501
今日は愛しの彼女と水族館デート
「夜は何食べたい?」って聞くと彼女は「お魚♪」と答えた。
今日は大好きな彼女と動物園デート
「夜は何食べたい?」って聞くと彼女は「お肉♪」と答えた。
今日は彼女とお家デート
「夜は何食べたい?」って聞くと彼女は「君♪」と答えた。
502
「今時は『情報』なんて授業があるのね。どんな事をするの?」
「えっとね、この前は班に分かれてSNSから嘘の情報を10個集めたよ!」
「あら、いいわねぇ」
「でもね、シゲキ君は自分でアカウント作って嘘の情報流して、それを集めたのがバレて先生に怒られてたよ!」
「あら、ズルはいけないわねぇ」
503
「俺の上司、一日に最低でも10回はバカって言ってくるんだよ」
「いいなぁ、一昔前のツンデレ美少女みたいで」
「いや、一度にじゃねぇよ?」
504
歴史に疎い魔王「私が滅びても、第二第三の私が現れるだろう…」
つよつよ勇者「大丈夫。先代も先々代も同じこと言ってたから」
505
「ヤバ…鍵かけたっけ?」
家まで戻って確認すると鍵はかかっていた。よかった、これで安心して買い物にいける。
夕方、歩き疲れて帰宅する。
「……え?あれ?」
取り出した鍵が、何度やっても鍵穴に入らない。不思議に思ってよく見ると、間違って実家の鍵を持ち出していた事に気付いた。
506
夕日がさす放課後の廊下。
生徒指導室に、意外な生徒が入っていくのが見えた。
「ん?いまの2年A組の委員長だよな。あんな真面目な子でも、生徒指導室に呼ばれたりするんだな」
俺はそれが少し嬉しかった。人間、誰でも過ちはあるんだな。
生徒指導室の前を通り過ぎる時、中から鍵をかける音がした。
507
【お小遣い稼ぎ】
※140字以内で完結する小説でした。
※再掲
以下のような、10~15分で読み終える短編ミステリ小説も執筆しています!
他、色々な記事や作品も100円/月で全て読めるため、ご検討いただけると幸いです😊
hojo-kai.fanbox.cc/posts/3976704
508
「ねぇママ。魔族の定義って何?」
「あぁ、賢い私の坊や。私達に害を成すのが魔族よ」
「でも、熊さんも襲ってくるけど、魔族じゃないよね?」
「坊や。熊は喋らないでしょう?」
「じゃあ、言葉を喋って、僕達を襲うのが魔族なんだね!」
「そうよ。彼らは、自分達をヒトと呼んでるみたいだけど」
509
私はバズるのが怖い。
面白かった事を投稿してるだけなのに、嘘つきだの嘘松だの言われるからだ。おかしいよね。誰でも1度は、信じて貰えない辛さを味わった事があるはずなのに。お願いだから、嘘つきと決めつける前に、人を傷つける可能性を考えて欲しい。確かに私は嘘松だけど、ガチ松のためにも。
510
とある新人賞を獲るのがずっと私の夢だった。だけど、書けども書けども、満足のいく作品は出来ない。こんな駄作ばかりでは、新人賞など夢のまた夢だ。試しに応募してみると、後日メールが届いた。新人賞、受賞の連絡だった。
「見る目が無い…」
かつて憧れた新人賞に失望した私は、賞を辞退した。
511
「諸君。近年、我が国の少子化は進む一方だ」
「なんと…それは本当ですか?」
「あぁ。実に素晴らしいことだ」
「このまま、子供が我が国に生まれなければいいのですが…」
「それは非常に難しい…が、いつかその日が来ることを、切に願うよ」
「子供には早過ぎますからね。この、天国は」
512
「息子よ。どうしても家業を継いでくれないのか…」
「うん…もう決めたんだ」
「せっかく技術を伝授してきたというのに…」
「悪いけど僕は僕の人生を歩みたいんだ」
「Youtuberになりたいのか」
「…あぁ、そうだよ」
「なら、どうして…」
「お父さんのチャンネルを継ぐんじゃ、意味ないんだよ!」
513
「コレ下さい」
「彼女さんにですか?」
「あ、はい…そうなんです」
俺が照れ笑いを浮かべると、店員さんは優しく微笑んで、ヌイグルミを丁寧に梱包してくれた。次のデートで渡すのが楽しみだ。きっと喜んでくれる。LINEを開くが、なぜか彼女の宛先が無い。そうだ。先週フラれて、消したんだった。
514
勇者の剣は2度、王の血に染まった。
1度目は魔王の血に。
2度目は勇者の祖国、その王の血に。
臆病な王は恐れたのだ。
魔王と、それをも超えた勇者の力を。
しかし宴の席で振る舞われた毒酒は、家臣の裏切りにより、勇者の喉を通る事は無かった。
そして王は、平和の時代、その最初の死者となった。
515
「泥棒ー!誰か捕まえて!」
私が叫ぶと、通行人の男性が泥棒を取り押さえてくれた。
「失礼、僕は先を急ぐので…警察が来るまでこうしておきましょう」
彼は鞄から縄と手錠と目隠しを取り出すと、泥棒を縛りあげ、ガードレールに繋いだ。彼は笑顔で去っていったけど、目は笑っていなかった。
516
『もしもし?今、402号室の前にいるの』
スマホの位置情報をオンにしてれば使えるホラー系ジョークアプリ "メリーさん"
段々近づいてくるcallを面白がっていたが、ふと思った。
(なんで、位置情報だけで俺の部屋の番号までわかったんだ?)
