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言い換えれば、JASRACの動機は使用料還元に尽きるのだろうが、判決の影響としては、「小規模レッスンでも著作権者の許可がなければ練習・指導はできない」点、そして「公/公衆」概念の拡張が再確認された点がはるかに大きいだろう。
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下記、クラウドファンディング各社が発表した、イベント中止で損失を蒙った主催者・アーティストをファンが支援できる特別プログラムについて、追記しました。
>感染症とイベント中止の法的対処 ~払い戻し、解除、入場制限~ kottolaw.com/column/200227.…
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高校野球はやらせてあげたいという発言をいくつも目にした。本当に、そう思う。だがそれは、年一度のコンクールにかけて来た若いミュージシャンも、カンパニー旗揚げ公演に挑むダンサー達も、最初の大舞台をつかんだお笑いやアイドル達も、みな同じだ。みな人生の中のただ一瞬に、かけて来たのだ。
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知人の若手劇団の例。全員20代前半。劇場の苦渋の決断で公演は中止になり、約100万円の赤字だけが残った。彼らのバイトの蓄えの半年分が飛ぶレベルだ。彼らの場合は、HPで支援を呼びかけたところあっと言う間に6割以上が集まったという。この国の舞台ファン達は、全く捨てたもんじゃないと思った。
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が、そうは行かない民間イベントが大半だろう。プロもアマも、文化もスポーツも、怪我や天災への保障も乏しく、低い利益率と厳しい労働環境の中、人々に感動や活力や多様な視点を与えるイベントを懸命に準備して来たろう。それは通常、中止になれば何ひとつ後には残らず、コストの多くは損失になる。
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「一律で誰にも補償できない。この国の政府にはもうその力はない」なら、話は別だ。だが補償するなら、休校関連に限る正当性も、従業員とフリーで差をもうける正当性もないはずだ。どうか知恵を絞ってほしい。
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イベント中止問題への反応で、「現時点では無観客でライブ配信して、観客は視聴の代わりに払い戻し返上して応援できる形が解では」というものは多い。そこで、無観客開催の様々な限界は十分承知した上で、配信を選択した主催者のため音楽著作権などの注意点を付記しました。
kottolaw.com/column/200227.…
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音楽業界の悲痛な声。「2千人の会場のツアー20公演が直前に中止になると約1億円の損失」「クラシック関係だけで500公演が中止延期」。直前で中止になる演劇公演の場合、もっと小さいキャパの会場でもこの規模の損害に達し得る。「3月末が限界」は、むしろ控えめな表現だろう。
digital.asahi.com/articles/DA3S1…
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劇作家の別役実さんが亡くなった。思い出はやはり多いが、著作権保護期間の延長問題では、2006年のキックオフで文句なしの第一人者である彼が登壇し「短い方がいい」と言い切ったことは大きかった。写真、黒髪の津田大介と青空文庫富田さんに挟まれて、別役さんがいる。合掌。itmedia.co.jp/news/articles/…
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著作権法改正案が閣議決定・国会提出され、概要・条文などの資料が文科省HPに一気にアップされましたね。
mext.go.jp/b_menu/houan/a…
また、ダウンロード違法化に関するQ&Aも公開されましたね。
bunka.go.jp/seisaku/chosak…
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311を機に高樹町法律事務所と骨董通り法律事務所の合同で、「アーティスト・文化団体・知財の災害法律相談」を全面加筆・アップデートしました。感染症対応の加筆もできる限り。
コロナ対応や災害復旧で苦闘するアーティスト・文化団体に少しでも役だてることを願っています。
kottolaw.com/FAQ_disaster.h…
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「自宅待機が長びいて生身の人間との対話が減ると、だんだん自分がおかしくなって来る気がする」と知人の弁護士。きっと同じ思いの人も多いだろう。我々は、恐らくそうした生き物だ。このまま分断と孤立が広がれば、感染症以外の様々な社会リスクが増大して来る気がする。
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今日は、山田太郎議員のお招きで、自民党知財戦略調査会にて「ハリウッド/動画プラットフォームとの幸福な闘い方」というお話をしました。圧倒的な資金力・配給力の差は事実だが、先方も日本のコンテンツは欲しい。むしろ鍵は「交渉スタッフ」の育成で、フェアな交渉は十分可能と伝えました。
