626
「愛されていないかも」「どうせ分かってもらえない」など心に深い傷を負っていると、誰かに見捨てらえる不安を常に抱えやすい。
自分の気持ちや欲求よりも、「客観的に見て正しいかどうか」「何ならしても批判されないだろうか」ということを重視するようになるため、イライラや不満が蓄積される。
627
辛さを誰かに打ち明けた時。
「それくらいで」と理解されないことがある。
だが、「あなたの悩みがたいしたことがない」ということではない。
相手が、あなたほど辛い経験をしていないだけなのかもしれない。わからないだけなのかもしれない。
だから「これくらいで」と自分を責める必要は全くない。
628
優しさをあなたの「スキル」だと思ってみる。
性格ではなくて、「優しさ」という武器だと思ってみる。
誰にいつ使うかは、あなたが決めていい。
あなたの優しさを利用する人もいるから、皆に優しくできなくていいし、しなくていい。
わざわざイジワルをしなければ、合格ラインだと思って良い。
629
親が、自分の子を「自分の作品」にしてしまうことがある。
多くの場合は無意識にそうなっている。
自分の作品だから、思い通りにいかなかったり、言うことを聞かないと腹が立つし、「子の評価=自分の評価」だから過干渉に関わろうとする。
優しく責任感のある子ほど、親に振り回されてしまう。
630
親から頻繁にかけられた言葉は、馴染みがある言葉となる。
ダメだと言われて育てば、「ダメ」を証明する言葉ばかり受け止めてしまう。褒められてもスルーしてしまう。
よく目にしていた親の態度は、馴染みのある態度になる。
他人の不機嫌さに敏感な人の場合、親がいつも不機嫌だったケースが多い。
631
恋人、家族、社内の人間関係…
逃げられない状況で理不尽な攻撃を受け続けると、思考が停止する。
まともに考えていたら頭が混乱しておかしくなってしまうから、心を守るために思考を鈍らせる。痛みを感じないよう、心を麻痺させる。
いつの間にか、「自分がおかしいのでは」と思い込まされてしまう。
632
良かれと思って手伝ったら「余計なことをするな」と怒られ、言われたら手伝おうと思ったら「言われないと動けないのか」「言われる前にやれ」と怒られ、手伝うのをやめても怒られてしまう・・・。
過去にこのようなことが積み重なると、自分の意思で動けなくなる。
動くのが怖くなってしまう。
633
誰かに依存しすぎてしまう、と悩むことがある。
だが、依存をやめなきゃと思うと、脳の性質上ますます依存してしまう。ダイエット中に食べたくなったり、禁煙中に吸いたくなるのと同じように。
依存がダメと思わず、依存先を増やすといい。
そうすることで1カ所あたりの依存や負担は少なくなる。
634
「考えすぎてしまう」と悩む人が増えている。
決してダメなことではないのだが、周囲から理解されなかったり、本人も疲れてしまうから悩む。
子どもの頃、何かと禁止事項が多かった人に多い。
親は「それはダメ」と言うだけでどうすればいいのかを教えてもらえず、自分で考えるしかなかった子に多い。
635
636
親のことは好きだが、心の底では「苦手」「嫌い」ということもある。
だが、子どもの頃は一緒に生活せざるをえない。
だから「苦手」「嫌い」を感じるセンサーを鈍らせ、麻痺させ、壊してしまうことがある。そうしなければ、毎日苦しすぎるから。
これは、大人になった時の人間関係にも影響を与える。
637
嫌いな人や辛い環境から、やっと離れて自由になれたというのに、「なぜか心が晴れない」「今も苦しい」と悩むことがある。
前に進めていないようで不安になるかもしれないが、これは1つの前進。
離れてやっと、自分の本音が出てきたのかもしれない。
我慢した気持ちが、出てきているのかもしれない。
638
アダルトチルドレンという言葉は、親を責めたり、過去の子育てを批判するものではない。誰かのせいにしたり、犯人探しをするのが目的ではない。
これまで「自分のせいだ」「自分を変えなきゃ」と自分を責めて追い込んできたあなたが、『実は自分のせいではなかった』ことを知り、前に進むためのもの。
639
察するのが得意な人がいる。
その一方で、察してくれる人を利用するのが上手い人もいる。
相手のスキルを利用して、思わせぶりな態度をとる。自分から頼まずして、「頼んでいないのに勝手にやってくれた」状況を作るのが上手い。
その結果、察するのが得意な人ばかりに負担がかかってしまう。
640
子どもの頃からずっと、「しっかりしなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」「がんばらなきゃ」と思って生きてきた人ほど、自分の気持ちが分からなくなる。
怖い、不安、嫌、辛い、助けてほしい、甘えたい、一緒にいて、寂しい……
本当の気持ちを言えなかった期間が長いほど、何が本音か分からなくなる。
641
辛い気持ち、苦しみ、うまく言葉にできない生きづらさ、しんどさ…
勇気をもって相談した時に、「あなたも悪かったんじゃない?」「あなたにも何か原因があるんじゃない?」と言われることがある。
だが、その人は苦しみの全てを知らない。その人が理解できなかっただけで、あなたは悪くない。
642
643
「なぜ私だけがこんな目に遭うんだろう」
「どうしてこんなにうまくいかないんだろう」
このように思うことがある。
今感じている生きづらさがあまりにも大きい場合は、「過去の辛いできごと」と重なっている可能性がある。
過去の辛い経験と目の前の出来事が重なると、苦しみが膨らみやすい。
644
誰かの言った何気ない一言が、頭から離れないことがある。
考えすぎだ、と言われ落ち込むことがあるかもしれない。
考えている自分がダメに思えるかもしれないが、そうではない。
あなたにとって考えるべきことが起こっているのだから、考えすぎではない。
一番大事なのは、自分を否定しないこと。
645
1人でいることだけが、孤独とは限らない。
会社や学校にいても、家族と一緒でも、恋人や友達と一緒でも、孤独を感じることはある。
自分が「その場所」で必要とされ、「その場所」に所属しているという感覚がもてないと孤独を感じやすい。
孤独だと感じるストレスは、心身の不調にも影響を与える。
646
幼少期の影響は、大人になって顕著に表れる。
親の顔色を窺ってきた人は、周囲の顔色を敏感に窺うようになる。
親を怒らせないようにしてきた人は、周囲を怒らせないようとにかく気を遣う。
親を喜ばせようとしてきた人は、何よりも周囲を喜ばせる事を大切にする。
過去は無意識に影響を与え続ける。
647
「なんとなく苦手」「なんか嫌」という直感は、信じた方がいい。
「なんとなく」「なんか」という感覚的な反応には、過去の経験が関係しているケースも多い。あなたを傷つけた「何か」「誰か」と重なるようなものがあるのかもしれない。
直感的に近づかない方がいい、危険だと判断することがある。
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大人になって、親へのイライラや不満が爆発することがある。
子どもの頃に反抗期がなかった人の場合は、「遅れて反抗期がやってきた」と思っていい。
決して、あなたの性格が悪い方に変わってしまったわけではない。
やっと気づいて、やっと自分の気持ちを認められるようになっただけ。これは前進。
650
誰かから、自分を否定されることがある。
「頑固だ」と言われれば、そんな自分を直さなきゃと思うかもしれない。
だが、直さなきゃいけないわけではない。
相手があなたを否定したのは、自分と違うから。
その相手が理想の相手ではないなら、落ち込むどころか「あの人とは違う」とホッとしていい。