51
「近くで殺人事件があったらしいよ」
「マジ?」
「しかも、まだ凶器の包丁は見つかってないんだ」
「……待て、なんで見つかってないのに、凶器が包丁って知ってるんだ?」
「…頼む、犯人を見つけてくれ」
そこで目が覚めた。TVでニュースが流れた。被害者の名前に、夢に出て来た友人の名があった。
52
大好きな人に告白した。
「私より背の低い人はちょっと…」
フラれた俺は骨延長手術を受けてリトライした。
「私より年収低い人はちょっと…」
出世を繰り返し、役員になった。
「太ってる人は…」
痩せた。
「顔が好みじゃなくて…」
整形した。
「私より年下はちょっと…」
僕の方が、年上になった。
53
私には尊敬する作家さんがいる。彼の作品はどれも★2.0を切っており、レビューは酷評の嵐だ。なのに、彼は世間の評判を気にせず、息をするように作品を出し続けている。その尊敬すべき鋼の精神はどうやって培われたのか、本人にメールで聞いてみると、返信があった。『教えないで欲しかった……』
54
面接官やってると、就活生のSNSアカウントを裏で調査しておくなんて基本中の基本だ。いま俺の目の前にいる就活生は、SNS上でも真面目で、全く問題無かった。
「では最後に、何か質問はありますか?」
「面接官さんは先週からSNS上で女の子に猛アタックしてましたが、会えました?」
「…………いえ」
55
「近くで殺人事件があったらしいよ」
「マジ?」
「しかも、まだ凶器の包丁は見つかってないんだ」
「……待て、なんで見つかってないのに、凶器が包丁って知ってるんだ?」
「…頼む、犯人を見つけてくれ」
そこで目が覚めた。TVでニュースが流れた。被害者の名前に、夢に出て来た友人の名があった。
56
「助手君、ついにタイムマシンが完成したぞ!」
「本当ですか博士!?」
「ただし注意点がある…これは5回しか使えないんじゃ」
「わかりました!」
僕はさっそく江戸⇒弥生⇒白亜紀を時間旅行した。そこでタイムマシンは起動しなくなった。
「あれ?」
……あ
博士が〝完成〟を確認したってことは…
57
「思えば、お前とは随分と旅したなぁ…ピカチュウ」
「ピカ♪」
「お前と山ではぐれた時は、もう2度と会えないかと思ったよ」
「ピカ!」
「もういいよ、ピカチュウ」
「ピカ?」
「ずっと…演じてくれてたんだろう?」
「……」
「もう、いいんだ。ありがとう、メタモン」
「…………モン」
58
久々にDMが来た。知らないアカウントからだ。
『ワシじゃよワシ。最近、SNSってのが流行ってるんじゃろ?ワシも始めてみたんでよろしゅうな』
ワシワシ詐欺かと思ったけど、お母さんに確認したら本当にお爺ちゃんだった。その歳で新しいモノに挑戦するお爺ちゃんを私は心底尊敬した。でもそれmixi。
59
急に彼氏に「猫っぽいよね」って言われた。
「そう?」
「昔飼ってた猫がミャーって言うんだ。ミャーって呼んでいい?」
「……浮気してる?」
「は?なんで?」
「無理に渾名をつけるのは、浮気相手と統一して呼び間違いを防ぐためって聞いたから」
「そんなわけないだろう、美弥」
「私は萌香よ」
60
「HEY彼女!俺で妥協しなぁい?」
「気に入らない」
「…ですよね」
「違うよ。そうやってフザけて、断られても傷付かないよう予防線を張ってるのが気に入らないの」
「!?」
「失敗を恐れないで。ほら、もう1度真剣に言ってみて?」
「…お姉さん、俺とお茶してくれませんか?」
「僕、男です」
61
Q1:小学生の頃どんな技を練習しましたか?
という質問に、様々な解答が寄せられました。
波紋・かめはめ波・霊丸・二重の極み・螺旋丸・ギア2・月牙天衝・領域展開・水の呼吸…
しかし
Q2:それは習得できましたか?
という質問に97%もの人がNOと答えました
つまり、挫折は決して恥じでは無いのです
62
「本当にいいんですか?この物件は、幽霊が出ると評判ですが…」
「いいんです」
俺は荷物の開封を終え、部屋の中を見て回った。柱にはペンで120cmと書かれてる。身長を測った跡だ。ふと、人の気配がして振り向いたけど、誰もいなかった。
母さん?
