526
課長は言った。「そういえば、今日はホワイトデーか…じゃあ、お返ししなくちゃな。俺にチョコをくれた女子社員は、定時で帰っていいぞ。〝ホワイト〟デーだからな」
俺はキレた。
「課長」
「なんだ?」
「定時上がりは普通です」
「え?」
「あと、課長の机に入ってたチョコは間違いだったそうです」
527
子供が夏休みの宿題をやらない。意地でもやらない。怒れば怒るほどやらない。どうすればいいの…。
って夫に愚痴った日の翌朝。
「よーし!パパもパパの宿題始めるから、一緒に頑張ろう!」
「うんー!」
って、かつて無い程スムーズに宿題始めてくれた。リモートワークって素晴らしいしパパ素敵。
528
友人の家に遊びに行ったら、無数のトロフィーが飾られていた。学術的なものから陸上競技まで、実に多種多様なトロフィーで溢れている。
「お前…実は凄い奴だったんだな」
「いや、まだまだ全然だよ」そう言って友人は照れ臭そうに笑い、こう続けた。「始めたばかりだからね、トロフィーの自作」
529
「トロッコ問題、アナタならどうする?」
サイコパス「トロッコは一台しか来ないのですか?」
530
「自然恋愛出来るのは今だけだから、後悔の無いようにね」
と母に言われたけど、高校でも十分、打算ばかりだと思う。皆、ステータスとか外面ばっか気にして彼氏彼女作りに走り回ってる。だから私は母に言われたセリフを妹に伝えた。すると妹は「(´∀`*)?」みたいな顔して友達と鬼ごっこしにいった。
531
リモート技術は随分と進化した。映る相手の姿を、観る側は任意のアバターに着せ替えられるようになったのだ。姿だけじゃなく、声までもだ。若い社員は皆、当たり前に使いこなしている。気味の悪い事に、彼らは俺の説教を影で喜んでいるそうだ。恐ろしい。俺の姿は一体、彼らの目にどう映ってるんだ?
532
「タケシ!宿題ばっかして!ゲームはやったの!?」
「ち、ちゃんとやったよ!」
「エビデンスは?マイルストーンは把握してる?まだ進捗報告を受けて無いんだけど?」
「オ、オンスケです…」
「本当?」
「……」
「はぁ…これはパパにエスカレーションが必要ね」
そうして僕は、科学者になった。
533
異世界転生した俺のチート能力名は〝神殺し〟だ。この力で悪神を倒し、英雄となった俺は唐突に悟った。俺は漫画の中の住人なのだと。作者の思い通りの人生なんてごめんだ。いっそ神(作者)にこの能力を…。
『よせッ!』
!? 頭に直接声が…神(作者)か!?
『それをやると…』
やると…!?
『編集長が死ぬ』
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とある新人作家が殺された。
その後、出版社に『奴の本をこれ以上刷ったら、会社を爆破する』との脅迫が続いた。
程なくして、作家を殺した犯人は捕まった。案の定、脅迫犯と同一人物だった。脅迫の動機を、犯人はこう語る。
「奴の本が誰かに読まれ続ける限り、奴が完全に死んだことにならないのだ」
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田
中
無
敵 山
太井秋中神
郎美川一近
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人名テトリスか…俺、歴史苦手だから、人物のフルネームとか全然わかんね。いいや、適当に友達の名前揃えるか。お、消えた。
……なんで?
嫌な予感がした俺は田中に電話した。出なかった。田中は未だに、見つかっていない。
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「なぜ何時間も考えた話がバズらなくて、1分で考えた話がバズるんだ…」
「先生、違います」
「!?」
「何時間も苦悩した日々があるから、たった1分で優れた発想が湧く日も来るのです。迷走と言う名の鍛錬無くして、名作は生まれません」
「……」
いきなり部屋に現れたコイツが怖くて、私は110番した。
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【ピカチュウ、見つかったから】
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538
私には尊敬する作家さんがいる。彼の作品はどれも★2.0を切っており、レビューは酷評の嵐だ。なのに、彼は世間の評判を気にせず、息をするように作品を出し続けている。その尊敬すべき鋼の精神はどうやって培われたのか、本人にメールで聞いてみると『教えないで欲しかった……』と返信がきた。
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「呪いの140字小説ってのがあるらしい。読んだ人は必ず死ぬ。RTすれば助かるんだ」
「…お前、読んだんだな?」
友人は頷いた。
「早くRTしろ!」
「……その必要は無い」
「まさか…お前…自分が犠牲になって拡散を止める気か?」
「いや、作者のアカウント 貞子@sada_ko_dayoが凍結されたんだ」
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お爺さんはある日 罠にかかっている鶴を助けた。別の夜 お爺さんの家に白い着物姿の若い娘がやって来た。娘は裾をまくって足を見せると、そこには酷い傷跡があった。娘は氷のような目で問う。
「あの罠を仕掛けたのは誰か、ご存知ですか?」
爺さんは滝汗をかき、答えた。
「ワ、ワシじゃないぞ…?」
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「この前『1人が好きな人の特徴』ってtweetがバズってたんだ」
「うん」
「そこに共感の声が沢山寄せられてたのね」
「うん」
「それ見て思ったんだけど、本当に1人が好きな人間は、そもそもSNSなんてやってないよね?」
友人は少し考え、こう言った。
「辛党が甘いもの食ってたっていいだろ別に」
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【収益化の弊害】
※140字以内で完結する小説でした。
※再掲
今までに投稿してきた140字小説は、溜まり次第、以下のブログに格納していくので、ちょくちょく覗いていただけたら嬉しいです☺
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【疑問】
普通、盗んでないのに「この盗人!」と言われたら、あまり良い気分はしないでしょうが、主に「困ったな……どう疑惑を晴らそう」となるだけかと思います。
一方、「パクりだ!」と決めつけられると、同じ冤罪にも関わらず、深い精神的ダメージを負うのはなぜでしょう🤔(↓続きます
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【憐憫】
※140字以内で完結する小説でした。
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【青春の回収】
※140字以内で完結する小説でした。
※再掲
まだ少し熱はありますが、お陰様で復活しました!😊
皆様の暖かいコメント、全て読ませていただだきました!
誠にありがとうございます😭
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【子供の目線】
※140字以内で完結する小説でした。
※再掲
マシュマロを始めてみました!
質問でもなんでも、お気軽にどうぞ☺
フォロワーさんのTLを流さないよう、@ 0宛てに返信する形で返答するので、「ツイートと返信」からご確認下さい!(※~4/1分、全返答済み)
marshmallow-qa.com/hojo_kai
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【企業研究】
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【告知】
ワニブックスさんより、140字小説を書籍化していただくことになりました!
遂に、夢の紙媒体です😭
書き下ろしの140字小説×8作と短編小説も収録しています!
12/23日発売で、初版限定特典としてオリジナル栞がつくため、是非ご予約していただけたら嬉しいです😊✨
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