再びcallが鳴る。
「もしもし?今、アナタの後ろにいるの」
517
あれは…そう、確か小学6年の夏だった。愛犬が老衰したんだ。死なれるのは悲しい。だから僕は子供が欲しいと思った。犬は僕より先に死ぬけど、子供なら僕より長生きだからな。でも娘は死んだ。殺されたんだ。最期に何か、言い遺す事はあるか?
椅子に縛り付けた犯人の最期の言葉は「ママ…」だった。
518
「男ならハンカチは常に2枚持つものさ。女の子が泣いてる時、差し出すためにね」
ギャグならまだしも、大真面目にそう言う彼に、私は正直引いていた。でも、そんな彼を好きになってしまった。校舎裏で告白すると、返事は「ごめん…」だった。彼が差し出してきたハンカチを、私は目の前で破り捨てた。
519
「SNS見てるとバズって流れてくるのって、子育ての大変さとか夫への不満ばかりで…なんか、結婚願望無くなっちゃった」と友は語る。
SNSはユーザーが見たいものを優先的に見せる。
友の話は、順序が逆なんじゃないか?
つまり、結婚しない理由を求めてるだけなんじゃ…。
少なくとも、俺はそうだった。
520
「ねぇ ワタシ綺麗…?」
「ん?お姉さん どこ?」
「…アナタ、目が見えないの?」
「うん。でもね、おかげで色んな事がわかるようになったの」
「……」
「お姉さんのお顔は見えないけど、心が綺麗なのはわかるよ!そういう声、してるもん」
「……」
「お姉さん?」
以後 口裂け女は現れなくなった
521
母「宿題やったの?次にお前はこう言う、『今やろうと思ってたのに』」
息子「今やろうと思ってたのに!……ハッ!?」
522
「私ね、運命の相手がわかるの」
「運命の相手?」
「そう。出会うべくして出会ったって言うか…。あぁ、私、この人と一緒になるために、生まれてきたんだ…って思える人。なんとなく、そういう相手がわかるの」
「いいね。私もそんな結婚したい」
「きっとできるよ!私なんて3回もしてるから」
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レジでお客さんの会計していると、スーツ姿の紳士は財布からブラックカードを取り出した。生で見るのは初めてなので驚いた。なぜか紳士も驚いている。紳士は照れ臭そうに言った。
「『パパの夢は?』と聞かれて、このカードを黒にすることだって答えたから、娘がこっそり塗り潰しちゃったみたいです」
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ゲーム配信をしていると、毒舌アンチに粘着された。調べると、そいつもゲーム配信者らしい。悔しくて、俺はとっておきのプレイ動画の録画を配信した。
『うっわ下手すぎ…ホント才能無ぇな…死んだ方がいいよマジ』
今日も奴の毒舌が冴え渡る。まぁ、その動画、昔のお前のプレイ動画なんだがな。
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「住宅街にも、最近じゃ防犯カメラが増えたなぁ」
ずっと見張られているようで良い気分はしないが、安心と言えば安心だ。
なのに、日課のランニングに言ってる間に空き巣に入られた。たかが30分だから、いつも面倒で鍵をかけていなかったのだ。見ると、家の前の防犯カメラが1つ、無くなっていた。