未成年の子供に「文句があるなら出ていけ」という親がいる。 でも、出ていけるわけがない。住む所もお金も持たない子供にとって、この言葉は「生きていけない」を意味する。 だから自分が悪くなくても謝るか、親に従い言うことを聞く選択しか残っていない。 そうするしかなかったという心の傷は深い。
平和な時に限って、わざわざ不安な事を考えてしまう人がいる。 嫌な未来を想像したり、辛い過去を思い出したり「このあと嫌なことがあるかも」と警戒する。 幼少期にいつも不安だったり、親が過剰に干渉・心配ばかりする家庭だった場合にそうなりやすい。楽しさと不安が同時にやってくるから疲弊する。
もっと強くなれば、もっと綺麗になれば、もっと元気になれば、もっと賢くなれば『自分を好きになれる』と思うかもしれない。 でもそれだと、ずっと好きになれない。「もっと○○なら」は、終わることがない欲望だから。叶えても叶えても、不安が尽きない。 好きな所も嫌いな所も全部含めて、あなた。
「人を傷つけてはいけない」とは教わるが、「自分を傷つけてはいけない」とは教わらないことがある。 だが人を傷つけてはいけないのと同じで、自分も傷つけない方がいい。人が傷つくように、自分も傷つく。 傷ついた人を慰める優しさがあるならば、それを「傷ついた自分」にも向けていい。
人に嫌われたくない、見捨てられたくないという思いが強いほど、「いい人」にならなければと背負いやすい。 いい人でいるのが、ダメなのではない。 でも、あなたが今苦しいのなら「いい人」として頑張りすぎているのかもしれない。あなたの心や時間、体力がたくさん犠牲になっているのかもしれない。
「本当にしてほしい事や、本当に欲しいものが言えない」という人がいる。 ダメだった時の悲しみや絶望感を痛いほど知っている場合、そうまでして言おうと思わない。 これは高すぎる、今は忙しそう、これを選んでほしそう…と空気を読む。子どもの頃から無意識にそうしていた、という人が多い。
<ACが抱えやすい苦手意識の傾向> ・リラックスしたり休むのが苦手 例)何かしていないと不安 ・自分だけ楽しむことに罪悪感が出る 例)親の顔がよぎる ・予測不能な事態が極端に苦手 例)最悪のパターンを想定し不安になる ・考えは溢れてくるが実行にうつさない 例)人にどう思われるか気になる
・好きな人に近づけない ・初対面の人はわりと平気 ・親しくなると距離感に悩む ・親しくなるのに抵抗がある アダルトチルドレンが、このような悩みを抱えることがある。 「本当の自分は受け入れられない」という不安を抱えているとそうなりやすい。 親でさえ受け入れてくれないのに…と諦めてしまう
虐待だけが、機能不全家族なのではない。 愛のない冷たい家庭、子供を肯定しない家庭、親の期待が大きすぎる家庭、子供の容姿や体を否定する家庭、世間体ばかりで表面だけ良い家庭、秘密や隠し事のある家庭、親子の立場が逆転している家庭など、色々ある。 「これくらいで…」と思う必要は、全くない。
「親を悪く言うなんて」とあなたを責める人がいる。 その人は、親に与えてもらうはずの『心の土台』を自分で作らなければいけない悲しみや苦労を知らない。 親も苦労したのかもしれないし、かわいそうな人だったのかもしれない。だけどそれは親自身が向き合う問題。 辛かったことは、辛いと思っていい
アダルトチルドレンは「記憶」の扱いに苦しむ。 苦しかった時期の記憶が抜け落ちる人もいれば、反対に苦しかった記憶ばかり思い出されることもある。 覚えていたら辛すぎる記憶を「なかったこと」にしたり、再び苦しみを繰り返さないよう「あえて忘れない」ことがある。 どちらも心を守る防衛機制。
誰かを見て、モヤッとすることがある。 ツイートを見て、イラッとすることもある。 イライラやモヤモヤの内側には、「自分の悩み」が隠れていることが多い。 「してはいけない」「こんなのはダメ」とあなたが日々気を付けていることを他人がしていたり、過去のトラウマと紐づく時に、感情は動く。
