえて、自立できれば心は安定する。
だがその一方で、
甘えらないから、仕方なく自立する子がいる。
ありのままを認めてもらえないから、認めてもらいたくて必死に自立する子もいる。
親を頼れないから、自分がしっかり自立するしかなかった子もいる。
707
ポジティブな感情はいいが、ネガティブな感情はダメなんてことはない。
悲しいも、怖いも、不安も出てきていい。イジワルな気持ちが出てくることもある。
だが、子どもの頃からガマンしてきた人ほど、ネガティブな自分を責めてしまう。
親に否定されたように、無意識に自分を責めてしまうから苦しい。
708
本音で話すのが苦手、という人がいる。
否定されるのが怖い、本当の自分を知って嫌われたくない、気持ちがうまく表現できない、どう思われるか心配、信用するのが怖い、親しくなると裏切られそう、そもそも本音が分からないこともある。
共通点は、本音を言いづらい家庭環境で育ったということ。
709
「自分の性格が嫌い」というACは、ものすごく多い。
でも人のことを信用できないのは、性格のせいではない。
自分の考えが分からないのも、人に合わせてしまうのも、NOを言えないのも。
受け入れてもらえなかったり、否定ばかりされたら誰だってそうなる。
環境によってつくられたものはとても多い。
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傷つきやすいあなたは、誰よりも心の痛みが分かる。だから優しい。
引きずりやすいあなたは、それだけ真剣に物事を考えている。
ストレスが体に出るのは、皆に心配かけないように笑顔で頑張っているから。
あなたが「直さなきゃ」と自分を責めている部分が、実はあなたの「素敵なところ」でもある。
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転んだ時に、絆創膏を使うのがムダではないように。
風邪の時に、風邪薬を飲むのが甘えではないように。
頭痛の時に、頭痛薬を飲むのがワガママではないように。
落ち込んでいる時に「ちょっぴりイイモノ」を食べたり飲んだりして元気になるのは、甘えでもワガママでもありません。
必要なこと。
713
誰かに気持ちを話すことが、ストレスになる人もいる。
人に気を遣ってしまう人は「気持ちを書く」という心の整理が向いている。
書くと一口に言っても、「よかったこと」を書いて前向きになれる人もいれば、「怒り」を書き出すことで元気になる人もいる。
世間一般の「いい」と違っても、大丈夫。
714
「好きなことが分からない」「好きな人ができない」と悩むことがある。
だが、あなたの性格や心に何か欠陥があるわけではない。
子どもの頃、自分の好きなものではなく「これならOKしてもらえそうなもの」を選ぶなど、親に迷惑をかけないよう自分の感情を強く我慢してきた人ほどそうなりやすい。
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<ACが抱えやすい心身反応>
・頭痛
⇒ずっとそうだからそれが当たり前という人も
・肩こり
⇒首の裏が慢性的にパンパン
・歯の食いしばり
⇒ストレスから無意識に。とにかく顎が疲れる
・皮膚炎
⇒アトピー、一時的に出る蕁麻疹等
・自律神経の乱れ
⇒うつ症状、過呼吸、神経性胃炎など
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自分の意見が言えない、と悩むことがある。
ちゃんと意見を言えている人を見て「なんで私は…」と落ち込む事もある。
だが、その人とあなたの違いは能力や努力なんかではなく、育った環境の差かもしれない。
子どもの頃、「自由に意見を言える環境だったのかどうか」はとても大きい。
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ACの中には、「自分の名前が嫌い」という人もいる。
そもそもこの感覚を理解してもらえないことが多く、中には「せっかく親がつけてくれたのに」と非難されることもある。
でも嫌いだと思ってしまう理由が、あなたにはちゃんとある。あなたはおかしくないし、自分を責める必要も全くない。
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勇気を出して相談しても、「辛いのはみんな一緒」と言われることがある。
でも、辛いものは辛い。だから、みんなも辛いとしても、辛いと思って良い。
しかもACの場合は、「みんな」と同じスタートラインに立つために親が与えてくれるはずだった「心の土台」を自分で見つけ育てる大変さもある。
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「愛してるからこそ」
「あなたのためを思って」
一見すると「相手のため」を想っているように聞こえるかもしれない。だが、親子の間でこの言葉が使われる時、それは子にとって「縛り」でしかない。
親の言葉が重すぎで自由に動けなくなったり、親を拒否する自分が酷い人間に思えて苦しんでしまう。
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何をしたいかよりも、「何なら許されるか」「批判されないか」で選んで後悔することがある。
子どもの頃、親に叱られ否定された経験があまりに多いとそうなりやすい。
子どもの頃一生懸命考え続けた「親に叱られないための選択」は、大人になった時「相手を不機嫌にさせないための選択」に繋がる。
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虐待を受けていなくても、ひどい言葉を言われていなくても、それなりの生活をさせてもらっていても、親なりに大切にしていたとしても、親のことが嫌いではなくても、「自己肯定感が低い」ことがある。
過干渉の環境で育ったケースに多く、「親に縛られている」という感覚が大人になっても抜けない。
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「親子問題=母」というイメージがあるが、実は父の影響も大きい。
父親が頼りない場合、子は母親のイライラ先になったり、愚痴を聞くなど大人としての役割を求められる。
父親が母親を傷つける人の場合、子は「強くならなければ」と思う。
父親が実質不在の場合、家族を支えようと背負うこともある。