健康に関わる重大な(と私は思うが)問題や、健康に直接影響を与えうる商品が、いとも簡単にインフルエンサーによって宣伝され、多くの人が賛同している。 科学的根拠は示されない。 フォロワーのみならず、発信した本人こそが傷つく恐れがあることを考えると、かなり危険だと感じる。
自分も何度か経験があるのだが、何か体に異変があって精密検査を受けることになった時、結果が出るまでの時間って震えるほど怖い。 この不安度は、自分自身が当事者の時と、医師として他人に検査を受けてもらう時とでは天と地ほど違う。 当事者にとって精密検査とは、それだけで怖いもの。
「科学的根拠がどのくらいあるか」を示すエビデンスレベルという言葉がありますが、最下層に位置するのは「専門家の意見」です。 たとえ専門家の発言でも「何を根拠にしているか」は大切で、いつも疑いの目を向け、複数の専門家の意見を知る必要がある。 専門家を取材するメディアも同じです。
ほむほむ先生のYahoo!ニュース記事。とても興味深いです。 的外れな感想かもしれませんが、あらゆる生物と共生する私たちにとって重要なのは、「存在か非存在か」ではなくて「臨床的に意味のある量の存在か」なんですよね。 この考え方は医学において極めて重要だと思います。 news.yahoo.co.jp/byline/horimuk…
「"卵は1日1個"は昔の話で今は卵は何個でも食べていい」との誤解があったためか、最新の「日本人の食事摂取基準」では、生活習慣病リスクの高い方などのコレステロール摂取は「1日当たり200mg未満にとどめることが望ましい」(およそ卵1個の量)などと注意喚起されています。  medical.jiji.com/topics/2424
時事メディカル連載 よくツイートしていますが、便意を我慢しすぎると便秘の原因になります。 友達にからかわれるなど、恥ずかしくて学校ではトイレに行かずに我慢するという子もいますが、医学的に良くないよ、ということは伝え続けていきたいし、先生からも伝えてほしい。 medical.jiji.com/topics/1868
有名ですが、便利なアプリ「Q助」も紹介しておきます。 当てはまる症状を順にクリックしていくと対応方法が表示され、救急車を呼ぶべきケースでは「電話で何を説明すべきか」も表示されます。スマホを持っていない方でも使えるウェブ版もあります。
がんについて調べたい時は、まず国立がんセンター「がん情報サービス」です。がんに関しては「ググる必要はない」と言っても過言ではありません。 「これで疑問が解決しなければどうすればいいんだ!」と思われるかもしれませんが、その地点がネットの限界です。つまり専門家に相談すべき時です。
明白な非科学に対しては、大手メディアが批判し、国民に害を与える危険性を徹底的に追及してほしいと思うのですが、むしろ肯定的に拡散してしまう現象を見ることがあり、嘆かわしく感じます。 懸命に科学的根拠を伝えようとしている人たち(専門家も善良なメディアの中の人も)が頭を抱えている。
『消費者庁は、新型コロナウイルスへの効果をうたっている除菌スプレーなど、およそ40の商品について根拠が認められないとして表示の是正を求めました』 『新型コロナに効くと言われると、ついひかれてしまうが、根拠がないものがあるので注意してほしい。』 twitter.com/nhk_news/statu…
もちろん当時の技術で視認できる「何か」を発見する人もすごいのだけど、凡人からすれば、目には見えないけれど精緻な理論を組み立てた結果「存在しないとおかしい」と断言できた人の美しい才能には心を奪われる。 本人には、確実に、ありありと「見えて」いたんだろうなあと。
とても大切な内容でした。 聴覚障害で口を読むことで会話ができる方にとって、全員がマスクをしている生活は想像を絶するほど大変。 『「マスクを外しているのは理由があるのかな?」と、すぐに全否定するのではなく、少しだけでも気に留めてもらえるとうれしい』 その通りだと思います。 twitter.com/defsapo/status…
