アダルトチルドレンの「どれでもいいよ」は、適当なわけでも考えていないわけでもない。 むしろその逆。自分の意見を言うと否定されるかも、相手を傷つけてしまうかも…と考えた結果「どれでもいい」と言う。 ただし幼少期に自分の気持ちを抑えてきた場合、本当にどれが良いか分からないこともある。
心身に不調が出た自分を責める必要は無い。 ACが抱える「必要とされ愛されたかった」という思いが強いほど、限界まで頑張ってしまうから。生きていていいと思える為に、ここに居ていいと安心する為に。 自己管理が出来ていなかったわけでも、自分に甘いわけでも、努力が足りなかったわけでもない。
依存されることもあれば、依存することもある。 ACは共依存の苦しみを知っているから、依存を極度に警戒する。 でも、相互依存というものもある。どちらか一方だけ頑張るのではなく、相互に弱さを見せて頼れる関係。お互い支えあえる関係。 依存=ダメ、と一人で頑張りすぎなくていいんだよ。
なぜか不安になったり、なぜか落ち着かなかったり、なぜか苦手だと感じることがある。 「なぜか」には、過去が関係していることが多い。 過去の嫌だったこと、傷ついた言葉、傷つけられたこと、苦手な人のタイプ、行動、しぐさ… これらが、『目の前の現実』とリンクして不安や恐怖を増幅させる。
自分の感情を抑え込んでしまう人がいる。 嫌なのに「そんなこと思っちゃダメ」と制し、辛くて泣きそうでも「平気」と言い聞かせ、不安で怖くても「気のせい」と誤魔化す。 子どもの頃、肯定より否定が多い環境で過ごすとそうなりやすい。 自分の感じた気持ちでさえ疑い、自己否定するようになる。
アダルトチルドレン+HSP気質だと、人がいるだけで緊張しやすい。 周囲の空気を読むセンサーが勝手に作動し、警戒から緊張状態になり全身に力が入る。それが家に帰ると一気に解放され、ドッと疲れが出る。 何でこんなに疲れるのかと落ち込むが、「疲れてしまうようなタスクをこなした」と思って良い。
「我慢しなくていい」と言われ、モヤッとする人がある。 誰かを反面教師に頑張っている場合、「我慢しなかったらアノ人と同じになる」と葛藤する。 今まで我慢して耐えてきた人は、「自分の人生を否定された」ように感じて心がザワつくこともある。傷つきを隠すために、とっさに反論することも多い。
明らかに理不尽なことで怒られた時。 「理不尽だった」「八つ当たりだ」と気づく人もいれば、「理不尽だけど私のせいだ」「怒らせてしまう私も悪い」と自分の落ち度を探す人もいる。 過去、自分が悪くないのに怒られた経験が多いほど後者の考えに陥りやすい。 実はあなたのせいではないことは、多い。
相手を好きでも感謝していても、自分に合わない考え方や合わない環境はある。 話し合えば分かる人もいるが、分かり合えない人もいる。話し合いにすらならない人もいる。 そこまで頑張らなくていいこともあるし、一人で頑張ってもどうにもならないこともある。 実はあなたのせいではないことが、ある。
アダルトチルドレンは、相手の反応を気にしすぎてしまう。 「考えすぎ」と指摘されることもあるが、考えなくて良ければどれだけ楽だろうということは、本人が一番痛感している。 子どもの頃に愛された実感がなかったり、ありのままの自分を否定された経験があるとそうなりやすい。性格のせいではない。
AC+HSPの場合、「察する能力の高さ+やらなきゃ」の両方に縛られる。 相手の求めることが分かるから「何をどうするべきか」五感のセンサーフル稼働で考える。無視できず疲労感が物凄い。 「相手を喜ばせなきゃ」という思いが強いと、ベストを尽くしても「これでよかったのか」と一人反省会で疲弊する。
大人になっても過去のトラウマに苦しめられる人は、とても多い。 例えば父親に恐怖を抱いていた場合、背格好の似た人を見ただけで動悸が激しくなったり、威圧的な男性が怖くなりやすい。 目の前のその人と「過去の誰か」がリンクして、過去の気持ちが「今の生きづらさ」にすり替わってしまう。
