原武史(@haratetchan)さんの人気ツイート(古い順)

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18時からの首相の会見を見ていたが、驚いたのは談話発表後の質疑応答で、侵略かどうかは後の歴史家が判断すべきことだとし、またしても自らの主体的な判断を避けたこと。先の戦争を侵略と断定した有識者懇談会の報告書と比べても、明らかに後退している。侵略という言葉が入ればよいわけではない。
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私は奥田くんと同じ明治学院大学国際学部の教員だが、奥田くんへの殺害予告があったことに対して、なぜ大学はホームページで何らかの声明を出すなどの毅然とした対応をとらないのだろうか。新聞でも報道されているのに広報課が「調査中」としか答えないのは、あまりにも恥ずかしい。
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九州新幹線の長期にわたる運休が明らかになったこの時点で一番焦っているのは長崎の人たちではないか。大した時間の短縮にもならない新幹線が災害に弱いことがわかったからだ。並行在来線をおろそかにしてはいけないというのは、今回の地震がもたらした教訓の一つではないのか。
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東京都など1都5県の貯水率は40%を割っているのに対して、神奈川県の貯水率は90%を上回っている。中でも最大の宮ケ瀬ダムの貯水率は99%と、ほぼ満杯状態。北関東は雨が少ないが、南関東は平年以上に雨が降っているということか。水源的に神奈川県だけが独立しているのは興味深い。
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来年、東武伊勢崎線の「松原団地」が「獨協大学前<草加松原>」に改称されるという。「団地」の付いた駅名が消えるという衝撃もあるが、もっと驚いたのは「獨」という旧漢字を東武が認めたこと。それなら京王の「芦花公園」も「蘆花公園」にするべきだろう。
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NHKで天皇の生前譲位のニュースを突然知った。まさに青天の霹靂だった。朝日、毎日、日経、東京、共同、時事、TBSから取材を受ける。明日の新聞にコメントが出るだろうが、各紙によってニュアンスが違うかもしれない。敬語は使わなかったが、各紙の内規に従った部分もある。
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天皇が生前譲位の意向を示したことで喫緊の課題は皇室典範の改正となり、その分憲法改正が遠のくとの見方がネットで広がっているようだが、逆の可能性もある。天皇の政治的発言が禁じられた憲法こそを改正し、天皇を象徴という枠組みから解放すべきだという見方が受け入れられやすくなることだ。
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森まゆみさんのtwitterで、尾道駅が改築され、豪華寝台列車のための専用出入口が設けられることを知った。まさに暗澹たる気分。鉄道旅行というものが金持ちのための特権的な趣味になるばかりか、駅という公共圏そのものが破壊されようとしている。「ななつ星」もここまではやらなかった。
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改めて7月13日19時のNHKニュースは何だったのかと思う。まるで「天皇陛下におかせられては」で始まる戦前の日本ニュースを彷彿とさせるアナウンサーの口調。北朝鮮の朝鮮中央テレビを思わせる国営放送になったかのようだった。以後、NHKがぱったりと報道をやめたのも不気味な感じがする。
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またNHKが独自で来月8日頃に天皇の会見がテレビ中継されると朝のニュースで大きく報じた。が、まだ追う社はない。非常におかしな事態が進んでいると感じる。なぜNHKだけがここまで「情報」を独占し、確信に満ちた報道を流し続けるのか。このからくりはいずれきちんと検証されるべきだろう。
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どうやら8日の線が濃厚になってきた。注目しているのは、事前に何時からテレビで放映と告知されるかどうかだ。2011年3月16日のビデオメッセージはそれがなかった。告知されれば1945年8月15日の玉音放送にますます近くなる。暗に国民全体が見るように促すことにつながるからだ。
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先日の週刊文春といい今日のテレビ朝日といい、あらかじめ社が用意している「ストーリー」に私のコメントが利用され、都合のいい部分=全体のコメントのなかでは枝葉にすぎない部分だけが切り貼りされている。もちろん一般の読者や視聴者はその部分でしか私のコメントを評価できないわけだ。
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おそらく8月8日は、マスコミ各社の矜持が試される日になるだろう。もちろん私はNHKには呼ばれないし、取材に応じるつもりもない。新聞社、通信社、民放がどれだけNHKとは違った分析ができるか、天皇制というタブーを打ち破ることができるかが問われている。
