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最近の改正では、検索サービスや情報解析、そのためのアーカイブ化や軽微表示は許されます(47条の5)。話題となった入手困難な図書の国会図書館による家庭配信も、2020年の改正で可能になりました。 非営利機関のオンライン授業で必要な場合も、公表著作物は配信可能です(35条。補償金あり)。
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撮影・スクショなどの際の、人の著作物の軽微な映り込みも可能です(30条の2)。建築物や屋外のパブリックアートの場合、正面からの映し込みも原則として可能です(46条)。 いずれも、いちいち相手の許可を得るのは困難で、使えなくてはかえって作品や死蔵されたり、社会がうまく回らないためです。
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海賊版やこれに類する行為にはしっかりNOと言う一方で、こうした適正な利用のための例外規定も、社会には必要ですね。 権利者の了解を得る「許諾利用」と、例外規定で使える「非許諾利用」のベストな組み合わせ、そしてそれによる創作者への適正な還元が、これからの鍵になるように思います。
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あ、国会図書館は21年改正ですね^^;) なお、こうした例外利用は、禁止表示などがあっても基本的には可能です。20年時点のコラムですが、この辺りでざっくりまとめています。 kottolaw.com/column/200410.…
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政府に感染症危機管理庁を創設。ならば、風化しないようにもう一度書いておきます。 2年前、時の政府(首相)はデータも事前の検討もなく、ライブイベントと学校を名指しして自粛を求め、「劇場・ホールは危険である」という空気を一夜にして広めました。 www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
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データ検証に基づき、政府が劇場・ホールの安全性を明言し軌道修正したのは実に約1年後です。 しかし、一度作られた社会の空気は簡単には変わらず、今もって劇場・ホールでは一人でも感染者が出れば濃厚接触の有無に関わらず数回の中止を余儀なくされ、観客は、マスク着用でもコールはしていません。
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人前で著作権のお話をする際に、よく「ここにいる方は恐らく、平均1日1回以上は著作権侵害をしています」という話をします。 例えば、会議の前に相手のHPをプリントアウトする。現在の通説では、企業などの業務目的では1部のコピーでも私的複製とは認めませんから、理論上は侵害になりそうなのですね。
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人間は記憶し伝達する生き物ですから、「複製」とはそれほど身近な行為です。 だから、怖がり過ぎると何もできない。でも、油断し過ぎると落とし穴は結構深い。バランスが命なのが著作権です。しかも、情報社会の発達で事態はどんどん複雑になり、バランスのための法改正も毎年のように続いています。
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・・・厄介ですねw 他のジャンルと同様に、こういう時にはあまり事態に詳しくない方に限って、「○○で簡単に解決できる」といった発言をします。 無理です。その方は法のルールや条約のことをあまり知らないか、あるいは何かの動機でその「○○」を押したいのでしょう。
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法制度や技術、ガイドラインなどでみんなが安心して行動できるよう努力は続いている訳ですが、同時に、万人が情報の発信者になった今、この厄介なルールをある程度はみんなが知っておく必要があります。 大きな落とし穴に落ちないため、でも無用な委縮を防ぐため、「著作権を知ること」は大切ですね。
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企業でのプリントアウトやメール転送がなぜ事実上できているのかは、この田村先生の資料p13「著作権法が条文どおりに遵守される(仮想?)世界」以下が、わかりやすいでしょう。 この「寛容的利用」の考え方は、日本の二次創作文化がなぜ守られているかにも、あてはまりますね。 kantei.go.jp/jp/singi/titek…
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【力を貸してください】権利処理スタッフの大募集です。 過去とこれからの舞台映像を収録、未来に継承して世界に発信する「EPAD」の今期作品募集に、たくさんのご応募をありがとうございました。 今度は、受け入れた映像の情報整理や、権利処理をになうスタッフの募集です。 epad.terrada.co.jp/index.php/cate…
