医師にとって、こういう考え方は当たり前のように染み付いていますが、患者さんにとってはもちろん当たり前ではありません。 「何もしてくれなかった」「放置された」と不安を感じる人も多い。 経過観察の意図や「次に受診すべきタイミング」などを医師が具体的に説明するのが望ましいと思っています。
医師は口癖のようによく「様子を見ましょう」と言いますが、その時はこういうケースが多いと思います。 「経過観察」とは、「何もしない」ではなく、「全く治療介入せずに様子を見なくてはならない」という意味なんですね。 medical.jiji.com/topics/616
実は医師国家試験では、ある症状で外来にやって来た患者さんの検査値やレントゲン画像が示され、「適切な対応はどれか?」として選択肢から答えを選ばせる問題が定番ですが、 a.経過観察 b.抗菌薬治療 c.放射線治療 d.化学療法 e.手術 として正解が「経過観察」という問題が普通にあります。
「無治療経過観察」という医療行為の重要性はあまり知られていない。例えば自然に治る(かもしれない)病気に無理に薬を使ってしまうと「薬を使わなかったらどうなったか」が永久に分からないし、状態が悪化した時、病気そのもののせいなのか薬の副作用のせいなのかが分からないという問題もあります。
怪しげな免疫療法に関しては、日本臨床腫瘍学会が公式サイトで一般向けに厳しく注意喚起しています。 ただ、このメッセージはサイトの奥深く下層にもぐり込んでいて、見つけるのは少し難しい。またPDFをダウンロードする形なので、スマホでは閲覧しづくなっています。 jsmo.or.jp/news/jsmo/
「がんが消える」と言われて600万円もの治療費を払い、1年9ヶ月後に亡くなった方の話。 がんに関わる危険な情報は山のようにある。慎重に情報収集しないと容易に誤情報に辿り着いてしまう。 記事でも紹介されていますが、国立がんセンター「がん情報サービス」にアクセスするのが確実です。 twitter.com/SatoruO/status…
コロナ禍におけるこどもたちの生活と健康現状の調査、第2回「コロナ×こどもアンケ-ト」が開始されています。 大切な研究ですので、ご協力くだされば幸いです。 twitter.com/ncchd_pr/statu…
目の前で人が倒れたら、どんな順番で何をすべきなのか、日本ACLS協会ガイドをもとに解説しました。 誰がいつ何時こういう事態に遭遇するか分かりません。必要な情報を定期的に頭の片隅に思い出していただけるとありがたいです。 medical.jiji.com/topics/1688
Twitterでよく見る「病院での体験談」、つまり「こんな病気で〇〇という治療をした」「医師からこんなことを言われた」という善意の情報提供を目的とした投稿は、意外性があるとバズりやすいのですが、「体験談ほど誤解を招きやすいものはない」という点にも注意が必要です。 medical.jiji.com/topics/1487
私の新刊単行本を買ってくださるフォロワーさんでも、もし私が「血糖値が確実に下がる!けいゆう体操」とかいう本を出しても誰も買わないだろうと思う。そんな単純な方法で健康問題が解決するはずがないことを知っているからだ。 では、売れるのはどちらだろうか?もちろん「けいゆう体操」の方だ。
Yahoo!ニュースで新しい記事を書きました。 「脂肪肝」という病名だけはよく知られていますが、それが時に生命の危険を及ぼすリスクについては、ほとんど知られていません。 今回は消化器内科医のふろ先生(@doctorhirosan)に監修していただき、分かりやすくまとめました。 news.yahoo.co.jp/byline/yamamot…
こちらの本です。いくつかシリーズ物になっています。 自分もこういう子供向けの本を作りたい。いや、作る。 amzn.to/2Nf5sxT
息子(幼稚園児)の大好きな本。 このRPGっぽさが超お気に入りの様子。何度も何度も繰り返し読んでいて、薬の名前やワクチンのこと、細菌とウイルスの違いなど、すごく詳しくなっている。 自分自身も、情報発信するものとして大きなヒントをもらっている本。 amzn.to/3dfxX9r