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展開がいよいよ1945年8月15日に似てきた。午後3時からの放送告知は正午に重大放送があることを告知した8月15日のラジオ放送に似ている。そして放送の後に首相がコメントを用意するのは、玉音放送の後に鈴木貫太郎首相の名で内閣告諭が発表されたのと似ている。全く信じがたい事態だ。
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昭和天皇は、玉音放送の後の1945年11月、伊勢神宮に参拝し、御告文を奏して戦争終結をアマテラスに「奉告」している。今回も天皇が伊勢神宮に参拝するかどうかに注目している。その際には、8月8日の放送ではっきりと言わなかったことを、アマテラスにははっきりと「奉告」するはずだ。
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玉音放送でも「米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ」と言っただけで戦争に負けたとは明言せず、「爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ」で終わっている。今回も生前退位するとは明言せず、「国民の皆さん、どうか私の気持ちを汲み取ってください」という感じで終わるのだろうか。
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ここで私が玉音放送との対比をことさらに強調するのは、戦後70年に当たる昨年、新たに玉音盤が発見され、音質がより鮮明になった玉音放送を天皇自身が改めて聴いているからだ。
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またNHKが独自報道。天皇は、皇后とともに公的な活動を通じて皇太子夫妻をサポートしながら、新たな立場で国民を見守っていきたい気持ちを持っているという。生前退位しても、皇后とともに公的な活動は続けるということか。これだと改元しても、平成が続いている感覚が残ってしまうだろう。
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国事行為のような誰でも勤められるルーティンワーク的な行為は皇太子にまるごと譲り、慰霊や祈りのような、本当に自分たちがやりたい行為に専念したいと表明しているようにもとれる。生前退位することで、憲法で規定された枠組みから自由になりたいという意志を表明しているようにもとれるわけだ。
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明日の天皇の「お言葉」問題を考える上で、拙著『「昭和天皇実録」を読む』(岩波新書)の「あとがき」は参考になると思います。また午後3時という時間の政治的意味については、拙著『知の訓練』(新潮新書)の第一章「だれが日本の時間を支配しているのかー時間と政治」が参考になると思います。
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今日の天皇メッセージには、祭祀(祈り)と行幸啓を中核とする、昭和とは全く異なる平成の天皇制を28年かかって築き上げたという強い自負と、それを次代にスムーズに継承させたいという思いがうかがえた。だがそれは、代替わりによって平成流が変わってはならないという次代への注文でもある。
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玉音放送の表現との類似性も気になった。常ニ爾臣民ト共ニ在リ→常に国民と共にある自覚、爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ→(私の気持ちが)国民の理解を得られることを、切に願っています、など。やはり現天皇は、昨年に原盤で聞いた昭和天皇の放送を、言い回しを含めて意識していたと感じた。
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今回ほどtwitterの有難味を噛みしめたことはこれまでになかった。これからまたテレ朝とTBSに出ると思うが、おそらくTVにとってやばいと思う部分は巧みにカットされるだろう。TVほどではないが新聞も字数に制限がある。twitterだけが自らの考えを思いきりぶちまけることができる。
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報道ステーションもニュース23も、出たのは全体の10分の1以下の末節的な部分だけだった。もうTVにはいっさい出ず、twitterをフル活用するという選択もありかもしれない。この点に限って言えば、NHKニュースに何度も登場し、それなりの時間が割かれていた古川隆久さんが羨ましかった。
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8月7日午後4時30分から御所応接室で天皇の「お言葉」が収録されたさい、皇后はすぐ近くで収録の模様を見守っていたという。今回の文章も事前に皇后が念入りにチェックしていたように感じる。だがその存在は、まるで簾を垂らしているかのように見えないし、誰も指摘することはない。