501
子どもの頃から空気を読みすぎると、「自分の思い」で物事を決めるのが苦手になる。
相手がどれを選んでほしいのか五感をフル稼働して考えてしまう。自分の思いと違う場合は「どれでもいいよ」と譲ったり、相手が選びそうなものを選ぶ。
どれが良いのか、自分の気持ちが本当に分からないこともある。
502
何を言っても否定され、理解されず、「言っていることが分からない」などと切り捨てられると、自分の意見が言えなる。
言えば傷つくのなら、言わない方がいいと学ぶ。「いっそのこと何も感じない方が楽だ」と、感情さえ抑え込んでしまうこともある。
これが、自分がよく分からないに繋がる。
503
「辛かったら逃げていい」と言われることがある。
逃げずにずっと耐えてきた人は、「これは逃げでは」「逃げてはダメ」と思い悩む。
でも辛い環境から逃げるのは、ダメなことではない。
それに環境を変えるのは、逃げでもなんでもなく「去る」という1つの選択。逃げではなく、立派な選択の1つ。
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「過去は忘れて前に進もう」「気にしなくていい」「もっと楽に考えよう」「自分を責めないで」「人に甘えていい」とアドバイスされることがある。
…そんなこと本人が一番よく分かってる。そうできたらどんなに楽かと。
いつも頑張っている人ほど、「分かってるのに出来ない」と自責してしまう。
506
うまくできない自分が、イヤになることがあるかもしれない。
苦手なことばかりで、そんな自分がイヤになることがあるかもしれない。
できないと怒られたり、呆れられたり、誰かと比較されていた経験があると『出来ない自分はダメ』と責めてしまいやすい。
でも本当は、できないことがあってもいい。
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508
過去を思い出して、「なぜ言い返せなかったのか」「なぜあんなことを言ってしまったのか」と後悔することがある。
恐怖のあまり固まって動けなくなることがある。
反対に、恐怖から身を守るため攻撃することもある。
どちらも自分を守るための反応。
当時できることを自分なりにした、と思っていい。
509
ダイヤモンド社から『あなたはもう、自分のために生きていい』が発売されました。
つい自分を責めてしまう頑張り屋さんのあなたに向けて、ツイートでは書ききれなかった「じゃあ、どうしたらいいの?」への答えを詰め込みました。
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510
食べ物の好き嫌いがあるように、人には向き不向きがある。
誰かといると元気になる人もいれば、ひとりの時間で元気になる人もいる。
世の中の「いい」が、あなたにも「いい」とは限らない。
世の中とあなたの「いい」が違う時には、「あなたのいい」を優先する。
あなたの「いい」は、あなたの正解。
511
誰かを喜ばせたり、笑顔にするのが得意な人がいる。
子どもの頃から家族を喜ばせ、笑顔にさせようと頑張ってきた人に多い。
だが、自分を喜ばせるのが苦手なことがある。
そんなあなただからこそ、たまには自分を喜ばせてほしい。自分が笑顔になれる人、場所、選択を1つずつ増やしていく。
512
異常にイライラする時は、あなたの心のSOS。
過去にあなたを傷つけた「誰か」に似ている人のこともある。近づかない方がいい、危険だよというサイン。
自分が攻撃されたように感じて、心を守るために怒りが発動することもある。
何よりシンプルに、とっても疲れている時にも人はイライラしやすい。
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いい子やお利口さんは、子どもの努力の上に成り立っている。
親にとって「いい子」でいるためには、空気を読まなければいけない。親の表情を見て、自分を抑えなくてはいけない。
何十年とそうして頑張ってきた人ほど、自分らしさが分からなくなる。
自分らしさが分からないなんて、責めなくていい。
515
子どもの頃よく見た親の姿が、「頼ること」「助けを求めること」「休むこと」のブレーキになることがある。
いつも辛そうで不安そうでイライラしたり、不満や愚痴を言いながらも誰にも頼らない姿を見て育つと、無意識に「1人で何とかしなければ」と背負いやすい。弱音を吐けなくなることもある。
516
誰かを喜ばせられていないと感じると、この場にいてはいけないような不安に襲われる人がいる。
自分の心より相手の心、相手を不快にさせていないかを最優先させる。
子どもの頃から、親の顔色をうかがって行動してきた人に多い。相手を喜ばせられていないと、自分に価値がないようで怖い。
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人間関係の基礎は、親子関係にある。
社会全体から見れば、「家族」は小さな集合に過ぎない。
だが子どもにとって、家族は世界そのもの。そこで生きていくために、その家庭に順応しようと必死になる。
「未だに親のことを言っているなんて…」と思う必要はない。それほど影響を与えることなのだから。
519
親から無条件に愛された記憶がないことがある。
親の期待に応えようとしたり、役に立とうとして生きてきた人に多い。
大人になった時、「他人に必要とされる人間でなくてはいけない」という強迫観念をもつこともある。
生きるには条件が必要だと感じ、今のままの自分ではいけないと思い詰めやすい。
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「ありのままの自分」があると、挫折しても立ち直れる。
だが、子どもの頃に愛され認められた感覚がないまま大人になると、ありのままの自分が見えなくなる。
「理想の自分」と「(親に指摘された)ダメな自分」という2つの間で苦しむ。
できていることがあっても、褒められても、不安が消えない。
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人を信じられない、と悩む人がいる。
親に十分見てもらえなかったり、受け止めてもらえなかったり、裏切られたと感じているケースが多い。
嫌なことがあると「ほら、やっぱり」と警戒を強化する。
人が離れていく恐怖を知っているからこそ尽くしすぎたり、反対に相手を試したり、自分から去ることも。
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「私にはこれは似合わない」「これは私のキャラじゃない」とブレーキをかけてしまうことがある。
新しいことにチャレンジしたくても、踏み出せないこともある。
「なぜそう思うのか」を掘り下げた時、子どもの頃に親や兄弟姉妹に言われた言葉がきっかけのことがある。
性格のせいではないことも多い。
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人間関係のしんどさの陰には、「過去」が影響していることが多い。
見知らぬ人が自分を見て笑っている時。
「笑顔を向けられた」と思うのか、「バカにされた」と思うのかは、心の奥で「自分をどう感じているのか」によって違う。
事実は1つでも、「過去の影響」が受け取り方を変えてしまう。