過食症、拒食症、パニック症状、うつ状態、性依存、アルコール依存症、不眠、過眠… これらの精神身体的症状は、幼少期の虐待経験が引き金になりやすい。 殴る蹴るだけが虐待ではない。 人格否定的な態度、傷つける言動、本人の自由を奪うようなコントロールなどの心理的なものも同様に影響を及ぼす。
<ACが抱えやすいプレッシャー> ・強くならなきゃ ※弱い自分はダメ ・完璧にやらなきゃ ※能力=自分の存在価値になりやすい ・早くしなきゃ ※いつも急き立てられる感覚がある ・頑張らなきゃ ※限界を超え倒れるまで休めない ・喜ばせなきゃ ※自分一人だけ楽しむのが苦手。皆が笑顔だと安心
HSP+ACだと、人生ハードモードになりやすい。 何かを感じ共感する気質に、「○○しなきゃ」「○○しちゃダメ」という強制的な焦りが加わるから。過去の辛い経験を背負っていると、トラウマが加わり恐怖も生まれる。 でも周りはその葛藤に気がつかない。むしろ悩みがなさそうに見えていることが多い。
喧嘩や争い大声が苦手という人は多いが、アダルトチルドレンの場合は「苦手を通り越して恐怖」さえ感じる。 だからその場を和ませようと焦る。相手の機嫌を直そう、これ以上怒らせてはいけない…と何かに追い立てられる。自分が悪くないのに謝ったりする。 共通点は、争いの多い家庭環境だったこと。
甘えたい時期に甘えられなかったり、助けてほしい時期に自分で頑張らなきゃいけなかったり『背伸びした自分』を演じることがある。 反対に親から子ども扱いされ過ぎ、手出しされ過ぎると自立にブレーキがかかる。 いずれも、親の求める自分を演じた経験は「自分らしさが分からない」に繋がりやすい。
HSP気質があるととにかく疲れやすい。 勝手に『察するセンサー』が作動、しかも入ってくる情報量は膨大、入ってきた情報を処理しつつベストを探すから、エネルギーを使いすぎて疲弊する。 気にしすぎでも、考えすぎでも、体力がないのでもなく、疲れて当然のタスクを日々無意識にこなしている。
「あんな風になりたくない!」と思っている人と同じような行動や言動をしてしまうことが、誰にでもある。気がついた時、ショックを感じるかもしれない。 でも気付けた時点で、その人とは違う。ショックを受けたのは、気を付けていたからこそ。 現時点で、その人と同じではないよ。大丈夫。
アダルトチルドレンは、人との距離感に悩む。 期待して傷ついた過去があると、基本的に近づかない。でも心を許すと一気に近づく。本当は誰かに受け入れてほしいという思いが溢れ、自分を曝け出しすぎて相手が離れてしまう事もある。見捨てられる不安や恐怖から、一方的に自ら関係を断つこともある。
ACは、いい所を伸ばすより悪い所を直そうと頑張る傾向がある。 「いい所なんてない」「悪い所を直さないと誰も好きになってくれない」と思い込んでいることもある。 どれだけ他人に褒められても、一番身近な親に褒められた経験がないとなかなか自分に自信がもてない。それほど親は影響を及ぼす。
<アダルトチルドレンが苦手な状況> ・親の連絡をスルー(何十件と着信が残る恐怖や罪悪感) ・親の意見にNOを言う(悲しませる、怒られる、否定される) ・相手がつまらなさそう(自分なんて…) ・自分一人だけ楽しむ(うしろめたさ、申し訳なさ) ・誰かが不機嫌な時(自分のせいかなと思う)
すぐ不安になってしまう、と悩むことがある。 理想的な環境で育てば、自己啓発本で示されるような方法(不安の9割は現実に起こらない、大丈夫と唱える)などで不安が解消できる。 だが親から「大丈夫」の安心感を貰っていない場合、それが難しい。 助けてほしい時に助けてもらえなかった傷は深い。
優しくされると嬉しいと感じ、安心する人がいる。 その一方で、「何故私なんかに?」と警戒する人もいる。怖くなって、相手を拒否することもある。 子どもの頃から大人に期待し裏切られ、それでも期待して、やっぱりダメで…という繰り返しが続くと「期待しない方が良い」と壁を作って心を守る。
会社に行けない辛さもあるが、 精神的に限界なのに「会社に行けば動けてしまう」からこその辛さもある。 動けない苦しさもあるが、 肉体的に限界なのに「やらなきゃ」と動けてしまうからこその苦しさもある。 どちらも周囲に理解されにくいからこそ、辛いし苦しい。