努力を重ね経済的にも成功した人が、家族が病気になった時「大切な人を守るためなら金は惜しまない。何のためにこれまで努力してきたというのか」と大枚をはたく決意をすることがある。だからこそ、健康保険制度の整った日本では「効果が確かな治療ほど安い」という事実を発信し続ける必要がある。
自分が「やさしい医療情報発信」にこだわるのは、かつて強い言葉で発信して激しく非難や中傷を受けた時、『情報発信にこういう反発はつきものだからこれに耐えるメンタルが必要だ』なんて言うなら決して後進は続かないと思ったから。 後輩が「やってみたい」と思ってくれるような手法を考えたかった。
人工肛門(人工膀胱)に関して、Yahoo!ニュースで記事にしました。 オストメイトのことは、あまりにも知られていません。 入浴は普通にでき衛生上の問題もないのですが、温泉施設では他の客からのクレームで入浴を拒否されるという事例が各地で起こります。残念なことです。 news.yahoo.co.jp/byline/yamamot…
「標準治療が大切」と発信すると、時々「標準治療でも治らない人がいる」という反論があります。 標準治療は「現代医学で到達できる範囲内でのベスト」。「目指せる地点」を医師ー患者間で共有することが大切だと感じます。 この問題は、以前Yahoo!ニュースで書きました↓ news.yahoo.co.jp/byline/yamamot… twitter.com/SatoruO/status…
ほむほむ先生がYahoo!ニュースで蚊に刺された時の対処法(他にクラゲやムカデに関しても)を、科学的根拠をもとに丁寧にまとめてくださっています。 身近な物事ほど「体験談」に頼りがちですが、いつも出典の明示された情報を優先することが大切です。 twitter.com/ped_allergy/st…
よくイライラして周囲の空気をピリピリさせる人が、「自分は感情の起伏を表に出さないようにしている」と言うのを聞いて驚いたことがある。 私も短気な自分の性格が好きではないが、少なくともそれを自覚はしていて、周りに迷惑をかけないよう注意はできるからまだ良い方かなと我ながら思っている。
なお、私は外科医として人工肛門を作る手術を何度も行っていますが、私自身はオストメイト(人工肛門や人工膀胱を持つ人)ではありません。実際の日々の大変さ、具体的な生活などについては分からない点も多いと自覚しています。その点は医師として、できるだけ患者さんから学びたいと思っています。
人工肛門(人工膀胱)を持つ方は日本に約20万人いるとも言われますが、その実態はあまりに知られていません。服を着ていると外観では分かりませんし、人工的な器械が入っていると誤解している人すらいます。 今後もオストメイトに関しては繰り返し啓発します。 詳しくは週末Yahoo!ニュースに書きます。
新刊「医者と病院をうまく使い倒す34の心得」発売まであと1週間です。 一足先に本が届いたので、目次を一部お見せします。 なるべく気軽に読める医療本にするため、Q&A形式にしました。医療を上手に利用するテクニックをぜひ! Amazon: amzn.to/2U0QiQW 楽天: a.r10.to/hIpkVc
多目的トイレは、人工肛門や人工膀胱を持つ方が排泄物を処理したり、装具や腹部を洗浄したりする「オストメイト対応トイレ」となっているところも多く、そこにはオストメイトマークが表示されています。街中でよく見かけますが、知らない方は多い。 この機会にぜひとも知っていただきたいと思います。
よく話題になることですが、医療関係(特にがん)の書籍には体験談が主体のものが多いです。体験談の発信を否定するつもりはもちろん全くありませんが、「信頼性の高い情報を収集したい」という読み手にとっては、たとえ専門家でも「個人的な体験」に科学的根拠は乏しい、という意識は必要だと思います。
一般論としてですが、各医師の発言から、ある事象に対して「賛成派」「反対派」と区別することは大きな誤りを生みやすいので注意が必要だと思っています。その理由を二つ挙げます。