大学のオンライン講義はカメラオフなので学生の顔が見えない。あまりに寂しかったので、チャット機能を活用することに。「なるほど」「マジでww」「88888」など敬語不要のルールにしたところ、チャットが異様に盛り上がり、「神授業!!」「お茶投げたいです!」と感想に書かれていて満更でもない件。
「講義を欠席する際は連絡をください。欠席理由は何でも良いですが、嘘はつかないでください。徹夜でゲームして寝坊した‥でも構いません。もし嘘をつくなら、明らかに嘘と分かるものにしてください。」と伝えたところ、「ちょっと、ドラゴンボールを探してきます。」と連絡が来た思い出。
オンライン講義で「質問のある方はチャットに書き込んで下さい!」ってよく言うけれど、学生の立場からするとかなり質問しにくい事に気づいた。そこで、匿名で画面上にコメントが流れる「ニコニコ動画方式」を導入したところ、あまりにも自然に質問が出てきて驚いたんですよね。
ベトナムでタクシーから降りた瞬間、スマホを座席に忘れた事に気づく。顔面蒼白の錯乱状態でキャリーケース引きずりながら「タクシー!!」と叫びながら追いかけるも、追いつく訳もない。「詰んだ・・」と思った瞬間、バイクに乗った若い女性が「Green taxi?」と話してきた。「YES!」と答えると‥
女性はバイクで颯爽と追いかけ、なんとタクシーを停めてくれた。無事、座席にあったスマホを救出。すると、女性は「良かったね、じゃあ!」と、あっという間に去っていった。恩着せがましさが全くない。本当に格好良かった。ああいう人に自分もなりたいと、心の底から思った出来事。
「講義を休みたい時は、嘘をついてズル休みなんてする必要ないよ。まぁ心配にはなるので『USJ行ってきます!』とメールを送ってね。」と学生には伝えている。体調不良になりやすい人って実はかなり多く、休暇を保障するだけで安心して働ける。 「安心して休める社会」って、必要な気がしませんか?
友人から仕事ができない部下をどうすれば良いか聞かれたので、「出来ない仕事を責めるのではなく、出来る仕事を増やしてみたら?」と答えた。 数日後、「部下が出来る仕事を用意すると、予想以上にできる事が分かった。役に立っている想いからか部下が頑張る様になった」とのこと。何より。
講義後に「質問ありませんか?」と言っても、手が挙がる可能性は低い。質問を強要する事だけは嫌なので、「講義中、質問があればチャットでコソッと教えてください。講義中に質問の答えを含めてお話ししますね。」と伝えたところ、質問が来る様になった。質問しやすい環境って大切だなと。
学生が「オンラインの講義って遅く感じるので、1.3倍速で聞いてます。その方が頭に入るので‥」と教えてくれた。そこで、試しに対面講義の1.3倍速のスピードで話し、聞き逃し対策として全て2回繰り返して話す様にしたところ、「テンポが良く、オンラインでも楽しく受講できた」と高評価。学生に感謝。
「どうせオンライン講義でしょ‥」と言われるのが悔しかったので、ユーチューバーを研究し、「こんにちはー!」とテンション高めにテンポ良く講義をした結果、「先生の授業の雰囲気が好きです!」「初めてオンラインの方が楽しかった!」「切実にまた先生の授業が受けたい!」など絶賛の嵐。嬉しい。
8時間労働・週休2日が常識になっているけれど、世の中の常識を見直せば能力を発揮できる人が沢山いる。休息を頻繁に挟めばミスが減る人、昼から出勤だと能力を発揮できる人、6時間労働であれば子育てと両立できる人‥など。ルール変更は確かに大変だけど、それで活躍できる人はかなり多いと思う。
「講義中にトイレに行きたくなる可能性があるので、途中退室を許可して下さい。」とお願いされたことがあって、以降「全ての」学生の一時退室を許可してみた。すると、結果的にパニック障害や感覚過敏の配慮にもなったのです。個別の配慮を全体に広げれば、多くの人が恩恵を受けると思うんですよね。
