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「失敗は成長に必要だ!」と言われてきたので、教員になりたての頃は学生に失敗経験をさせようと思っていた。でも、失敗経験は学生の意欲を低下させるだけ。メリットがない。自分の意思で挑戦して失敗するのは成長につながるが、他人に押し付けられた失敗経験はトラウマを生み出すだけなんですよね。
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漢字ドリルを極度に嫌がるAさん。鉄道好きだったので「駅名で漢字を覚えてみない?まずは山手線!」と言ったら熱心に取り組んでくれた。
山手線は基本的な漢字が多い。それに「健康(小4)」を無理に覚えるより「鶯谷」を書ける方が自慢になるし、意欲が生まれる。
漢字を嫌いにならないって、大切。
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友達とうまく話せなかった子供時代に「別に無理して話さなくても良いよ。話したくなったら僕のところにおいで。」と言ってくれた教育実習生がいた。ふと名前を検索したところ、ある大学の教育学部で教授をされていて、YouTubeで「強みを伸ばせる自分になって欲しい」と言われていた。
今、泣いてる。
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「先生、授業に出るのが難しくて・・配慮して頂けませんか?」と言われた時は、「言ってくれてありがとう。」と伝え、別室で講義をする。学力を伸ばすことは大切にされる一方で、忘れられがちなのが「助けを求める力」。自分に必要な支援を把握し、必要な場面で支援を求める力って、凄く大切だと思う。
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UDフォントはディスレクシア(知的に問題はないものの読み書きの能力に著しい困難を持つ症状)の方など、文字の形を正確に認識することが困難な方にとって読みやすいフォントです。線の細さが一定でない明朝体と比較すると、視認性に優れています。
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UDフォント開発の中心人物である@Yumit_419さんから情報提供頂きました。
子どもたちの読み書きの困りを理解する上で参考になります。
ねとらぼインタビュー
nlab.itmedia.co.jp/nl/series/1418…
「UDデジタル教科書体の開発背景とデザイン」
◉前半
youtu.be/agCeKE_86xA
◉後半
youtu.be/5r91woZIDCM
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「不注意性が強いのですが、どうすれば改善できますか?」
学生からこう相談された時は、「不注意性を治すのは大変だよ。それよりも、他人に自分の特性を伝えたり、スマホでアラームをかけたり、不注意性が強いことを前提に動くと良いよ。リスクを回避できる確率が高くなるからね。」と伝えている。
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UDデジタル教科書体の話でバズりましたが、反応を見ると「良いフォントだから使っていたけれど、障害のある方のために開発されたと知って驚いた」的な内容が多かった。実はこれが本質で、障害のある方向けに作られたデザインは多くの人に優しいデザインだし、そこに「障害」は関係なくなるんですよね。
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「講義中にトイレに行くとか、社会では絶対に許されません。講義中の退出はいかなる理由があろうとも欠席扱いにします。」
過敏性腸症候群(IBS)と診断されているにも関わらず、知人の大学生はこう断言されたそう。結局、彼女は講義を受けることを諦めた。
社会って何?
珍しく、怒りが止まらない。
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過敏性腸症候群はストレスなど環境の影響が大きい。つまり、「いつでもトイレに行ける」と思えるだけで助かるのです。他の大学/講義を選べば良いと思うかもしれませんが、選択できるから排除しても良いという発想は違うと思う訳です。
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「支援や配慮をすると、手が離れた時に自立出来なくなるのでは?」
これ、むしろ逆なんです。「環境を工夫すれば能力を発揮できる」という事実を本人が認識すれば、本人に意欲が生まれます。意欲があれば自ら工夫や配慮要求ができる・・つまり、自立します。
支援や配慮は自立に不可欠なプロセス。
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「空気が読めないって言われるけれど、決して空気を読んでいない訳ではない。誰よりも空気を読むけれど、誰よりも外してるだけなんですよね。結果、凄く疲れます(笑)」
発達障害当事者の方との雑談で出た話題。空気を過度に読むけど読めずに疲れるケースって、もっと知られて良い気がする・・。
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仕事ができない部下をどうすれば良いか聞かれたので、「出来ない仕事を責めるのではなく、出来る仕事を増やしてみたら?」と答えた。一年後、「出来る仕事を認めることで、本人が出来ない部分を認める様になった。周りに頼れる様になったし、今は悪い部分が本当に目立たない。」と報告された。嬉しい。
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「不注意性を治すよりも、不注意性が強いことを前提に動くといいよ。」
少し前に講義で伝えた。
すると、受講していた学生がこんな事を書いてくれた。
「私はその言葉を聞いて初めて前向きになれた気がしました。これまで完璧主義者だった私は、人に弱みを見せることも必要だと学びました。→続く
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不注意性の強い僕が学生バイトだった頃、茶碗蒸しを注文されたのに、液を入れ忘れて茶碗だけを蒸す様な人だった。それでも「お前は一生懸命やってくれてる。普段からミスしない様に工夫してる姿を俺は見てる。」と、お客様に代わりに謝ってくれた料理長の背中を生涯忘れることはない。
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「講義を欠席する際は謝らなくて良いです。体調は個人差があるし、体調が悪ければ堂々と休んで下さい。」とTwitterで呟いた効果なのか、「体調不良で欠席します。宜しくお願いします。」という欠席連絡が増えた。体調不良を謝らなくて済む社会になって欲しいと願う僕にとって、少し嬉しかった出来事。
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「講義中、スマホ使用OKです。スマホの回線でインスタやTikTokを見ていても叱りません。」と宣言すると、個別作業の時間にほとんどの学生がスマホを触り始めた。やはり現実は甘くないな‥なんて思っていたら、実はみんなスマホで調べながら必死で作業をしてくれていた。そんな学生には感謝でしかない。
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「8時間労働」という枠組みが辛い人(短時間であれば働ける人)って、世の中にかなりいると思うんですよね。短時間であれば活躍できる人って世の中にはきっと沢山いるし、こうした「常識」を改めて見直すことが多様性のある社会への一歩だと思う。
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