誰かに依存しすぎてしまう、と悩むことがある。 だが、依存をやめなきゃと思うと、脳の性質上ますます依存してしまう。ダイエット中に食べたくなったり、禁煙中に吸いたくなるのと同じように。 依存がダメと思わず、依存先を増やすといい。 そうすることで1カ所あたりの依存や負担は少なくなる。
自分の気持ちを出すことに抵抗を感じる人がいる。 「私はこうしてほしい」「私はこう思う」と伝えられず、「どうしてあの人は」「○○してくれない」と心の中で葛藤する。 直接言えないからこそ、頭の中で戦い続けてしまう。だから疲れる。 自分の本音を言いにくい家庭環境で育つとそうなりやすい。
家庭内のバランスをとるため、幼少期から頑張ってきた人は多い。 大人の愚痴を聞き、慰め励まし、ワガママを我慢し、期待に応えるため努力する。兄弟姉妹がいる場合、自分ばかり我慢して損をすることもある。 あなたの笑顔の裏に、とてつもないプレッシャーと悲しみが隠れていることを誰も知らない。
感情が、ジェットコースターのようにアップダウンすることがある。 気持ちがコロコロ変わるのは、決してダメなことではない。自分の気持ちに素直なだけだったり、臨機応変に対応しているともいえる。 だが、過去にそんな自分を否定された経験があると、自分がおかしいのではと苦しんでしまう。
ACが不意に感じるイライラは、性格のせいではないことが多い。 疲れているのに休めない、責任分担したいのに言えない、嫌なのに断れない…そのストレスが溜まりにたまってイライラする。 本当はそれほど耐えてきた自分を褒めて養っていいのだが、「皆は出来ているのに」と自分を責めてしまう。
健全な人間関係であれば、「相手の言っている事にも一理ある」「お互い様」と歩み寄ることで良い関係が保てる。 ただし一方的では成立しない。 あなただけが歩み寄るだけの関係性は、あなたの心身を疲弊させる。 特に支配的な人々は、「あなたが言うことを聞くのが当然」とさえ考えているのだから。
AC+HSPだと、人と一緒にいるだけで疲れる。 「早く帰りたい」と考える自分が冷たい人のように思えて嫌になることもあるが、そうではない。 楽しませなきゃという責任感、私なんか…という自信のなさや不安、さらには五感フル稼働で対応するから体力がもたないだけ。疲れるほど頑張ってるってこと。
不機嫌になって八つ当たりしたり、チクチク嫌味を言ったり、無視したり、怒鳴り散らしたり… 行動だけ見れば、あなたも「嫌いなあの人と同じ」と思う時があるかもしれません。 でも気づいて落ち込めるあなたは、その人と違う。全然違う。 あなたは気がついて、何とかしたいと思っているから。大丈夫。
今の自分には、過去の出来事が繋がっている。 「自分が悪いから、自分がダメだからこうなった」と自責する人は多いが、実際には過去の色々な出来事が複雑に絡み合って『今』に至っている。 当時はそうするしかなかったり、実はあなたのせいではないことが、あなたが思っているよりたくさんある。
自分の気持ちをぎゅっと押し込めて、 誰かを傷つけないようにすることがある。 笑顔にしようとすることがある。 認めてもらおうとすることもある。 押し込めたものが多いほど、我慢した期間が長いほど、その反動は大きくなる。 人が変わったように泣いたり怒ったり、時に感情が出なくなることもある。
アダルトチルドレンは、親と似た人を引き寄せ苦労しやすい。 親への対応力を磨いてきたから、そのような人に好かれやすい。親のような人もまた、あなたのような優しい人を探すのが上手い。本能レベルで近づいてくる。 なぜか放っておけない、断れないという人が「親の苦手な性格」に似ていたりする。
親のことは好きだが、心の底では「苦手」「嫌い」ということもある。 だが、子どもの頃は一緒に生活せざるをえない。 だから「苦手」「嫌い」を感じるセンサーを鈍らせ、麻痺させ、壊してしまうことがある。そうしなければ、毎日苦しすぎるから。 これは、大人になった時の人間関係にも影響を与える。
アダルトチルドレンは、本音を言わない。 正確には言わないのではなく、「言えない」「言わない方が良い」と悟っている。過去に誰かを悲しませたり、怒らせてしまったり、離れていったり、頭ごなしに否定された経験から言ったことを後悔しているから。 心を守るために「言わない」という選択をする。