後になって、怒りや悲しみが溢れ出ることがある。 もっと早く気付けばよかったと、後悔することもある。 だが、あまりに過酷な状況にいる時、人は正常な判断ができなくなる。その環境でやっていくために、これ以上傷つかないように思考を停止させることもある。 過去のあなたは、十分よくやったはず。
「ありのままの自分には価値がない」と感じるのが、無価値観。 無価値観が強いと、心から楽しんだり喜んだりするのが苦手になる。平和な時や幸せな時に限って、不安な事を考える。 無意識に、価値がない自分にはこれくらいがちょうどいいと思ってしまう。 この無価値観は、幼少期に刷り込まれやすい。
・自分の好きな事が分からない ・口に出せない(相手の反応が気になる) ・自分で考えて行動できない ・決断できない 「愛されて育ったはずなのに」「なぜか自分に自信が持てない」「親に本音が言えない」「家で気を遣っていて疲れる」など、ささいな違和感からACかも…と気がつくことがある。
自分を見て認めて、愛してもらえるような環境にいれば、心は安定しやすい。 反対に自分を見てもらえず、認めてもらえず、感心を持たれていないような環境にいれば、誰でも心が不安定になる。 あなたの性格や努力不足で、そうなっているのではない。
人との距離感に、とても悩む人がいる。 自由に気持ちを言い、好きなものを選んで、とことん失敗して、それでも受け止めてもらえる安心感を学ぶべき幼少期に、『大人の顔色を見て行動しなければいけなかった』人に多い傾向。 自己肯定感の低さから、「産まれてきてごめんなさい」と思うこともある。
アダルトチルドレンは幸せな時より、不幸な時にホッとしやすい。子どもの頃から認められず、怒られて悲しくて辛いのが当たり前だったから。 脳は変化を嫌うから上手くいくと落ち着かなかったり、褒められて怖くなったり、幸せな時に急に不安になったりする。
無視されていなくても、無視されたと思う。 愛されていても、愛されている実感がもてない。 注意されると、否定されたようで苦しい。 「私は誰からも必要とされていないのでは…」という不安を抱えているとこのように感じやすい。 これはあなたの性格のせいではなく、幼少期の心の傷がもたらす不安。
ほどほどが難しい、分からないと悩む人が増えている。 「こんなことで無理と言っていいのか…」と自分自身に許可を出せなかったり、無理をしないことが「無理」な人も多い。 子どもの頃から頑張るのがデフォルトだと、どこから無理なのか分からず、どれくらい辛くなったら無理と言っていいのか悩む。
「ACは環境のせいにして逃げているのでは」という人がいるが、「ありのままの自分を肯定される環境」で成長した人と、「親の意に沿わなければ否定される環境」で成長した人では、スタートラインが全然違う。 知って認めることは逃げではなく、自分のせいではないことを知り、楽に生きるための第一歩。
自分のしたいことよりも、「相手がどう思うか」が判断基準になる人がいる。 否定が多い環境で育つと、従う方が心が傷つかないと考えやすい。 褒められる経験が少ないと、認められたいという気持ちが強くなる。 失敗が許されない環境で育った場合、「あの言い方はよくなかった」と後悔し自責しやすい。
理想的な環境で育った人は、「まだそんなこと言ってるの?」と言うかもしれない。 でも、大人になってまで影響を与えるのが家庭環境。 子どもが最初に所属する社会が、家族。 家族の中の自分の在り方が、世の中に出た時の自分にリンクする。家族を信じられなければ、世の中の人を信じられなくなる。
幼少期の影響は、大人になって顕著に表れる。 親の顔色を窺ってきた人は、周囲の顔色を敏感に窺うようになる。 親を怒らせないようにしてきた人は、周囲を怒らせないようとにかく気を遣う。 親を喜ばせようとしてきた人は、何よりも周囲を喜ばせる事を大切にする。 過去は無意識に影響を与え続ける。
<アダルトチルドレンが抱えやすい悩み> ・相手の機嫌を常に伺う ・他人の機嫌に不安・恐怖を感じる ・相手を信じきれない ・滅多に頼れない ・ふいに一方的に関係を断つ ・尽くしすぎ、反対に束縛しすぎ ・相手との距離感が分からない ・嫌われないために神経をすり減らす ・自分の気持ちを言えない
