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情報発信をしていると、本当にどうしようもない誤情報が拡散され、多くの人が賛同している地獄を目の当たりにすることになる。
もういいや、とさじを投げればどれほど楽か、と思うこともある。しかしこの現実を知ってしまった以上、声を上げないわけにはいかない。やめるという選択肢はもうない。
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SNSでは、本当に根も葉もないデマがよく拡散します。医療に関するデマは、たった1回のリツイートが誰かの健康を傷つけるかもしれません。
その情報に根拠はあるのか。一旦立ち止まって考える必要があります。鵜呑みにして拡散する前に。
嘘を嘘だと見抜く力が必要です。
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プロ野球選手に本気で野球対決を挑もうとするアマチュアはいないと思うが、科学や法律など学問を修めた人にアマチュアが本気で対決を挑む光景は日常的に見られる。
スポーツ選手のパワーは素人でも "一応" わかる数字で可視化されるのに対し、学の高さは一見すると分かりにくいからかもしれない。
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あくまでイメージですが、ドラクエでは残HPがわずかの状態でも、たくさん残った状態でも、ベホイミで同量のHPを回復できますが、実際の人間は一般的に残HPが少ないほど回復魔法での回復量が落ちます。ひとたび大ダメージを浴びると回復が相当難しいだけでなく、最大HPそのものが落ちることも多いです。
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大人のトライアスロンの大会だと、冒頭にある代表者的な人の挨拶は「最後までやり抜こう」ではなく、「やばいと思ったら棄権せよ」「あきめる勇気を持て」であることが多いように思う。
参加者が無理をして健康を損なわないよう、最後までやり抜くことだけが美徳ではない、とあえて釘を刺す。
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間違いを指摘されるとかえって強く信じ込むことは「バックファイア効果」とも呼ばれますが、実際にはケースバイケースで、ご本人の性格にもよると思います。
ただ、誰しも自分の信じているものを真正面から否定されると、すんなり受け入れるのは難しく、信頼関係が損なわれるリスクはあると思います。
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ここ何年もの間、連綿と繰り返され医療者のモチベーションを削いできた理不尽な医療批判の背景にあるのはおそらく、「まともな医療者」(として"悪者"と区別された想像上の存在)を守りたいという「正義感」(として自覚された漠然とした"熱い思い")であると思われ、だからこそ対処が難しいのだろう。
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大須賀先生(@SatoruO)の「怪しいがん治療」に関する記事。
これ本当に大切なんです。
心と体が弱っている時は、判断力が信じられないほど落ちます。
「元気な時から知っているかどうか」
自分と家族を守るために最も大切なことです。
news.yahoo.co.jp/byline/osukasa…
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誰しも疲れてくると、無意識に思考コストを節約しようとする結果、「全肯定」と「全否定」の二択からしか選べなくなることがある。
しかしそういう時こそ、「自分以外の全ての人は賛同できる意見も賛同できない意見も言う人である」ということを忘れないよう意識したいものである。
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インスタ等で見るトンデモ健康法の類は、小中学校で学んだ知識があれば瞬時にデマだと気づけるものも多い。むしろあまりに容易に気付けるために、勉強した人はそれが「勉強のおかげ」だと思わない。無意識に身の安全が守られている。これが義務教育の効果なのだろうと思う。
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学校での学びは「試験で高得点を目指して知識を暗記する」という行為に矮小化されがちであるが(むろんその価値も否定はしないが)、本来学びの効果というのは、人生の遥か先の未来で、目に見えにくい形でもたらされるものなのだろうと朧げながら思う。依然「朧げながら」の域を出ないのではあるが。
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「自分だけが真実を知っている」と思った時は、まず自分の知識不足や無知の可能性について検討を始めた方がよくて、これが分かっていると、少なくとも「自分だけが真実を知っている」と口に出して恥をかかずには済むと思う。
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「がんが消える」と言われて600万円もの治療費を払い、1年9ヶ月後に亡くなった方の話。
がんに関わる危険な情報は山のようにある。慎重に情報収集しないと容易に誤情報に辿り着いてしまう。
記事でも紹介されていますが、国立がんセンター「がん情報サービス」にアクセスするのが確実です。 twitter.com/SatoruO/status…
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藁にもすがる思いで、科学的根拠のない高額な商品に頼るのも自然なことで、「やらないよりはいい」という発想も自然。
だが、効果の確かな治療に専念し、大切なお金と時間を旅行や美味しい食事、趣味などに使った方が治療に前向きになれることが多く、その点では「やらない方がいい」とも言える。
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人工肛門(人工膀胱)に関して、Yahoo!ニュースで記事にしました。
オストメイトのことは、あまりにも知られていません。
入浴は普通にでき衛生上の問題もないのですが、温泉施設では他の客からのクレームで入浴を拒否されるという事例が各地で起こります。残念なことです。
news.yahoo.co.jp/byline/yamamot…
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もちろん啓発は大切だし、強い言葉で呼びかけることは確実に必要。
一方で、控え目な人の思いは可視化されにくい。
「あ、私このタイプだ」と思ったあなたです。
あなたが「これはやばい」と思った時はたぶん我慢しなくていいし、専門家の勧める指標を頼ってください↓
mhlw.go.jp/stf/seisakunit…
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「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解」
が公開されています。
mhlw.go.jp/stf/seisakunit…
重要なので全て読んでいただきたいですが、とても長いので特に重要と思われる部分を抜き出します。
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取材を受けた専門家の方が「意図とは異なる形で取り上げられた」と憤る姿を見て、以前は「結論ありきで他人の考えを歪めるのは良くない」と思っていたが、最近は単に「専門家の意図を十分に理解できない」のではないかと思い始めた。悪気なく聞いた通りに発信し、後で怒られて驚いているのかも…
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大人になってからできた友達と長く親しくできる気がするのは、おそらくお互いのことを「知りすぎない」からではないかと思う。
昔は「お互いをよく知っていること」が間違いなく親密さの象徴に思えたけど、実は大部分の人とは「知りすぎない方が良好な関係を維持できる」のだと思う。
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食べ物を喉につまらせて窒息死した人は、日本で2006年から2016年までの間に約5万2千人。
最も死者が多いのは1月1日、2番目に多いのは1月2日、3番目に多いのは1月3日です。
医師の立場から見ても「餅ほど恐ろしい食べ物はない」と思います。
(出典は記事内)
diamond.jp/articles/-/291…
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押谷先生のコメント。
絶対に、読むべきです。 twitter.com/clusterjapan/s…
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怖いのは「無知」ではない。「無知であることに気付いていないこと」である。
無知の知。これがないと学びの動機すら生まれない。
これが最も恐ろしい。
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このような経緯で、信じられないほど思考が偏ってしまった方の発言をSNS等で見ることがあるけど、これは何もその方が悪いわけではなく、誰しも「詳しくない分野」では陥りうる事態なのだと思うし、いつも警戒しているのが得策だと思う。
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感染症専門医、忽那先生がYahoo!ニュースで新型コロナ関連のおすすめリンク集を公開されています。
超有用です。
『感染症は間違った情報が独り歩きしやすく、テレビのワイドショーの言うことを鵜呑みにするのではなく、ご自身で正しい情報にアクセスすることが大事です』
news.yahoo.co.jp/byline/kutsuna…
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まさに最前線で診療されている忽那先生のインタビューです。
患者さんの経過やマスク等の扱いなど、さまざまな疑問に答えてくださっています。
buzzfeed.com/jp/naokoiwanag…