ただいま
俺、今はもう178cmもあるんだよ
63
俺のサークル同期の女子に、チョロ過ぎて心配な子がいる。
普段、大人しくて目立たないくせに、男慣れしてないせいか飲み会で周りから「可愛い」って言われただけで終電逃すし、聞かれたらすぐLINE ID教えちゃってる。
「もう少し危機感持ちなよ」
「じゃあ…俺君が守って?」
俺はLINE IDを交換した。
64
アパートに帰ると、お隣の男子大学生が自室の前で体育座りしてた。
「鍵無くしたの?」
「いえ、終電逃した女友達を中に泊めてるので」
「それで君は外に?紳士過ぎない?」
「いえ、せめて床に寝せてって頼んだら『ダメ』って…」
「え、女の子に追い出されたの?」
「はい。そんな所に惚れたんです」
65
「俺も、もう歳だ。そろそろ免許返納するかな」
「あなた…」
「その前に…最後のドライブに行かないか?」
「プロポーズも、車の中でしてくれたわね」
「覚えてたのか」
「当然よ」
ドライブを終え、家に戻ると、夫はしばらく運転席を離れなかった。そして「楽しかったなぁ…」と呟き、車を降りた。
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筋トレはマジでオススメ。
上司に怒鳴り散らされても「お前が無事でいられるのは、俺が我慢してやってるからだぞ?」と精神的優位を築ける。
だがもう限界だ。
俺は上司に殴りかかる。
上司は掌で俺の拳を受け止め、恐ろしい握力で握り、こう呟いた
「お前に本当のパワーハラスメントを教えてやろう」
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筋トレはマジでオススメ。
上司に怒鳴り散らされても「お前が無事でいられるのは、俺が我慢してやってるからだぞ?」と精神的優位を築ける。
だがもう限界だ。
俺は上司に殴りかかる。
上司は掌で俺の拳を受け止め、恐ろしい握力で握り、こう呟いた
「お前に本当のパワーハラスメントを教えてやろう」
68
「私はランプの精。さぁ願いを3つ叶えてやる」
「お願い!私の彼氏を生き返らせて」
「うむ」
後日
「残る願いは2つだ」
「私の彼氏を生き返らせて」
「また死んだのか?いいだろう」
後日
「最後の願いを言え」
「彼を生き返らせて」
「またか?」
「えぇ。あの男は、何度殺っても足りないから」
69
「あ~あ…やっちまった」
足元に缶珈琲をこぼしてしまった。ふと『珈琲は飲むよりこぼした方が目が覚める』というネタを思い出し、1人で笑った。また2人で笑える日は来るだろうか。病室のベッドで横になる妻に目を向ける。すると、妻はその目をゆっくりと開いた。2年ぶりに、妻は目を覚ましてくれた。
70
田中 弘
本庄 綾子
白鳥 啓介
全力院 玉蹴之助
神田 淳史
山田 由香里
「まただ…登場人物一覧ページの時点で、もう犯人わかっちまった」
「どうしてわかるの?」
「この推理作家、せっかく謎は面白いのに、同じ名前の子が現実でイジメられないようにって、犯人には必ず存在しない名前つけるんだよ」
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コンビニ強盗は銃を突き付けた。
「金を出せ」
「お客様、大変です!」
「あ?」
「銃にセーフティー(安全装置)がかかったままです」
強盗は鼻で笑う。
「そうやって隙を作ろうってか?クラシカル(古典的)だな…その手には乗らねぇよ」
強盗は勝ち誇り、続けた。
「モデルガンにそんなモン無ぇからな」
72
「ひっ…!」
私は恐怖した。
捨てたはずのフランス人形が、今日も玄関前に戻ってきていたからだ。
私は監視カメラを設置して真相を確かめる事にした。
もう1度捨てると、やっぱり人形は戻ってきた。
映像を確認すると、人形を戻していたのは夫だった。
私は恐怖した。
夫は、もっと前に捨てたのに。
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「私はランプの精。さぁ願いを3つ叶えてやる」
「お願い!私の彼氏を生き返らせて」
「うむ」
後日
「残る願いは2つだ」
「私の彼氏を生き返らせて」
「また死んだのか?いいだろう」
後日
「最後の願いを言え」
「彼を生き返らせて」
「またか?」
「えぇ。あの男は、何度殺っても足りないから」
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『悲しい事件』
※1ツイート内で完結する小説です。
※再掲載
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#物書きさんと繋がりたい
#twitter小説
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元SEの祖父は大層な助兵衛で、膨大なエロデータをPCに蓄えていた。
そんな祖父が亡くなった。
俺は遺品整理のついでに祖父のPCを漁った。さっそくそれっぽいファイルをクリックしてみる。次の瞬間、色んな処理が走り、全データは消え、1つのtextファイルが残された。
『宝は自分で掴め。達者でな』