福井健策 FUKUI, Kensaku(@fukuikensaku)さんの人気ツイート(新しい順)

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次いでスケーターには、俳優やダンサーと同じ「実演家」として、著作隣接権があるか。あれば無断撮影を禁止できます。 振付が著作物ならそれを演じているため実演家になりやすいし、フィギュアの演技が芸能の性質が強ければあたる。一方、スポーツ選手一般は実演家にはあたりません。
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まず振付の著作権ですが、ダンスの振付と同じく著作物だろうとも思える。 ただ、正解の姿が相当絞られている個別の技に著作権はないので、要は音楽を含めた組み合わせに、どこまで独創性や選択肢の幅があるかの勝負ですね。そうでないと後進の振付があれもこれも著作権侵害ということになりかねない。
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羽生結弦さんの動画公開がきっかけで、フィギュア動画の著作権に注目が集まっていますね。 これね、フィギュアや新体操のようなアーティスティック・スポーツの権利問題は、結構おもしろいです。 関わるのは、振付の著作権、スケーターの著作隣接権・パブリシティ権、そして楽曲の権利など。
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一方、信者の方などの肖像や個人情報には十分気をつけないと、かえって二次被害を助長してしまうことがあり、要注意ですね。 そうした点に配慮しつつ、メディアには委縮することなく、社会のために必要な報道を続けて頂ければと思います。 (著作権ではあと40条もありますが、ちょっとはずします)
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最後に、映っている方の肖像権が、著作権とは別に関わります。 こちらは、デジタルアーカイブ学会の「肖像権ガイドライン」が一応の参考になり、政治家の方のスピーチの報道・検証利用などは肖像権の侵害とはならないケースが多数でしょう。 digitalarchivejapan.org/bukai/legal/sh…
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「引用」(32条)の規定もあり、報道目的に限らず批評・検証などのために一定の注意点に従えば、やはり無許諾で使えます。 こちらは対象が「公表作品」に限定されていて、未公表映像は32条では無理です。ほかに、利用の程度や出典明記といった注意点があり、これなど参照。 kottolaw.com/column/000826.…
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問題は、映像が未公表のものだった場合で、この場合は著作権だけでなく著作者人格権(公表権)が関わります。そして公表権には、報道で使えるという明文の規定はない。 ただ、41条には引用などと違って「公表著作物に限る」という明記もないので、ここは個別判断です。
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「時事の事件報道」(41条)の規定では、事件を構成したりその過程で見聞される著作物は、許可なく報道利用できます。 事件をきっかけに、ある団体と政治との関わりや活動による被害に脚光があたった場合、団体が活動のアピールに利用してきた映像などは、この規定で利用できるケースが多いでしょう。
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旧統一教会が、著作権を持つ映像(イベントやそこでの政治家スピーチ)の番組などでの使用に対して、「今後は無断利用に法的措置を取る」と発表したことが話題になっていますね。 これは、条件を満たせば放送・利用できます。関連する条文は主に2つ。
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なお、対処策のひとつは権利者・創作者側が、「ここまでなら二次創作していいよ」という二次創作ガイドラインを公表することですね。 ここも色々と面白く、最近では田島弁護士がコラムで割と掘り下げてます。 kottolaw.com/column/220331.…
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この辺りは文化庁も大真面目に調査したことがあって、暫定的に「パロディ規定などにも欠点はあるので、現状の黙認状態の温存でいいのでは」という結論が出ています。 が、論点としてはずっとそこにあると言えばあるのが「あいまいな二次創作大国・日本」の著作権問題ですね。 bunka.go.jp/seisaku/bunkas…
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見方を変えれば、誰かが尋ねに行ったくらいで崩れるかもしれない程度の、ある種もろいバランスの上に成り立っているのが日本の二次創作文化、とも言えるわけですね。善くも悪しくも。 パロディ規定などがあればその範囲では適法なので、こうした論争とか非親告罪化が脅威には、そもそもなりにくい。