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これから、議員会館で緊急開催される「ライブ・エンタテインメントを守る超党派議員の会」で、意見陳述を求められました。全く微力ですが、現場の苦境とイベントの社会全体にとっての重要性を伝え、支援、開催の環境整備に向けて、少しでも現状の改善に役立てるようがんばります。
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終了。超党派の議員・代理80名。出された提言についてはこの後広報されるでしょう。
2.5次元ミュージカルの雄・ネルケの松田誠社長が、ずっと準備して来た舞台が本番2日前に中止になり、たった1度、空っぽの客席を前に演じた若い俳優たちの話をした。
・・・泣いたか?泣いてる暇なんてあるか。
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今日紹介した、全国の公共ホールをたばねる公文協の緊急調査報告。793 施設が回答。自主事業の中止・延期が9割。会場キャンセル9割。自治体から補填の決定、1割。
大型イベントはもちろん、大部分を占める小口の負債がじわじわと現場の体力と未来を奪って行く。
zenkoubun.jp/info/2020/0316…
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とり急ぎ、質問に解説しました。答え終わったところで、やはり、組織委員会は「払い戻し不可」を否定したようですね。
>東京五輪チケット、新型コロナで中止だと「払い戻し不可」? 福井健策弁護士に聞いた|弁護士ドットコムニュース bengo4.com/c_23/n_10939/
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「英国政府が、レストラン・劇場などの閉鎖措置によって仕事ができなくなった人に対し、賃金の80%を肩代わりする対策を発表」
先日の調査では、日本の公共ホールでのイベント中止率は90%以上。大規模イベントに絞ればほぼ全部だっただろう。あれは閉鎖ではなかったのか。
www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
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なお、調査は16日のこの公文協の緊急報告書。
政府要請を受けて、ほとんどの劇場・ホールは(十全な換気対策があった大部分の施設を含めて)、この間泣いて自主的に閉じて来た。命じられれば補償措置があり、率先して協力すれば自己責任、か。zenkoubun.jp/info/2020/0316…
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そして首相は14日の会見で、スポーツ関係者には特別のねぎらいを述べつつ、文化・イベント関係者には一言も触れなかった。クールジャパンを先導し、日本人気の担い手だった文化セクターに対してだ。
「補償の約束もない段階で、協力して下さり、ご苦労様です」と、なぜ一言、言えなかった。
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一点、当たり前すぎて書きもらした。
ライブ公演は作品だ。表現者たちが、生まれ出る前の作品を、自ら壊したのだ。債務を負って、社会のみんなのためにだ。もう二度とその瞬間が生まれる保証はないのだ。
どうかその気持ちを考えて、せめて「ありがとう」と言ってやってくれないか。迷惑扱いではなく。
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速報。方針には異論はない。ただ1年先の会場は既に各イベントで埋まっている。これ以上ライブイベント界が痛手を受けると、日本にとって取り返しのつかないことになりかねない。十分な支援を、心から願う。
>東京五輪・パラ 1年程度延期を確認 安倍首相とIOC会長 | NHK www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
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超党派の文化芸術振興議連が文科大臣に緊急決議を提出。「文化芸術界は、国民の健康・安全を第一と考え自粛要請に協力した一方、現場は危機的な状況」と訴え、事業者やフリーランスなどへの経済支援、感染防止策や発信の支援、支援の窓口一本化を求めている。
ac-forum.jp/2020/03/26/256…
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現場は、開催すれば観客は集まるのを承知で、それでも閉じて損失を負ってきた。そして負債と生活苦に直面している。一方、政府は商品券等の議論に終始し、都知事は「あくまで自粛」だと言う。
現場の知人から来たメールは、「我々は政治に捨てられたんだと思います」という悲痛な一言で終わっていた。
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各国が文化支援策を発表。英国アーツ・カウンシルはアート・博物館などに約212億円の緊急資金。個人は申請で最大約33万円。ドイツ連邦政府は、文化・クリエイティブ・メディアセクター含む中小企業や個人に最大約6兆円の支援など。文化大臣「誰も失望させない。約束を守る」
bijutsutecho.com/magazine/news/…