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人身事故とは異なり、架線トラブルは全面的に鉄道会社に責任があるのだから、本来利用客が怒らなければならない問題のはず。しかし田園都市線では客がもう馴らされていて、誰も怒らない。鉄道会社もただ儀礼的に謝ればいいと思っている。この関係はこれからも続くだろう。
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もう一度日大全共闘ができてもおかしくないような事態になっている。
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ドトールで仕事しようとしたら、いつもならいないはずの時間帯に高校生が座席を占拠していた。公共図書館が休みになっている影響もあるだろう。若年層にウイルスキャリアが多いという説が正しいなら、学校が休みになったことでかえって市中感染のリスクが高まっているように感じた。
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古川美佳『韓国の民衆美術』(岩波書店)がいよいよ発売される。日本では見られない現地資料や多くのインタビューを通して韓国の美術と民主化運動がいかに密接な関わりがあったかを多角的に論じている。これを読むと戦後日本の政治運動の「限界」も見えてくる。横尾忠則さんの装丁もすばらしい。
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天皇皇后は、また豪雨の被害を受けた西日本各地を見舞いたいと言うだろう。退位前の最後の大仕事としてやらないわけにはいかないと思っているかもしれない。このとき、退位されると表明された以上、わざわざ来ていただくには及びませんと言える自治体が一つでもあるかどうかに注目している。
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代替わり直後から上皇、上皇后が都内や近県に外出することが計画されているという今朝の記事を見て驚いた。こんなことをやると権威の二重化になりますよと忠告する側近はいないのだろうか。
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10月20日の東京新聞で3人の女性が皇后について論じている。皇后を持ち上げるだけの北原みのりや遠山敦子に対して、皇后の「『良妻賢母』的なイメージ」を問題にし、「平成を通じて皇室のタブー化は進んだ」ことに触れている三浦瑠麗のコメントに、いい意味で驚いた。
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昭和天皇が花束を受け取ったのは堺市であり、塚本幼稚園がある大阪市ではない。この点で宮内庁の言い分は正しいが、花束を渡したのが塚本幼稚園の園児だった可能性はある。実録がわざわざ「御予定外」と書く位だから、かなりのハプニングだったのだろう。学園がそれを誇張して書いた気もしなくはない。
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天皇の問題というのは、学問のカテゴリーでいうと神道学、宗教学、歴史学、憲法学、政治学などにまたがっている上、在野の作家も積極的に発言する。外国人の研究者も少なくない。しかも退位問題一つとっても、解釈がかなり違う。完全に一致する人なんていない。そう思って発言するしかない。
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今回の毎日の記事でもちゃんと報じなかったけど、『平成の終焉』の「あとがき」で毎日新聞の北田暁大さんと私の対談にクレームを入れてきた宮内庁に対して反論したのに、この点に関して全く言及せず、私にきちんと取材もしない毎日新聞自体に対しても、実はかなり怒っている。 twitter.com/Iwanami_Shinsh…
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大嘗祭に関する秋篠宮の発言に関して、「政治的な発言とはいえない」「政治的な発言といえる」という二つの解釈が対立しあっているように見えるが、必ずしもそうとはいえない。なぜなら、「政治的な問題になることを避けるために政治的な発言をした」といえるからだ。
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かつて啄木が「ふるさとの訛」を聞きに行った上野駅に、最高で95万円払って豪華寝台列車に乗る客専用のホームが作られる。長野県の姨捨駅には豪華寝台列車専用のバーが、尾道駅や東萩駅には豪華寝台列車専用の出入口ができる。誰もが利用できる公共空間としての駅は、過去のものになりつつある。
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韓国のニュースを見ていると、天子が徳を失えば「匹夫」となり、革命が正当化される(孟子の)儒教思想を目のあたりしているかのような錯覚に陥る。いやおそらく錯覚ではないのだろう。日本では決して見られない光景ではないか。
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玉音放送でも「米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ」と言っただけで戦争に負けたとは明言せず、「爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ」で終わっている。今回も生前退位するとは明言せず、「国民の皆さん、どうか私の気持ちを汲み取ってください」という感じで終わるのだろうか。
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今日の共同配信で天皇と学友のやりとりが公開された。私が最も注目したのは、昭和天皇が摂政になったとき大正天皇と昭和天皇の関係がよくなく、「大正天皇をお守りする人と摂政の昭和天皇をもり立てようとした2派ができ、意見の対立があった」ことを根拠に、天皇が「摂政はよくない」としたところだ。
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これには正直言って驚いた。ローカル線や夜行列車の廃止にしろリニアの建設にしろ、鉄道マニアというのは鉄道会社が決定したことには絶対に逆らわず、むしろそれを批判する人間を叩く傾向が強かった。それが今回は、非マニアから上がった狼煙が燎原の火のごとく広がっている。全く新しい動きと見たい。 twitter.com/jcast_news/sta…
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そう考えると、やはり「新たな事実が発見された」とまで言えるかどうかは微妙ではないかと思う。大枠としてすでに知られている事実を補強し、精緻化しただけではないかというのが、偽らざる実感である。
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2018年は明治150年に当たる。政府はそれに合わせて明治天皇の誕生日である文化の日を「明治の日」とし、記念式典を行う可能性がある。それと代替わりが重なる。大正から昭和になった途端に明治節が制定されて明治ブームが起こり、大正が忘却されていった過程を思い出さずにはいられない。
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朝日新聞オピニオン面に私の談話記事が出ているが、「政治的な問題になることを避けるために」としたはずのところが、「政治的な問題を避けるために」となっていた。微妙な問題であるがゆえに、きちんと反映させてほしかった。
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磯田道史、五百旗頭薫、前田亮介各先生。お願いですから原稿を早く出してください。とっくに締め切りを過ぎています。
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「100分de名著 松本清張スペシャル」の第3回「昭和史発掘」と第4回「神々の乱心」の収録のため、これからいざNHKへ。一体、天皇と弟宮の確執とか、天皇と皇太后の確執といった生々しいテーマを本当に放映してもらえるのか、不安がなくもないが、平然と喋るつもり。
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天皇特集番組の最大の謎?は、生中継のスタジオで蠅がいたことだ。そしてあろうことかその蠅が片山杜秀さんのおでこにとまり、片山さんが慌てふためいている場面がばっちりテレビに映ってしまった。テレビというのは結局話の内容よりもこういう「事故」の方を強く印象に残してしまうメディアなのだ。
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おそらく8月8日は、マスコミ各社の矜持が試される日になるだろう。もちろん私はNHKには呼ばれないし、取材に応じるつもりもない。新聞社、通信社、民放がどれだけNHKとは違った分析ができるか、天皇制というタブーを打ち破ることができるかが問われている。
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西友小金井店の閉店は衝撃だ。滝山団地に住んでいたときは、西武バスで武蔵小金井に出て西友の食堂で「お子様ランチ」を食べるのが楽しみだった。エスカレーターがあり、キリン堂という子供から見れば大きな書店が入っていたのも団地の商店街にはない都会っぽさを感じさせた。
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京急の事故で思い出したのは福知山線の事故だ。あれは並行する阪急に対してJRがスピードで追い上げ、余裕のないダイヤを組んだのが一因だった。今回は東海道線に並行する区間で京急の快特が時速120キロ出す区間で起こった。この速度を維持するなら田園都市線のように踏切を全廃すべきではないか。