褒められても認められても好きだと言われても、そのままでいいと言われても「そう思えない」ことがある。 バケツの底が抜けているようなもので、どれだけ肯定されても抜け落ちてしまう。 あなたの何かが足りないから「そう思えない」のではなく、そう思えないような環境で育ってきた可能性がある。
小さい頃から「したいこと」を親に言えなかったり、「好きなこと」を言って否定された経験があまりに多いと、したいことも好きなことも分からなくなる。 子どもの頃に「したい」「好き」が1つでもあったなら、過去にそうなったきっかけがあるだけで、あなたの性格や思考に欠陥があるわけではない。
<ACが抱えやすい心身反応> ・頭痛  ⇒ずっとそうだからそれが当たり前という人も ・肩こり  ⇒首の裏が慢性的にパンパン ・歯の食いしばり  ⇒ストレスから無意識に。とにかく顎が疲れる ・皮膚炎  ⇒アトピー、一時的に出る蕁麻疹等 ・自律神経の乱れ  ⇒うつ症状、過呼吸、神経性胃炎など
幼少期に言われた「あなたは○○」という否定言葉は、未来の行動に影響を与える。 特に親など「誰よりも自分を認めてほしい人」からの否定は、行動や決断に自信が持てなくなることに繋がりやすい。 嫌われる、失敗する、できない…と嫌なイメージばかり浮かぶ。出来ても褒められても自信がもてない。
・好きな人に近づけない ・初対面の人はわりと平気 ・親しくなると距離感に悩む ・親しくなるのに抵抗がある このような悩みを抱えるACは多い。 「ありのままの自分は受け入れられない」という不安を抱えている人ほどそうなりやすい。家族でさえ受け入れてくれないのに…と諦めてしまうこともある。
体が疲れていたり心が弱っている時には、いつもの数倍傷つきやすくなる。何倍も落ち込みやすくなる。 誰かの一言に傷ついた時に自分を責めそうになったら、自分が疲れていないか確認する。 あなたがダメだからそれほど落ち込むのではなく、疲れすぎているのかもしれない。そんな時は、まず休む。
「職場に行くのが辛いのに、職場につくといつも通り動けてしまう」というACは多い。特に「笑顔で頑張るAC」はこの辛さが周囲に理解されにくく、孤独を感じる。家に帰って、一気に疲れが溢れ出る。 動けず仕事に行けないのはとても辛いが、もう限界なのに動けてしまうのも辛い。どちらも苦しい。
平気と「無理」のラインが分からないと悩む人が増えている。 頑張るのは素敵だが、頑張りすぎてしまう。 親に認めてもらえなかったのに、ほどほどで他人が認めてくれるわけがないと思う。全力で努力してきた人ほど「ほどほど」が分からず疲弊する。 頑張り続けてきた人は、休むのも怖くなる。
「何もしていないのに、疲れた」と落ち込むことがある。 でも行動だけが『疲れ』に繋がるわけではない。 寝ていたとしても、やらなきゃいけないことが出来なくても、ボーッとしていても、スマホを見ていただけでも疲れることはある。 不安や考えごとがあると、行動する以上にエネルギーを使うから。
遊びに行きたいけど、家にいたい。 一人になりたいけど、誰かに傍にいてほしい。 仲良くなりたいけど、自分のことを知られるのが怖い。 両価性(1つの物事に相反する2つの感情を同時に抱く)が強く出ることがある。 本人もどうしたらいいか分からず、大きなストレスを抱えてしまう。
当時の「辛い気持ち」を抑え込んだまま大人になると、当時の気持ちが「冷凍保存」されたような状態になる。 ずっとそのままならいいが、ふとした時に解凍され当時の感覚が生々しく蘇る。 すると目の前の人と「過去に傷つけた人(出来事)」が心の中で重り、「信じない方が良い!」と警戒してしまう。
しんどい時こそ笑顔を見せ、疲れて限界でも平気なふりをして、自分の状態を周囲に見せないようにする。 子どもの頃からそうやって頑張ってきた人ほど、できてしまう。 心配かけないように、迷惑かけないように、弱いと思われないように、つけこまれないように…本当の自分を隠すことで守ることもある