576
勇気を出し、過去の苦しみを打ち明けた時。
親から「いつまでそんなこと言ってるの」と呆れられることがある。「大人になったら?」「親にも事情があったんだよ」と、周囲が親の味方に付くことも多い。
でも、自分を責める必要はない。大人になっても影響するような出来事があったのだと思って良い。
577
家庭内で「怒り憎しみ悲しみ」を出せず、内側に抱えたまま成長することがある。
でも抱えるにも限界がある。ある日突然、抑圧された感情が溢れる。いつもイライラするようになる。
これらの感情を表に出せない場合、「そもそも感じない」ようになることもある。自分がよく分からない、につながる。
578
みんなと協力して、わいわい話しながら「何か」を作るのが得意な人がいる。
1人でコツコツと、自分なりのペースで「何か」を作るのが得意な人もいる。
「みんな一緒」が良いとされる日本では、後者のタイプは苦労する。自分らしく生きようとするだけで周囲から批判され、次第に自分を出せなくなる。
579
アダルトチルドレンは、大事な場面で泣いてしまうことがある。
「泣けば済むと思って」「すぐ泣く」と涙を武器にしていると勘違いされやすいが、泣きたくて泣いているのではない。
気持ちを否定された過去、さらには本音の抑圧期間が長ければ長いほど勝手に涙が溢れる。
故に物凄く悔しい思いをする。
580
断われない、他人優先、人との距離感に悩む…
ACと、そうではない人が抱える悩みは同じものが多い。
でもその傷の深さが全然違う。
ありのままの自分を受け止めてもらう時期に親を受け止め、自分を大切にすべき時期に親を優先し、「与えられるはずのものを自分で身に着けていく」過程はあまりに重い。
581
582
理想の親子関係は『肯定』から生まれる。
初めて出会う人間(親)から肯定されることで、子どもは自分を肯定する方法を知る。「ありのままで生きている価値がある」と自分自身を肯定できるようになる。
でもACの場合、子どもが親を肯定しなければいけない。
自己肯定感が低くなる理由は、ここにある。
583
ドアを乱暴に閉めたり、大きなもの音を立てたり、ドン!と荷物を置いたりされることがある。
理想的な家庭で育った大人なら、「何か嫌なことがあったのだろう」と思える。
でもACは、子どもの頃から「親が怒っているのは私のせいかも…」と自分の原因を探してきた。このクセが大人になっても残る。
584
親に遠慮して生きてきたACが、大人になって人間関係を自ら壊し後悔することがある。
相手を好きで理解したいし、大切にしてずっと一緒にいたいのに、感情的に攻撃してしまい自己嫌悪に陥る。
「好き」の言葉を信じられず、愛が分からず苦しみ、大切な存在がいつか自分から去っていく恐怖を感じる。
585
馴染みのある言葉は、受け取りやすい。
子どもの頃に「誉め言葉」をたくさん受け取った人は、大人になっても誉め言葉を信じることができる。
だが子どもの頃、「否定」をたくさん受け取った人は、大人になっても同じような言葉を全力で受け止めてしまう。
100の誉め言葉より、1の否定が心を蝕む。
586
怒っている自分が嫌になったり、イライラ続きで苦しくなった時は、相手ではなく『怒っている自分』を許してあげて。
怒りの状態が苦しいのは、怒る事に罪悪感を持っているから。嫌いなアノ人がよぎったり、自分が嫌な奴に思えるから。
「怒るほどのことがあったんだ」、と一旦受けとめてみてほしい。
587
ACかも?毒親かも?機能不全家族なのかも…
気付いて調べ出すと、もっと酷い環境で生きてきた人を知り「私は大したことない」「もっと酷い人がいる」と思う事がある。明らかな虐待を受けてないとそう感じやすい。
でもその思考こそが影響の1つ。生きづらさの原因。
心の傷は目に見えないだけ。
588
アダルトチルドレンは、自分には価値がないと感じる『無価値観』を抱えやすい。誰かに認めてもらう為、足りない価値を何かで補わなければと思う(補償行為)。
「生きていていい」「ここにいていい」と実感する為でもあるから、疲れてもしんどくても「やらなきゃ」と自分を追い込んでしまいやすい。
589
「自己肯定感が低いのは悪いこと」と捉えられるような情報が増え、「高めたい」という人が増えている。
自己肯定感は低くても生きていける。