指摘だけでなく、質問やアドバイスでさえ拒否反応が出る人がいる。 幼少期に大人から支配され続けると、他人から受ける支配に似たものに過剰反応する。 とっさに反撃してしまう人もいれば、後になって「ああいえば良かった」「あの言い方はなかったんじゃない?」とジワジワと不満が出ることもある。
「これくらいで仕事を休んじゃいけない」と追い込まれ、苦しむ人が増えている。 行けないのも辛いが、行けるからこそ辛いこともある。 行ったら行ったでそれなりにやり過ごせてしまうから、疲れが取れない。 「限界が来る前に休んでいい」と幼少期に教えられていない場合、行けなくなるまで休めない。
「本音」を別の感情で覆い隠してしまう事がある。 怒りの代わりに悲しみ、恐れの代わりに怒り、傷つきの代わりに無感覚などを使う。 「自分の気持ちがよく分からない」人は、子どもの頃に家庭で自分を抑え込んで迷惑をかけないよう努力してきた人。 怒りや嫉妬など、特定の感情が出にくい人もいる。
<アダルトチルドレンが抱えやすい悩み> ・決められない ・人に褒められても、自分では納得できない ・物、人、言葉に過敏に反応する ・人目がとても気になる(気になって仕方ない状態) ・対人関係で酷く疲れる ・自信がもてない ・どんなに頑張っても十分ではないという『不全感』が強い
大人を信じられず頼れないような環境で育つと、一人で悩みを抱えこみやすい。 頼ることは迷惑、相談したら負担になる、頼っちゃいけない、相手が離れていくかも、裏切られるかも、どうせ理解されないし傷つくだけ、親でさえ分かってくれないのに…と警戒する。 実は、頼れないというより「頼らない」
無理と頑張るの境目が分からない人へ 1つでも当てはまれば、頑張り過ぎ&心が限界に近いサイン。 <目安> ・朝起きて既に疲れている ・思考力が下がる ・心から笑えなくなる ・涙が急に出てくる ・悲しいのに泣けなくなる ・眠れなくなる ・いつもより優しく出来ない ・何が辛いか分からない
アダルトチルドレンは、相手を「好きか嫌いか」より、相手に「好かれているか嫌われているか」で判断してしまう。 幼少期からワガママを抑えてきた人は、「好きか嫌いか」さえ分からなくなる。「根はいい人…」と好きになろうとする。 迷ったら「自分を大切にしてくれるかどうか」で判断してほしい。
拒絶される不安が強いと、自分はどう思うかより「相手にどう思われるか」という視点が優先される。大切な人に拒絶される辛さを知っているから、そうまでして自分を出そうと思わない。 子どもの頃から他者を優先してきた場合、自分がどう思うかさえ分からないこともある。無意識に自分を後回しにする。
アダルトチルドレンは自分を過小評価しやすい。 何か達成しても「これくらい出来て当然」と調子に乗らないよう自分を制する。出来ない事があると「皆は出来るのに…」と自分を責める。評価されても「上には上がいる」と自分を制する。 幼少期、褒められるより指摘される方が多いとそうなりやすい。
「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」という言葉がある。 その通りだが、あなたがどれだけ頑張っても辛いままなら、その環境・その人がストレスの原因なのかも。 あなたを悩ませるその人は、あなたの為に変わろうとしてくれますか? 違うなら、その人の為に自分を変えなくていいんですよ。
「無理」「わかりません」「助けて」が言えない、と悩む人が増えている。 無理と言うと迷惑をかける、分からないと言うと呆れられる、助けてもらう前に一人で出来ることをやらなきゃ…と背負いすぎる。 「役に立たなきゃ価値がない」という不安を抱えている場合は、休むことへの恐怖も加わる。
「過去は変えられない」「忘れて前に進むべき」と、他人から余計なアドバイスをされて落ち込むことがある。 そんなこと、本人が一番よく分かっている。 忘れられたら、なかった事にできたら、どれだけ楽だろうかと… 自分を責める必要は全くない。それが出来ないほど、深い心の傷なんだと思って良い。