描いた絵を投稿していると、憧れの絵師さんがイイネをくれた。 私はそれが嬉しくて、沢山絵を描いた。 自分でも、昔より大分上手くなったと思う。フォロワーさんもかなり増えた。でも、憧れの絵師さんは、いつの間にか私にイイネをくれなくなっていた。 私はそれが嬉しくて、もっと沢山絵を描いた。
私の彼氏凄い。 腕も胸板もヒョロいのに、腹筋だけはバッキバキに割れてる。「どうして腹筋だけ?」って聞いてみた。 「1年前、イイネの数だけ腹筋するってツイートしたら、3.8万も集まっちゃって…でも、もうすぐ達成するんだ♪」 私はそのツイートを見つけ、10万人のフォロワーに向けて拡散した。
最近どういう訳か、20代後半の男女グループの宿泊客が増えている。どれも30人くらいの大所帯だった。旅館側が言うのもなんだけど、大人ならもっと、良い旅館に泊まれるだろうに。気になったので、どういう集まりなのか聞いてみた。 「昔、コロナで行けなかった修学旅行を今、取り戻してるんですよ」
ノートとペンが道端に落ちていた。ノートは真っ黒で異様な存在感を放ってる。ページを捲るとびっしり人名が書かれていた。調べると全て犯罪者の名前で、全員死亡済だ。僕は怖くなってノートを燃やした。後日 学校のテストで名前を書くと、意識が薄れ僕は倒れた。使ったのは、あの時 拾ったペンだった。
『私は小さい頃、トランプタワーが大好きでした。高く積み上げたトランプが一気に崩壊していく様に、なんとも言えない快感を覚えたのです。もっとこの感覚を味わいたい。そのために、もっともっと高く…』 タワー専門建築家のインタビューが怖すぎて、高く積み上げられた彼の地位は、見事に炎上した。
〝独りが好きな人〟オフ会に参加してきた。 店を貸し切り、全員独りで座り、黙々と酒と食事を楽しむ会だ。勿論、話しかけるのはご法度。沈黙に始まり、沈黙に終わる。 そんなオフ会も、今や参加しているのは俺だけだ。俺は〝蟲毒〟の作り方を思い出しながら酒を飲んだ。毒のように、美味い酒だった。
「ねぇパパ、大人になると幽霊って怖くなくなるの?」 「うん、昔よりは怖くないな」 「どうして?」 「そうだなぁ…大事な人とか結構 向こうにいっちゃったからかな。幽霊を怖がってちゃ 可哀想だろう?」 仏壇の前で、そんな父の言葉を思い出していた。 お盆くらい、姿見せてくれてもよかったのに。
新幹線で出張中 車内に緊急警報が流れた 『怪獣が出現しました。当車両は合体ロボになって応戦します。シートベルトをお締め下さい』 パニックに陥る車内 「マジかよ!?」「先に下ろしてくれ!」「俺達を巻き込むな!」「腕部だけは嫌だ!」「俺今月2度目」「脚部も嫌だ!」 結局 客先には遅刻した
「僕、本気で漫画家目指すんで、学校辞めました。漫画の勉強に集中したいので」 なんて馬鹿な事をと周りは呆れたが、俺は彼の目の奥に、熱く固い意志を見た。 「頑張れよ。俺は応援してるからな」 「ありがとうございます!」 「お前なら、第二の手塚治虫になれるかもな」 「手塚治虫って誰ですか?」
俳優の夢を諦めた時、人生が一気に色褪せた。 どうやって死のうかと毎日考えてた俺に友人が言った。 「死ぬ前に、この漫画読んどけ」 それが、尋常じゃないくらい面白い。あっという間に最新刊まで読んだが、まだ完結してないらしく、親友に聞いてみた。「なぁ、HUNTER×HUNTERの続き、いつ出るんだ?」
「見てごらん、この美しい夜景を」 50Fのレストランから見える街並みは、闇に包まれていた。 「…これのどこが美しいの?」 「この景色に至るまでに、どれだけの人が辛酸をなめてきたか…。僕は、この真っ黒な夜景を誇りに思う」 「だから、どうして?」 「わからないか?誰も残業していないんだ」
Q1:小学生の頃どんな技を練習しましたか? という質問に、様々な解答が寄せられました。 波紋・かめはめ波・霊丸・二重の極み・螺旋丸・ギア2・月牙天衝・領域展開・水の呼吸… しかし Q2:それは習得できましたか? という質問に97%もの人がNOと答えました つまり、挫折は決して恥じでは無いのです
