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「どんな答えを求められているのか」と考えすぎてしまう人がいる。
子どもの頃、考えを否定された人ほどそうなりやすい。自分の考えや意見に自信が持てなくなり、「何なら話していいのか」と考えすぎてしまう。
自分のしたいことや本音を伝えることよりも、『相手が望んでいる正解』を必死に探す。
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アダルトチルドレンは、ちょっとした指摘を「自分への批判」と受け取りやすい。「どうしてそう思うの?」という質問が、自分への否定に聞こえてとっさに反発する事もある。
性格が捻くれているのではない。
批判されることの多かった幼少期がそうさせる。心を守るため、無意識に裏を読みすぎる。
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なんとなく「しんどい」と感じることがある。
朝起きた時、既に疲れていることもある。
そんな自分を責めてしまう人は多いが、むしろその逆。
本当は自分を労って良い。
なんとなくしんどいのは、それだけ気を遣い頭を使っているからだし、朝起きた時疲れているのは「それほど頑張っている」から。
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幼少期に愛された経験が、「うまくいく気がする」「大丈夫」という自信を生み出す。何か出来ても出来なくても、自分には価値があることを親が教えてくれる。
だがその経験が不足している場合、なぜかうまくいかない気がする。
「どうせ何も変わらない」と始める前から諦めてしまうのには理由がある。
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「もっと早く言ってくれれば」「どうしてここまで我慢したの?」と、他人から言われることがある。
でも実は、言わなかったのではなく「言えなかった」。本音を話せるような環境じゃなかった。
それに本当にしんどい時、人はしんどいことさえ気がつけない。何が辛くて何が嫌なのかも分からなくなる。
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何かあると、自分の責任だけを探して苦しくなることがある。
親に反論したものの、何十倍にもなって反撃された経験があるとそうなりやすい。悲しんだり不機嫌になった親の機嫌を取らなきゃいけない場合も同じ影響を及ぼす。
だからこんな大変な思いをするくらいなら「自分を責めた方が楽」に行きつく。
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「手の掛からないおとなしくていい子だった」と言われることがある。
大人からすれば「いい子」かもしれないが、子ども側は相当努力している。子どもらしいわがままを抑え我慢し、迷惑をかけない事で愛されようとする。
それなのに「この子は放っておいても大丈夫」と、ますます放っておかれてしまう
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目の前の人はあなたを責めていないのに、責められているように感じることがある。
目の前の人は好きだと言ってくれているのに、そんなわけないと思うこともある。
心の中で、過去の親とのやり取りが再生されているのかもしれない。
例えば親に責められ続ければ、人から責められるのが当たり前になる。
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自分の感情を抑え込んでしまう人がいる。
嫌なのに「そんなこと思っちゃダメ」と制し、辛くて泣きそうでも「平気」と言い聞かせ、不安で怖くても「気のせい」と誤魔化す。
子どもの頃、肯定より否定が多い環境で過ごすとそうなりやすい。
自分の感じた気持ちでさえ疑い、自己否定するようになる。
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考え方のベースは性格だけではなく、親子関係も影響しやすい。
子どもを褒めるタイプの親なら、子どもは自分を褒めるのが得意になる。
反対に子どもを責めるタイプの親なら、子どもは何かあると自責する。それは今までずっとそうしてきたから。
「私なんて」の根っこは、過去にあるのかもしれませんよ
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苦手な音(ため息・舌打ち・大きな物音)を出し続けられたり、「皆あなたを嫌っている」と嘘を吹き込んだり、「普通じゃない」「あなたはおかしい」という否定的な言葉を浴びせ続ける行為が精神的DVの一種『ガスライティング』
こんな事を日常的に受けていたら、どんな強い人も心が壊れてしまう。
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人は、無気力になることがある。
これまであまりに頑張ってきたり、「どうせ何も変わらなない」とこの先の未来に全く希望が持てなかったりすると、強制的に立ち止まって回復させるために無気力になることがある。
今はそのままで大丈夫。
使い果たした「前を向く気持ち」を回復している最中だから。
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アダルトチルドレンの「どれでもいいよ」は、適当なわけでも考えていないわけでもない。
むしろその逆。自分の意見を言うと否定されるかも、相手を傷つけてしまうかも…と考えた結果「どれでもいい」と言う。
ただし幼少期に自分の気持ちを抑えてきた場合、本当にどれが良いか分からないこともある。
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アダルトチルドレンは、自分の感情を表に出さない。押し込める。特にネガティブな感情は出してはいけない、と植え付けられている。
自分の腕をつねって涙を堪えたり、歯を食いしばったり(クレンチング症候群)、毛をプチプチ抜いたり、爪や皮膚をめくるなど、無意識の行動で抑え込むこともある。
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本音で話すのが苦手、という人がいる。
否定されるのが怖い、本当の自分を知って嫌われたくない、気持ちがうまく表現できない、どう思われるか心配、信用するのが怖い、親しくなると裏切られそう、そもそも本音が分からないこともある。
共通点は、本音を言いづらい家庭環境で育ったということ。
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やっと自分を受け止めてくれる人に出会えたのに、自ら関係を壊して後悔することがある。
ACの場合「こんないい人が私を好きなわけない」と疑ったり、「捨てられたら…」と怖くなる。「私よりいい人がいる」と申し訳なくなったりする。
「私なんて」と思わせる過去の影響が、恐怖や不安を増幅させる。
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ACは、心身に不調が出た時でさえ、自分を責めてしまう。
こんな事で傷つくなんて、弱い、気にし過ぎ、自己管理が出来ていない、人のせいにするな…
心と体に不調が出るほど耐えて頑張ってきたのに、過去に言われて辛かったはずの言葉を無意識に使い、自分を責め続けてしまう。それほど過去は根深い。
873
いつも頑張らない人がたまに頑張るだけで、褒められる。
でもいつも頑張ってきた人が、たった1回頑張るのをやめたら「なんでやらないの?」と呆れられ、「ちゃんとやれ!」と怒られてしまう。
だからいつも頑張っている人ほど、休むのが怖い。
周囲が与える無意識の圧力が「休めない理由」をつくる。
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毒親育ちは「自分を大切に」と学ぶべき時期に、「親を大切に」と学ぶ。直接言われなくても、親の態度から感じ取る。
それが大人になった時、「自分より他人を大切に」つながる。
心身の不調や痛みは、「自分が蔑ろになっているよ」と体が警告を発し、危険を知らせてくれているのかもしれない。
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自分軸で生きることは、自己中やワガママとは違う。
「私はこう思う」「私はこれが好き」という気持ちを大切にすること。
でもACは、「自分軸で生きる=自分中心でわがまま」と植え付けられている。
相手を喜ばせるためなら頑張れるのに、自分のためとなるとブレーキがかかる理由は、ここにある。