もう何もしたくないと思ったり、誰にも会いたくないと思ったり、全部どうでもよくなったり、何もかも捨ててしまいたくなることがある。 他人から見れば些細なきっかけのことも多い。 だが過去に抑え込んだものが多いほど、自分の本音を誤魔化した回数が多いほど、この状態から抜け出すのが難しい。
話さなくても分かる相手と、話せば分かる相手がいる。 一番厄介なのは、話しても分かり合えない相手。 最後まで話を聞かず、問題をすり替え、揚げ足をとり、都合よく解釈する。 親がこのタイプの場合、子供は周囲に理解されず辛い。 「話せば分かるはず」「話し合った?」とアドバイスされて苦しむ。
アダルトチルドレンは、相手を怒らせず悲しませないように頑張る。 相手が笑顔だとホッとする。ここに居ても良いと思えるから。誰かを大切にするのは素敵。でもその為に自分を抑え続けると、ストレスが心身反応となって現れる。 あなたが弱いのではない。 不調が出るまで耐えたのだから、むしろ強い。
親が、子どもをからかったり馬鹿にした時に「冗談だ」ということがある。「お前のためを思って」「こんなこと親くらいしか言ってくれない」と正当化することもある。 だがこれらは子どもにとって、デメリットでしかない。 冗談だからと我慢したり、事実だからと酷い言葉を受け入れる必要はない。
理想的な環境で育つと、「自分は存在しているだけでいい」という感覚を幼少期に与えられる。 でもACは同時期に、大人たちを気遣うことや喜ばせることを教えられる。頑張ることで認められてきた場合は、頑張るのを辞めるのが怖い。 「○○出来ないと自分に価値がない」と思い、追い込んでしまう。
問題が起こると「私、何かしたかな!?」と焦る人がいる。 子どもの頃になんでも自分のせいにされた経験から、「悪い事=自分のせい」と心のどこかで思い込んでいる。他人の失敗でさえ、やらかしたかも…と不安になる。 自分に責任がないと分かっていても何かしなきゃと心が焦り、落ち着かない。
褒められて喜べない、と悩む人がいる。 容姿、成績、仕草、言葉遣い、性格など、子どもの頃に親から否定されたことを褒められると拒否反応が出やすい。「そんなわけない」と受けとめられない。 幼少期に滅多に褒められないと「こんなことで褒めるなんて」という相手への不信・嫌悪を抱くこともある。
アダルトチルドレンは、ちょっとした指摘を「自分への批判」と受け取りやすい。「どうしてそう思うの?」という質問が、自分への否定に聞こえてとっさに反発する事もある。 性格が捻くれているのではない。 批判されることの多かった幼少期がそうさせる。心を守るため、無意識に裏を読みすぎる。
「私ばっかりやってる!」とイライラすることがある。 察するのが得意で、先回りできてしまう人が抱えやすい悩み。できることを「やらない」のは苦しい。 子どもの頃から人に頼らず頑張ってきた子ほど「私がやらなきゃ」と背負いすぎる。 大人を手助けしてきた子は「やってあげたい」が強く出やすい。
「朝起きた時からしんどい」という人がいる。 何もしていないのに既に疲れている。気がついたら夕方で、落ち込む事もある。 これは身体よりも「心(脳)」が疲れている状態。これ以上無理しないように、脳が行動をストップさせる。 やる気や気持ちの問題ではなく、動きたいけど動けない状態。
好き。愛してる。あなたが大切。そのままで大丈夫。 ずっと欲しかったはずの言葉なのに、いざ自分に向けられると「拒否」してしまうことがある。ずっと求めていたからこそ、失う恐怖に心を支配される。 もっと欲しくて、確認したくて、求めすぎて、時には相手を傷つけて自ら失ってしまう事もある。
育ててくれた事に感謝しているが、親が苦手・嫌いという人もいる。親に気を遣ってしまって、疲れるという人もいる。親のことが好きだけど、自分を理解してくれないから一緒にいると辛いという人もいる。 色々あるが、アダルトチルドレンの共通点は「家庭が心休まる場所ではない」ということ。
常に何かしていないと落ち着かない人がいる。 黙々と予定をこなし、達成するとまた次の予定を立てる。 認められるためというより、頑張るのが当たり前になっている。出来なきゃ価値がないという思いが強い場合、そのために自分の心身が犠牲になる。 幼少期に「出来て当たり前」が求められた子に多い。