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という訳で、正面から「二次創作できますか」と尋ねられても、多くの権利者は答えを濁すか、企業など悪くすれば「侵害です」なんて硬い答えが返って来るだけだから危ないよ。という意見が多かったのですね。 これはまあ、その通りでしょう。
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この(広い意味での)黙認文化を支えたのが、「親告罪」といって、権利者などの告訴がないと国も起訴できないルール。 なお、元の作品をそのままグッズにコピーしたような場合には「非親告罪」で、(あくまで理論上は)権利者の告訴がなくても起訴・処罰される可能性があります(123条2項)。
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ではなぜ出来ているかといえば、ファン活動の延長として権利者側がいわば「見て見ぬふり」をしているから。正式な許諾は、ライセンス管理が到底できないので難しい場合が多く、この「放置」で花開いたのが日本の二次創作の最大の特徴ですね。 この辺り、このコラムなど参照。 japan.cnet.com/article/350545…
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この点、パロディ規定やフェアユース規定が著作権法にあるフランス・米国などと違い、日本ではパロディ目的の複製や翻案を認める規定も判例もありません。正面から訴えられると、二次創作側はまずまずの確率で侵害となります。 (そうでもないケースについて、面白い研究が白田教授や金子教授にあり)
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ゲームの公式に対して二次創作の可否を直接問い合わせた方がいて、波紋を呼んでいるようですね。 時おり起こりますし、個別にはコメントしませんが、大勢を占めた「問い合わせても良い返答は期待できず、むしろ二次創作界隈のエコシステムには危険」という指摘は、まあ事実ではあろうと思います。
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時間の壁、制度の壁にぶつかることばかりですが、政府内でも懸命に努力している人々はいます。 苦しいと思いますがあきらめず、何かを変更・中止する際にはとにかく状況のわかる資料(発注・請求書・診断・対外告知・映像など)は残すようにして下さい。
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公演中止への支援策も政府への要請を続けており、新たな支援の創設と共に、感染拡大でJ-LODの「取り組み」が一部実施できなかった場合、補助額の減額・取消しとしない措置などを検討頂いています。 あきらめず、中止・変更の事情がわかる資料など保存しておくよう、周囲の方にも伝えてあげて下さい。
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文化庁からは、この状況と先日の要請を受け、踏み込んだ周知依頼がありました。 「一般の事業所等で濃厚接触者の特定・ 行動制限はおこなう必要がない」こと、舞台など「事業の実施にあたり、事前に検査をおこなう必要はない」ことなど。 有症状者に対策を絞る、欧米と同じウィズコロナへの動きです。
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ネットワーク事務局が舞台の中止公演数を集計しました。 把握できただけで、 1/1-6/30の第6波が計855ステージだったのに対して、7/1-7/31だけで676ステージ。月平均で約4.7倍に達しました。 実数は、更にはるかに多いでしょう。 ほぼ無症状・軽症者の中、間違いなく公演中止は過去最悪の状況ですね。。
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ジャニーズ事務所が、新しい方針を発表しましたね。 予防に努めても30公演以上が中止になり、陽性者の周囲の全員検査⇒無症状陽性者を含めた全員隔離、のスパイラルがもう限界という判断もあるでしょう。 実際にどう公演を実施して行くかを含めて、大きな動きです。 johnnys-net.jp/page?id=text&d…
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いずれの結果でも、文化のすそ野が止まらないよう、現在の著作権法の改正論議も進めておかなければなりませんね。 なお、音楽に限らずダンス、朗読などの民間教育全般に判決が与えるインパクトについては、問題が起きた当初の下記コラムで書きました。 kottolaw.com/column/001379.…
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ふむ。高裁では「音楽教室は生徒の練習演奏の主体とは言えず、著作権侵害ではない」という、逆転判決でした。最高裁が弁論を開くということは、それがひっくり返る可能性を意味します。 その場合、民間教室での練習に権利者の許可がいる時代に、実質的にも突入しますね。 www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
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ライブイベント界の窮状と支援の必要性には、各省庁にも十分理解を頂きました。 政府内の壁は厚く自分は微力ですが、他団体とも連携し、協議と要請を続けたいと思います。