「講義中にトイレに行くとか、社会では絶対に許されません。講義中の退出はいかなる理由があろうとも欠席扱いにします。」 過敏性腸症候群(IBS)と診断されているにも関わらず、知人の大学生はこう断言されたそう。結局、彼女は講義を受けることを諦めた。 社会って何? 珍しく、怒りが止まらない。
スカートを穿いていると、残念ながら未だに心無い事を言われます。車椅子ユーザが穿きやすい機能的なボトムスを追求した結果が「巻きスカートの形」であり、私達はデザインを単に普及させたいだけ。それを古いジェンダー観で阻害されるのは辛いけれど、その先にきっと明るい未来はあると思う。
「この講義は写真撮影OKです。どんどん撮影してください。カメラのシャッター音を1いいねと解釈しますので、音を鳴らしてどんどん撮影してくださいね。」と学生には伝えている。結果、「この部分、皆さんには是非知っておいて欲しいんです‥」と言った瞬間に授業が記者会見場に変貌する案件。
講義中に「トイレ行っても良いですか?」と言われることがあったので、講義のルールに「トイレに行くときは断らなくて良い」「講義中の入退室自由」を追加した。以来、数名から「このルールがあったお陰で、最後まで安心して講義を受ける事が出来ました。」と言われた。 安心できる環境って大切。
「ユニセックス・スカートの制服なんて作っても、どうせ誰も履かないのでは?」という質問を頂戴しますが、実はそれはそれで構わないと思っています。 だって、「選ばない」は、選択肢が準備されている状況ではじめて生まれる権利ですから。
「障がい者が頑張って作ったものだから買う」という現状にモヤモヤした私たち。作業量の割に商品が安く売られているのが現実。そこで、魅力的な商品を適正な値段で売りたいと決意し、障がい者就労継続支援事業所に縫製して貰ったものを、百貨店などでハイブランドとして販売することにしたんですよね。
伸びてきたので後日談ですが、「受け身な自分が前のめりになった」「チャットを見ながらメモを取れた」「他の人の意見や考え方を知れた」「聞くだけより断然集中できる」「発言しやすい」など、任意の授業アンケートにもかかわらず7割の学生が感想を書いてくれました。 ちなみに、感想は全て敬語です。
大学の教職員に対して「Windowsに標準搭載の『UDデジタル教科書体』は、障害や困難さのある方向けに開発されたフォントです。フォントを変えるだけでも助かる人が多くいます。」とお伝えした。 すると最近、事務文書や配布資料でUDデジタル教科書体を目にする機会が明らかに増えた。 ちょっと感動。
「エレベーターの鏡は髪型やメイクを直すためのものではなく、車椅子ユーザがバックで出るためのバックミラーなんです。」と伝えると、一部の学生から「知らなかった!」という反応。「鏡は車椅子ユーザのために設置されたものですが、多くの人の役に立つ。この感覚を知ってほしいです。」と伝えた。
お正月に里帰りした。両親は不注意性と衝動性の強い僕の子供(孫)達を責めることなく、成功確率の高いお手伝いを子供達に頼んで、うまくいったことを褒めてくれる。嗚呼、自分はこうして育てられたのだと。不注意性と衝動性の強い僕のことを責めずに育ててくれた両親には感謝しかない。
「車椅子ユーザが段差で困っていたとする。すると、障害はこの段差であって、車椅子ユーザではない。障害は人にあるのではなく社会にあるんだよ。」とオンライン講義で学生に伝えたところ、チャットで「確かに!」「そっか!」の弾幕が発生した。感覚的に分かって貰えたのが本当に嬉しい。
友人から「部下が何度言っても指示通り動いてくれないんだけど・・」と相談されたので、「口頭指示をやめてメモ書きやメールで指示してみたら?」と伝えた。後日、友人から「書いたら驚くくらい伝わった!書いて気づいたんだけど、これまで私の指示が抽象的だったのかも。。」とのこと。何より。
こういう視覚的な配慮って、実は外国人のみならず、知的障害や発達障害のあるお子さんにも使える支援になったりする。世の中には、こういうちょっとした視覚化で助かる人が多くいるんですよね。