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音楽団体による特定候補の支持が論議になってますね。他団体さんについては詳細を存じ上げないためコメントは控えますが、念のため書いておきます。 緊急事態舞台芸術ネットワークは、どの政党候補の支持もしていませんし、これまでそうした要請を頂いたこともありません。
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私は支持政党も無く、政府の会議や協議に加わることはあっても、選挙でどなたかの応援を表明したこともありません。今回もその必要はなさそうだ、と安心していたのですが・・・ 情勢についてのツイートを見て、私の知る #赤松健 さんのことを少し書きます。
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知り合ったのは、TPPで著作権の延長や非親告罪化がされそうになり、それは誰のためにもならないと、多くの仲間たちと議論を起こした頃でした。 その頃の記録はここで、権利者の真ん中にいた赤松さんと、死んだ瀬尾太一が動いて下さったのは、決定的に大きなことでした。 thinktppip.jp/?page_id=487
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何より、シンポなどのたびに「隠し玉」を持ってくるのですね。同人マークとか。 最初に相談を受けた時に、「そういうのはクリエイティブコモンズがありますよ」と答えたら、「いや、コピーは困るけど二次創作だけ許したいという作者のためのマークがないんです」と言われて、考えてみたら本当にない。
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思いつきで言っているようでいて、こっちが気づかない本質を突く。そしてそれを、誰でも面白く理解できる形で伝えようとする。(恐らく頭が痺れるほど考えて。) この、「根が実直なトリックスター」ぶりが、たぶん赤松さんの真骨頂なのかなと思います。
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日大藝術学部の全学科講義にも、いつも過剰に楽しそうに登壇してくれました。というか、何か依頼をして、連載抱えてたのに快諾でなかった記憶がない。いや逃避だったのかもしれないけれどw その講義で一度森川ジョージさんと対談になり、打ち上げで「天才論争」というのが起こりました。
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赤松さんが「絵の上手い人は、紙を裏側から透かして見てもデッサンが崩れない」と言い、森川さんが「俺、そんなのしたことないよ」というと、「森川先生は崩れません。僕、皆さんの全部やりましたから」と。 天才じゃないから努力する。で、そこからの話がすごく面白かったけれど、紙面がないですね。
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マンガ図書館Zは、膨大な絶版マンガを無料公開して、広告収入を作家に還元するアーカイブ。当初赤松さんは私財を投じていて、あなたは偉いと言ったら「今に稼ぎますからw」。 稼ぐ、なんてアーカイブ界隈ではほぼ禁句だった頃で、彼は当初からYouTubeを競争相手として見ていたと思います。
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デジタルアーカイブ学会でも国会図書館の家庭配信でも、彼はずっと熱心でした。根底に、みんなの作品やアイディア全てに、人々に届くチャンスを作りたいという、すごくお人好しな動機を感じます。 でも、日本発コンテンツの成功例って、そういう多産な場から生まれて来た気がするのですね。
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とはいえ、政治となれば、まだまだ勉強すべきこと、深く考えるべきことはあるでしょう。まあ一歩一歩ね。 ・・・全然私的で、参考にならないですね、これ。後で消そうかなw (ハッシュタグなんて、久しぶりに使いました。)
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期限を4ヶ月超えて続いた、文化庁「文化芸術分野の適正な契約関係に向けた検討会議」は、昨日すべての議事を終えました。 間もなく、フリーランスの実演家・スタッフと事業者等が結ぶ契約のガイドラインとひな型が、公表されます。 bunka.go.jp/seisaku/bunkas…
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漫画BANK、中国当局が運営者を摘発しました。 最悪期には月間アクセス数4億(50億PV超)に迫った3大海賊版サイト(現在は全て閉鎖)の一角が、出版社対策チームとCODAの協力で、初めての摘発となります。 アクセス数は漫画村を超え、摘発では過去最大規模でしょう。 news.yahoo.co.jp/articles/5b155…
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こちら、NHKが報じましたね。 www3.nhk.or.jp/news/html/2022…