<ACが抱えやすいプレッシャー> ・強くならなきゃ ※弱い自分はダメ ・完璧にやらなきゃ ※能力=自分の存在価値になりやすい ・早くしなきゃ ※いつも急き立てられる感覚がある ・頑張らなきゃ ※限界を超え倒れるまで休めない ・喜ばせなきゃ ※自分一人だけ楽しむのが苦手。皆が笑顔だと安心
転んだ時に、絆創膏を使うのがムダではないように。 風邪の時に、風邪薬を飲むのが甘えではないように。 頭痛の時に、頭痛薬を飲むのがワガママではないように。 落ち込んでいる時に「ちょっぴりイイモノ」を食べたり飲んだりして元気になるのは、甘えでもワガママでもありません。 必要なこと。
<ACが抱えやすい心の葛藤> ・誰にも受け入れてもらえないと諦めるが、一方で親しくなりたいと願う ・自分なんて...と劣等感を持ちながら、一方で優れていなくてはダメだと自責する ・私なんて愛される価値がないと思いながら、一方で愛されないことに不満や悲しみを抱く  ※妙に安心することもある
毒親育ちは、親の毒に気がついてからの方が苦しい。 愛情だと思い込んで心を麻痺させていたのに、毒だと知ると苦しくなる。怒りが出ることも多い。 愛されていないのでは、必要とされていないのではという不安が膨らみすぎて、「考えすぎかも」「もっと酷い人がいる」と辛い心に蓋をすることもある。
ネガティブなことは考えない方が良い。 確かにそうだけど、考えちゃうよね。 人と比べない方が良い。 それが出来たらいいけど、やっぱり比べちゃうこともあります。 自分を大切にと言われても、よく分かんないかもしれません。 それはそれでいいんですよ。 「なんで私は…」と自分を責めないでね。
「あんなふうになりたくない!」と思っている人と、同じような行動・言動をしてしまうことが誰にでもあります。 でもあなたが気が付けた時点で、その人とは違うんですよ。その人は、気がついてもいないはずだから。気が付いて、変えようなんて思っていないはずだから。 気付けたあなたなら、大丈夫。
モラハラ被害者が「私も加害者なのでは…」と悩むことがあるが、多くの場合そうではない。そもそも加害者になる人は「加害者かも」と悩まないから。 加害者となる人は、相手の立場に立って考えるという視点がない。だから、人の心を土足で踏みにじる。 同じなのでは、と悩める時点であなたは違う。
「しなきゃダメ、本当はしたくない」 「やってみたい、だけど無理」 このような葛藤を抱えると、相反する気持ちが綱引きするように身動きが取れなくなる。 物理的に何も行動していなくても、寝ているだけだとしても、四六時中考え続けると心は疲れていく。 慢性的な疲れは甘えじゃない。理由がある。
暴力やネグレクト、酷い言葉を浴びせられた人だけがアダルトチルドレンになるのではない。家庭内がいつもピリピリしていたり、親の態度から「愛されていない」「私なんていなくてもいいんだ」と感じ取る場合も同様の傷を負う。 まだマシ、もっと酷い人がいる、これくらいで…と思う必要は全くない。
ACというだけで、様々な心身反応や精神疾患の引き金になりやすい。 本当に必要なのは今の自分を認めて心と体を休ませることだが、根性のある人ほど「まだ平気」「まだ耐えらえる」と一人で背負い、努力家な人ほど「どうすれば良くなるか」「何をすれば楽になるか」とさらに頑張ろうとしてしまう。
人を信じて頼れない、と悩むアダルトチルドレンは多い。 認めてくれるに違いない、分かってくれたはずだ、もうしないだろう、変わってくれると信じてみよう… 子どもの頃、このような期待を何度も裏切られてきたことが影響している。 信じたいし頼りたいのに、過去の嫌な経験がブレーキをかける。
人が嫌になることがある。 誰の話も聞きなくなくなることがある。 誰にも優しくできなくなることがある。 いつも頑張っている人ほど、急にそうなりやすい。 性格が悪くなったとかそういうことではないから、ひとりでゆっくり休んでみる。 明日でもいいことを1つ、明日に回して休んでみる。
「気にしすぎ」と言われても、気になるよね。 「大丈夫」と言われても、不安だよね。 「考えすぎ」と言われても、考えちゃうんだよね。 誰にもわかってもらえなくて、辛くなる日もあると思う。 そんな日は、自分で自分に「あるある。そうだよね」「そう思って良いんだよ」と声をかけてみる。