奇妙な新連載がスタートした。 第1話目のはずなのに、第100話と表記されてるのだ。最初は印刷ミスかと思ったが、翌週は99話と記載されてた。なるほど、そうか。この物語は、過去に遡っていく話なのか。真の1話目には何が仕組まれているのかと、俺は毎週楽しみに読んだ。76話目で打ち切りになった。
息子がプロゲーマーになりたいと言い出した。 「馬鹿言わないの!叔父さんを知ってるでしょう?あの人もプロ目指した挙句、30超えて何の職歴も無いのよ?あんな風になりたくないでしょう?」 すると息子は俯き、呟いた。「うん…なりたくないよ」そしてこう続けた「夢に挑戦した人を、見下す大人には」
『俺と……………付き合ってくれない?』 『その前に、言いたい事が5つあるの。 1: LINEで告白はやめようね。 2: 3点リーダで溜め過ぎてなんかキモい。 3:先月失恋して凹んでたくせに立ち直り早いね。 4:彼女作る前に部屋は綺麗にした方がいいよ。 5:送り先は確認しようね。私はあなたの母です』
会社をクビになったと言えず、妻の弁当を、今日も公園のベンチで食べる。なんて惨めなんだ。無職の夫など、捨てられるに違いない。弁当を食べ終え、包みを開くと、カードが落ちた。そこには一言、こう書かれていた。 『辛い時こそ、一緒にいようね』 大人になって初めて、声を上げて泣いた。
「ひっ…!」 私は恐怖した。 捨てたはずのフランス人形が、今日も玄関前に戻ってきていたからだ。 私は監視カメラを設置して真相を確かめる事にした。 もう1度捨てると、やっぱり人形は戻ってきた。 映像を確認すると、人形を戻していたのは夫だった。 私は恐怖した。 夫は、もっと前に捨てたのに。
「ねぇパパ、地球は時速1700kmで自転してるのよね?」 「君は物知りだね」 「じゃあ、どうして飛行機は、お空に浮いてて地球において行かれないの?」 「よく気付いたね。君には私の〝地動説否定教〟に入る資格があるようだ」 「…遂に、尻尾を出したわね」 私は涙を堪え、実の父に銃を向けた。
私の彼氏凄い。 腕も胸板もヒョロいのに、腹筋だけはバッキバキに割れてる。「どうして腹筋だけ?」って聞いてみた。 「1年前、イイネの数だけ腹筋するってツイートしたら、3.8万も集まっちゃって…でも、もうすぐ達成するんだ♪」 私はそのツイートを見つけ、10万人のフォロワーに向けて拡散した。
「この度は弊社がご迷惑をおかけしてしまい…申し訳ありません…」 「誠意が感じられんなぁ…」 「誠意…?」 「日本にはあるだろう?両手と頭を地面につける、伝統的な謝罪方法がさぁ…」 悔しさに歯を食いしばりながらも、俺は従った。 「申し訳ありませんでした!」 「うん、三点倒立じゃなくてね」
田中 弘 本庄 綾子 白鳥 啓介 全力院 玉蹴之助 神田 淳史 山田 由香里 「まただ…登場人物一覧ページの時点で、もう犯人わかっちまった」 「どうしてわかるの?」 「この推理作家、せっかく謎は面白いのに、同じ名前の子が現実でイジメられないようにって、犯人には必ず存在しない名前つけるんだよ」
「~以上が、御社を志望した理由です」 よし、練習通り言えたぞ。面接官は満面の笑顔だし、手応えアリだ!憧れの大企業に入れるかもしれない。ただ、面接官がずっと指で机を叩いているのが気になるな。 トン・トーン・トン…… これはまさか…モールス信号? 『ニゲロ ココ ハ ブラック キギョウ ダ』
「母さん?オレオレ」 「え、この声…ツヨシ?」 「そうそう、ツヨシ」 「そんな…どうして…ちゃんと産め…!」 「は?」 「…そんなハズない。アンタ、詐欺でしょ?」 「チッ」 そこで俺は電話を切った。 さっさと次行こ。 だが、向こうの言いかけた言葉が気になった。 産め…… ……………埋め?
医者「残念ですが手術は出来ません。あなたには、異常に麻酔耐性が出来てるようで…」 毛利小五郎「なぜ…」
「浮気なんて、バレなきゃいい話だよな」 「…ここに、拳銃があったとする」 「拳銃?」 「あぁ。低い確率…例えば1/100の確率で、弾が出る拳銃だ。お前はその引鉄を、彼女に向けてこっそり引けるか?」 「……」 「お前がやってるのは、そういう行為なんだよ。ちなみに俺は、既に2回撃たれている」