401
従った時しか褒められなかったから、ありのままじゃダメと思うことがある。
褒められなかったから自分を褒められない人もいる。
褒められる回数より否定が多かったから、自己否定してしまう人もいる。
認められなかったから、自分を認められない人もいる。
自己肯定感が低い、の根っこには色々ある。
402
「自己肯定感が低いのは悪いこと」と捉えられるような情報が増え、「高めたい」という人が増えている。
自己肯定感は低くても生きていける。
一生懸命高くしようと無理しすぎたり、「低いのはダメ」という情報そのものが、「今の自分はダメ」という自己否定に繋がりあなたを苦しめていることもある。
403
404
困っている時にこそ、平気なふりをすることがある。
子どもの頃からそうだった人は「自分でやらなきゃ」を背負いやすい。
体調が悪い時にこそ、元気にふるまうこともある。
子どもの頃からそうだった人は「できてしまう」からこそ、疲れが蓄積してダウンしやすい。体調管理ができていないのとは違う。
405
「大人になってまだそんなこと言ってるの?」と呆れられることがあるかもしれないが、家庭環境は大人になっても影響を与える。
子どもが最初に所属する社会が「家族」。
家族の中の自分の在り方が、世の中に出た時の自分にリンクする。家族を信じられなければ、世の中の人も信じられなくなりやすい。
406
笑顔は素敵だし大切。
だけど不安が強いと、嫌われないために笑顔を使いすぎる。
自分の黒い感情を隠すために、笑う。失礼な事を言った相手を攻撃しないために、笑う。誰かをつなぎ留めておくために、笑う。悲しみや孤独を見せないために、笑う。
心を守るはずの笑顔で心が削られてしまう。
407
408
自分の気持ちを出すことに抵抗を感じる人がいる。
「私はこうしてほしい」「私はこう思う」と伝えられず、「どうしてあの人は」「○○してくれない」と心の中で葛藤する。
直接言えないからこそ、頭の中で戦い続けてしまう。だから疲れる。
自分の本音を言いにくい家庭環境で育つとそうなりやすい。
409
410
「誰とも話したくない」「誰にも会いたくない」と思うことがある。
そういう日もあるし、そういう日が続くこともある。
そう思うほど疲れていたり、傷ついているのかもしれないから、そういう時はどんどん一人の時間を作る。
そんな自分をダメだと思ったり、責めたり落ち込んだりする必要はない。
411
「もうちょっと頑張らないとね」という、何気ない一言に深く傷つくことがある。
「今のままではダメなんだ」「もっと頑張らないと自分に価値がない」と自己否定したり、「頑張れないと認めてもらえない」「頑張れない私はダメだ」と落ち込むこともある。
どう捉えるかは、過去の影響も大きい。
412
「もっと話を聞いて欲しい」「認めてほしい」「見てほしい」という気持ちを子どもの頃に言えたかどうかは、大人になった時に影響しやすい。
素直になれないのがダメなのではない。
でも、人間関係で「なぜか素直に言えない…」と悩んでいるなら、性格のせいではなく過去に原因があるのかもしれない。
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414
今の自分には、過去の出来事が繋がっている。
「自分が悪いから、自分がダメだからこうなった」と自責する人は多いが、実際には過去の色々な出来事が複雑に絡み合って『今』に至っている。
当時はそうするしかなかったり、実はあなたのせいではないことが、あなたが思っているよりたくさんある。
415
辛いできごとがあった人だけが、心に傷を負うわけではない。
不幸な家庭で育った人だけが、人間関係に苦しむわけではない。
他の人から見た時に「ささいな出来事や一言」が、本人の心を深く傷つけていることがある。
身近な人が「良かれと思って」言った言葉に、人知れず苦しむこともある。
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・どうせ何も変わらない
・何をしても無駄
頑張っても結果が出ないことを繰り返しているうちに、「挑戦しよう」という気持ちさえ出なくなり諦める(学習性無力感)ことがある。
結果がどうであれ頑張った過程を褒めてもらえたか、結果だけ重視されたのか…
過去が及ぼす影響は、想像以上に大きい。
418
優しい人、しっかりした人、頼りになる人……誰かが望む自分の姿を演じることがある。
その結果、誰かから認められれば嬉しいし安心できる。
だがそれと同時に、「相手が好きなのは本当の自分ではない」という不安や恐怖にも襲われる。
自分らしさを抑えて演じ続けるのは、とてもとても苦しい。
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「人を信用できない」と悩み苦しむ人がいる。
信用するメリットもデメリットもあるから「できないとダメ」なんてことはない。
だが、信用したいのに出来ないと悩むケースの大半は、子どもの頃に大人を信用出来ていない。
信用できない心に問題があるのではなく、「信用できない過去」を抱えている。
421
一生懸命伝えても、相手にわかってもらえないことがある。
あなたの伝え方が悪かったのではなく、「相手が受け取れなかった」だけなのかもしれない。
理解が及ばなかったり、育った環境や価値観、性格があまりに違いすぎることもある。
わかってもらえないのは、「あなたのせい」とは限らない。
422
「みんなと仲良く」という言葉に苦しめられる子がいる。
現実に「みんな仲良く」には、誰かの心の犠牲が伴う。だから本当は差別しないだけで十分。
だが真面目優しく責任感のある子ほど、嫌いでも苦手でも仲よくしようと無理しすぎる。嫌いだと思う自分が冷たい、ダメなのではと苦しむこともある。
423
「あなたのためを思って」「よかれと思って」とアドバイスされることがある。
心から納得できたなら、それはそれでいい。
だが「そうしたくない」と思う気持ちが少しでもあるなら、聞かなくていい。罪悪感も持たなくていい。
その人の思う「良い」が、必ずしもあなたにとって良いとは限らないから。
424
「質問されるのが苦手」という人がいる。
質問が自分への否定や、自分を責められているように感じることもある。
相手に自分を知ってほしいが、本当の自分を曝け出すのが怖いこともある。
周囲からの何気ない否定の積み重ねや、「私さえ我慢すれば」という日々の犠牲が隠されていることが多い。
425
うつ状態、痛み、ストレス性湿疹などの心身反応でさえ「甘え」「怠け」と自分を追い込んでしまう人がいる。
あの時に○○しなかったから、○○したから…と過去を遡り自責する。
実は甘えや怠けなんかではないが、どうしてもそう思えない。
弱音を吐くことを許されなかった過去の影響が、後を引く。