「認められていない」という思いが強いと、認められる為に頑張りすぎてしまうことがある。 「大事にされていない」という思いが強いと、誰かの言動や行動に「バカにされている」と腹が立ちやすい。 子どもの頃「欲しかったけど得られなかったもの」が、今の生きづらさに関係しているのかもしれない。
「何で早く言わないの」と怒られることがある。 過去に「辛い」「しんどい」と打ち明けた時に、「私の方が辛い」「それくらいで…」なんて返ってきた経験があると「言わない方が傷つかない」と学ぶ。頼るより、耐える方を選ぶ。 実は言わなかったのではなく、言いたくても言えない環境だっただけ。
「しなきゃダメ、本当はしたくない」 「やってみたい、だけど無理」 このような葛藤を抱えると、相反する気持ちが綱引きするように身動きが取れなくなる。 物理的に何も行動していなくても、寝ているだけだとしても、四六時中考え続けると心は疲れていく。 慢性的な疲れは甘えじゃない。理由がある。
何かを欲しいと言う、したいことをする、断る、好きなものを選ぶ、相手と違う意見を言う・・・ 幼少期の影響で『本音とワガママの境界線』が分からなくなると、必要な欲求(本音)でさえ抑え込むことがある。 言えないというより、「言っちゃいけない」「言わない方が良い」と思わせる過去がある。
しんどい時こそ笑顔を見せ、疲れて限界でも平気なふりをして、自分の状態を周囲に見せないようにする。 子どもの頃からそうやって頑張ってきた人ほど、できてしまう。 心配かけないように、迷惑かけないように、弱いと思われないように、つけこまれないように…本当の自分を隠すことで心を守る。
<アダルトチルドレンが抱えやすい悩み> ・相手の機嫌を常に伺う ・他人の機嫌に不安・恐怖を感じる ・相手を信じ切れない ・滅多に頼れない ・自分の気持ちを言えない ・ふいに一方的に関係を断つ ・尽くしすぎ、反対に束縛しすぎ ・相手との距離感が分からない ・嫌われないために神経をすり減らす
「人にどう思われるのかが気になる」人がいる。 自然な感情なのだが、ACの場合は気になりすぎて辛い。相手の機嫌が悪くならないように、気を遣いすぎてしまう。 子どもの頃からピリピリした家庭環境で育っている場合は、不機嫌な人がいるだけで落ち着かない。怒っている人がいるだけで疲れてしまう。
相手から頼まれていなくても、「しなきゃ」と追い込まれることがある。 子どもの頃、家族のために頑張ってきた人に多い傾向。 「余計なお世話」「やらなければいい」と指摘されたり、自責しまうこともあるが、過去の影響から強要されたのと同じ精神状態になっているから「やらなくていい」が難しい。
「過去は忘れて前に進もう」「気にしなくていい」「もっと楽に考えよう」「自分を責めないで」「人に甘えていい」とアドバイスされることがある。 …そんなこと本人が一番よく分かってる。そうできたらどんなに楽かと。 いつも頑張っている人ほど、「分かってるのに出来ない」と自責してしまう。
「○○すれば親に褒めてもらえる」「○○すれば親に見てもらえる」という経験を子どもの頃に積み重ねると、大人になった時に「○○しなきゃ」に苦しめられる。できない自分は価値がないように感じる。 頑張っても褒められず見てもらえなかった場合は、「どうせ」「無意味」が膨らみやすい。
相手が何を考えているのか、なんとなく分かる人がいる。 HSP気質の人だけでなく、後天的に察する力が身につくこともある。子どもの頃から「大人の顔色」を警戒して生活しているとそうなりやすい。 でも、分かるからこそ大変だし苦しい。失敗しないよう、傷つけないよう、ベストを選ぶ為とことん考える
人間関係について相談した時、「話し合った?」「言ったら分かってくれると思うよ?」と指摘されることがある。 こんな風に言われて「言わない自分が悪かったのでは…」と思い悩む人もいるが、実は違う。 話し合って分かる相手なら、あなたは苦労していない。そうではないから今も尚、苦しんでいる。