一生懸命高くしようと無理しすぎたり、「低いのはダメ」という情報そのものが、「今の自分はダメ」という自己否定に繋がりあなたを苦しめていることもある。
590
家族の中で疎外感を感じていたり、兄弟姉妹の方が大切にされていると感じたり、いつも誰かと比較されていたり、家庭環境が「私なんて」に繋がってしまう。
転んだ時に笑われた、給食を全部食べられず辛かった、友達に悪口を言われたなど、子どもの頃の嫌な記憶が「私なんて」に繋がることもある。
591
何か決める時。
「どれでもいいよ」と相手に譲り、「ちゃんと考えて」と相手を怒らせてしまうことがある。
でもACの場合、「どれでもいい=何も考えていない」のではない。相手が何を選んでほしいか、どう思うか、どれを選ぶべきか、ベストは何か…考え抜いた結果「どれでもいい」に至ることがある
592
<ACが抱えやすい心身反応>
・頭痛
⇒ずっとそうだからそれが当たり前という人も
・肩こり
⇒首の裏が慢性的にパンパン
・歯の食いしばり
⇒ストレスから無意識に。とにかく顎が疲れる
・皮膚炎
⇒アトピー、一時的に出る蕁麻疹等
・自律神経の乱れ
⇒うつ症状、過呼吸、神経性胃炎など
593
「こんな私だけど愛してくれる?」と試し行動をとることがある。
「こんな私を好きなわけがない」「いつか離れる」と不安を感じ、自ら関係を断つことがある。
心の内側では「こんな私も含めて受け止めてほしい」と願うが、「家族でさえ受け入れてくれなかったのに」という思いがブレーキをかける。
594
断われない、本音が言えないと悩むことがある。
そうではない側の人から、「嫌なら言えばいい」「やらなければいい」と簡単に言われることがある。
だが本人だって、わざわざ我慢を選んでいるわけではない。
子どもの頃からそのような立場にならざるを得なかったから、やむを得ずそうなっている。
595
無視されていなくても、無視されたと思う。
愛されていても、愛されている実感がもてない。
注意されると、否定されたようで苦しい。
「私は誰からも必要とされていないのでは…」という不安を抱えているとこのように感じやすい。
これはあなたの性格のせいではなく、幼少期の心の傷がもたらす不安。
596
アダルトチルドレンの「まだ大丈夫」は、理想的な環境で育った人の「もう無理」「もう限界」と同等。
だから「まだ平気」と思って頑張り続けると、伸びきったゴムがブツッ!とちぎれるように急に限界がくる。
「私なんて…」という思いを抱えている場合は、倒れてもなお自分責めてしまう傾向が強い。
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何も出来なくて辛い、と思うことがある。
そんな時に「何なら出来るか」は考えなくていい。
何もできないのは「今は休め!」という体からの緊急命令だから。辛い環境で心がマヒしたあなたに体が教えている。
「何もできない⇒何もしたくない」になるまでまず休む。次に「何かしたい」が出てくるから
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「朝起きた時からしんどい」という人がいる。
何もしていないのに既に疲れている。気がついたら夕方で、落ち込む事もある。
これは身体ではなく「心(脳)」が疲れている状態。これ以上無理しないように、脳が行動をストップさせる。一種の防衛反応。
やる気の問題ではなく、動きたいけど動けない状態
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・丁寧に過ごす
・自分磨きをする
・自分時間を楽しむ
悩んでいる時、このようなアドバイスされることがある。
これらは気持ちの切り替えに効果的だが、辛くてどうしようもない時は『そんなの無理』。
そんな自分に落ち込む必要は無いし「それだけ辛いんだ」と思っていい。何もしないが必要な時もある
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・どうせ何も変わらない
・何をしても無駄
頑張っても結果が出ないことを繰り返しているうちに、「挑戦しよう」という気持ちさえ出なくなり諦める(学習性無力感)ことがある。
結果がどうであれ頑張った過程を褒めてもらえたか、結果だけ重視されたのか…
過去が及ぼす影響は、想像以上に大きい。