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「気にしなければいいじゃん」と言われることがある。
確かに、気にしなければ心は守られる。
だがそれは「もともと気にならない人」限定の話。
気になってしまう人は、無意識に周囲の情報を拾い集めてしまう。
色々気にしないために「気にしないでおく」工程が追加されるから、ますます疲れてしまう
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親からの連絡は、一瞬であなたを非力な子どもに引き戻す。
怖くなったり、反論できなかったり、苦しくなったり、断れなかったり…
幼少期の精神状態が蘇る。
実家を出ていても、結婚していても、精神的に成熟していても、親と離れていても、距離をとっていても...
そういうことは十分起こり得る。
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成功しても達成しても褒められても、自信を持てないことがある。
自らに課した高い基準をクリアできないと不安や焦りが募るが、クリアできでも「これくらいで調子に乗ってはいけない」と自分を制するため延々と満足感が得られない。
親に認められず、指摘されてばかりいた人が陥りやすい傾向の1つ。
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「自分の気持ちを大切にしていい」と言われた時。
ホッとする人もいれば、戸惑う人もいる。
ACに多いのは、後者。
これまで親や家族の気持ちを大切にすることを頑張ってきた人ほど、「自分の気持ちって?」と困る。誰といる時の、どの自分が「本来の自分」なのか分からないこともある。
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普段穏やかだが、ちょっとしたきっかけで攻撃的になってしまう人がいる。
子どもの頃から、自分を抑え込んでいる人に多い。
多くの場合そこに相手を傷つける意図はなく、防御の為にとっさに攻撃してしまう。
周囲の人間から無神経に干渉・詮索されたり、自分の内面を知られることに恐怖が出やすい。
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「自己肯定感が低い」と自分を責めてしまうACは多い。
自己肯定感は「どんな自分も、どんな気持ちもOK」と認める感覚。
だが子どもの頃からずっと「そんなんじゃダメ」と否定され、「言う通りにしなさい」と指示され続けたら、「どんな自分もOK」なんて思えなくなってしまう。
性格のせいではない。
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カッとなる、気分次第で怒る、喜怒哀楽が激しくなる干渉しすぎてしまう…
ふとした時に「自分と親が似ているのでは」と苦しくなる時がある。心の中に住む親の姿が、今の自分と重なってしまう。
大人になり、子どもの頃みた「毒親の姿」と自分が似てきた時、鏡を見ることさえ嫌になることもある。
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朝起きて「今日も生きてる。幸せ!」と感謝する人がいる。
一方で、「また朝がきた…」と辛い気持ちで包まれる人もいる。
「20年後○○する!」と未来に希望を持つ人がいる。
一方で、「あと20年も生きなきゃいけないのか…」と絶望することもある。
家庭環境という土台はそれほど大きな差を生む。
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<ACが抱えやすい気持ち>
・自分のせいで…
⇒我慢することで、家族の平和を保ってきた人に多い
・自分なんて…
⇒親に「ありのままの自分」を受け入れられてもれない事による無価値観
・恵まれていることへの罪悪感
⇒過干渉の場合に多い。嫉妬されることへの恐れ、どうせ理解されないという諦め
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・成功しても自信が持てない
・自分に価値がないように思う
誰でも一度は抱える悩みだが、ACの場合は「私なんて」が根っこに隠れている。だから考え続けてしまう。
理想的な環境で育った人は「考えすぎ」「真面目過ぎ」と一蹴するが、そうではない。
考えたくないのに、勝手に出てくるのだから。
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<パワハラの典型的な型>
1.身体的攻撃
2.精神的攻撃
3.人間関係の切り離し(仲間外し、無視)
4.過大要求(明らかにキャパオーバーの仕事、不要な業務の押し付け)
5.過小要求(仕事を与えない、能力や経験とかけ離れた仕事をさせる)
6.個の侵害(プライベートなことに立ち入ってくる)
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自分では気が付いていない人が多いが、過去に親から言われた言葉は無意識下で影響を与え続ける。
「私は○○だから…」と思う原因が、そこにあることも多い。
小学生の頃に繰り返し覚えた「かけ算の九九」が大人になってもスラスラ言えるように、『過去に繰り返し言われたこと』は影響を与え続ける。
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相手を好きでも感謝していても、自分に合わない考え方や合わない環境はある。
話し合えば分かる人もいるが、分かり合えない人もいる。話し合いにすらならない人もいる。
そこまで頑張らなくていいこともあるし、一人で頑張ってもどうにもならないこともある。
実はあなたのせいではないことが、ある。
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・自分の好きな事が分からない
・口に出せない(相手の反応が気になる)
・自分で考えて行動できない
・決断できない
「愛されて育ったはずなのに」「なぜか自分に自信が持てない」「親に本音が言えない」「家で気を遣っていて疲れる」など、ささいな違和感からACかも…と気がつくことがある。
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心を「コップ」に例えることがある。
コップに負の感情が溜まって溢れてしまう前に、休憩しよう、逃げようという。
でも優しいアダルトチルドレンの心は「スポンジ」のように、相手の攻撃も酷い言葉もいったん受け止めてしまう。コップと違って溢れないから、本人も周囲も限界が分かりにくい。
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困っている人に、吸い寄せられるように近づいてしまう人がいる。
助けなきゃという使命感・罪悪感に押しつぶされそうになる。疲れているから本当は関わりたくないと思いつつ、何もしない自分が冷たい人間のように感じて辛い。
子どもの頃から誰かを笑顔にしたり、助けようと頑張ってきた人に多い傾向。
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「あの時言い返せばよかった」
「あの人酷い」
このように後になって怒りが出ることがある。
その場で言い返せなかった自分を責めてしまうことがあるが、怒りを出すには『怒りを出しても安全な環境』という前提条件が必須。
当時は、怒りを出せるような安全な状況ではなかったのかもしれない。