ご高齢で持病も多い方の場合、もともと最大HPが低めで、かつ体に大きなダメージが加わるとHPだけでなく最大HPも減っていくことが多い。そして医療の力では「最大HPを元に戻すこと」がかなり難しい。 禁煙・節酒・肥満の解消などで生活習慣を整えることは、「最大HPの低下を抑制すること」に等しい。
この資料とても興味深い。 大正9年の平均寿命は男性42歳、女性43歳と今の約半分。1世帯当たりの人員は約2倍、合計特殊出生率は約4倍。 とてつもない変化…。 stat.go.jp/info/anotoki/p…
教えるという行為はとても難しく、「1」教えるには「10」知っている必要があるし、「分かりやすく教える」だと「100」くらい知っていないと難しいかもしれない。 教わる側には同じ「1」に見えても、背景知識の豊富さによって記憶の定着は違うと思う。
運動会を見に行くといつも思う。 運動が苦手でリレーでぐんぐん抜かれてしまう子、心配しなくても将来困ることは一切ないから気に病まないでほしい、ということと、競争を伴わない「運動」自体は本当は楽しいもので、何より運動習慣は健康維持にも大切だから嫌いにならないでほしい、ということ。
世界で初めて全身麻酔を開発したのは日本人。江戸時代の医師、華岡青洲です。 そもそも19世紀になるまで全身麻酔の技術はなく、手術は激痛に耐えながら受けるのが常識でした。 長い医学の歴史を思えば、全身麻酔の実用化は、ある意味で「つい最近」のことなのです。 diamond.jp/articles/-/286…
とてもいい記事だと思います。まず医師に相談してくださる時点でありがたいこと。 『問いつめるようなことはせず、どんなことでも語ってもらえるような雰囲気を大事に』 『「健康食品なんて効果がない」と否定するのは簡単ですが、それだけでは患者さんの不安は解消しません』 yomidr.yomiuri.co.jp/article/202010…
例えばお腹が痛い時に「そこにある臓器の不調かも」と考えるのは今では自然ですが、まるで「機械の一部分の故障」のごとく病気を捉える発想は歴史上かなり新しく、18世紀後半のモルガーニの提唱以後徐々に浸透しました。長らく人体は神秘的な存在で「体液の不均衡」が病気の原因とされていたためです。
「”学会”と名がつくからといって必ずしも信頼できるとは限らない」 重要な問題ですね。 一つの目安としては、「日本医学会分科会に属している学会かどうか」があります。 ホームページにリストがあります↓ jams.med.or.jp/members-s/ twitter.com/SatoruO/status…
Twitterでよく見る「病院での体験談」、つまり「こんな病気で〇〇という治療をした」「医師からこんなことを言われた」という善意の情報提供を目的とした投稿は、意外性があるとバズりやすいのですが、「体験談ほど誤解を招きやすいものはない」という点にも注意が必要です。 medical.jiji.com/topics/1487
志段味図書館の勉強会で、 「この勉強会では、どんな意見を持った人でも、スタッフがそれを否定したり無理に違う本を読むよう勧めたりはしていない」 という話、非常に大切。 そして参加者に対するスタッフの 「どこが一番共感できますか?」 という言葉は本当に大切で、見習うべき問いかけだと思う。
「寛解」という言葉の意味も十分に知られておらず、「完治したこと」だと誤解している人もいます。専門用語というよりは、普通に国語辞典に載っている言葉です。一時的に病気の状態が落ち着いていることを意味し、むしろ完全に治った状態とあえて区別する言葉だと思います。
センセーショナルな内容を重視するあまり正確さを犠牲にするのは許されない一方で、正確な情報を当たり前に伝えるだけでは雑誌は売れない。 しかし商業としての医療情報発信においては、その「葛藤」の末に生み出されたものにこそ価値があると思います。 twitter.com/Nikkei_TRENDY/…
医師にとって、こういう考え方は当たり前のように染み付いていますが、患者さんにとってはもちろん当たり前ではありません。 「何もしてくれなかった」「放置された」と不安を感じる人も多い。 経過観察の意図や「次に受診すべきタイミング」などを医師が具体的に説明するのが望ましいと思っています。