イタリアから地中海をはさんだ対岸、北アフリカのチュニジアには、イタリアを感じさせる食べ物がある。ピザ、パスタ、パンなど。海の幸もふんだんな使われる。格式ばらない食堂のようなところで、素朴なイタ飯が食べられるのが、いい。
遠藤雅司(音食紀行)さんの新刊「古代メソポタミア飯」では、イラクの名物魚料理マスグーフを「鯉の円盤焼き」と表現。確かに開きにした鯉をみると、円形になっている。メソポタミアの民は、相当昔からこうしたスタイルで食べていたと思われ、形に何か意味が込められているのでは、と感じてしまう。
7月10日から東京などで公開されるドキュメンタリー映画「 #東京クルド 」。入管施設に収容中、病に倒れたメメット・チョーラクさんの弟、ワッカスさんと家族が営むクルド料理店「メソポタミア」が、東京・十条駅近くにある。クルディスタンという土地や文化を体感できる場所。 note.com/cafebaghdad/n/…
岩手の濃厚なプレーンヨーグルトで、アラブのヨーグルトチーズ(水切りヨーグルト)の「ラバネ」を作ると、かなり美味しいものができる。遠野の多田自然農場と岩泉ヨーグルトを食べ比べた。そのまま食べても、パンなどに塗っても。オリーブオイルや香草ディルのトッピングで、さらに味は変わる。
埼玉県川口市、蕨市のいわゆる「ワラビスタンのに暮らすクルド人たちは、ガジアンテップやその周辺の村の出身の人が多いと聞く。きのう、さいたま市のカフェで食べたクルド料理を調理してくれた姉妹もガジアンテップ出身と言っていた。ご家族、親戚の無事を祈るとともに、心からお見舞い申し上げます。
秋に収穫された果物やナッツが、中東の乾燥した空気にさらされて凝縮されたドライフルーツ・ナッツに進化していく。長く保存するための生活の知恵とはいえ、鮮やかな色彩や香りに旬の食べ物のようなインパクトを感じる。モロッコ、トルコ、イランにて。
2019年5月に火災が伝えられたイラン北西部タブリーズのバザールのスパイスとハーブの店。イランに数ある世界遺産のひとつ。淡い色あい、ペルシャの美。 twitter.com/Iran_Style/sta…
テロと疑われる爆発が起きたトルコ・イスタンブールのイスティクラール通り。1か月前、ほぼ端から端まで歩いたばかりだった。新市街の中心タクシム広場に続く歩行者天国の商店街で、東京でいうと銀座の中央通りのイメージ。市民にも観光客にも馴染み深い。ここで多くの死傷者が出た衝撃は大きい。
岩手の湯治場にも春がやってきたようだ。宮沢賢治も訪れた、豊沢川上流の花巻市大沢温泉。川の流れを聞きながら、ひと気のない静かな露天風呂。木造の湯治棟も風情がある。この時期はかなりおすすめかもしれない。立ち寄り湯600円。
トルコ人の伝統手工芸「オヤ」。名もなき女性アーティストたちの根気と手先の器用さの結晶。銀座東急プラザでバクラヴァ本を販売したブースのお向かいさんだった「ローゼンス・ジャパン」の輸入。軽くて非金属なので、肩こりやアレルギーを抱えている人にも人気なんだそう。
トルコのドーナツ形のパンというと、シミットという歯ごたえがあるやつが有名。カフェにいると売り子が、かけ声とともにかついできたりする。もっとフンワリとしたドーナツ形の「アチュマ」というパンもあることを知る。埼玉・狭山なかあるキプロス島出身者が営むハーセルフーズ社製。発送もある。
トルコの朝食といって、まず頭に浮かぶのは、香草のディルやイタリアンパセリなどをまぶしたチーズ類。丸かじりできるそれほど辛くない生の青唐辛子。独特の風味があるソーセージのスジュク。フランスのバゲットを日本人好みにふんわりさせたかのようなパン、エキメッキ。素晴らしい取り合わせ。
イラン特産の高級食材というと、キャビアとサフラン。サフランを入れたアイスクリーム(バスタニ)というのもあって、これまたイラン特産のピスタチオをふりかければ、彩りも美しい。日本だと、横浜・生麦のイラン料理店「カスピアン」などにある。ちなみに店名の由来のカスピ海の南岸は、イラン領。
ミントティー、モロッコの古都フェズのルーフトップカフェで飲んだのは、生ミント葉がこれでもかと入っていて、うれしかった。茶葉は緑茶で、かつては日本からも輸入していたと聞いたことがある。夏に熱々を飲んでも爽快感がある。
長い内戦で荒廃したシリア北部アレッポ旧市街にあるハーン・アルハリール市場が修復されてオープン。60以上の店舗が軒を連ね、アレッポ旧市街のスークの中でも特に有名な場所。再建はユネスコなども支援した。 twitter.com/mysyria_/statu…
この店の奥のほうに、俵積みにされて鎮座しているトルコ菓子ロクム(ターキッシュ・ディライト)。色彩感覚が素晴らしい。イスタンブール旧市街。
きょうは京都で、3年ぶりの祇園祭・山鉾巡行。「放下鉾」という山鉾の後ろの飾りもの(見返り)は、イスラム聖廟を背景に羽ばたくフクロウ。バグダッドがモチーフのろうけつ染。1982年から使われているという。シルクロードでつながっていた京都とバグダッドの歴史的な結びつきが象徴されている感じ。 twitter.com/bububuri_fu/st…
アラブの水分少なめの濃厚ヨーグルト「ラバネ」の完成形に近いものを日本で入手するとしたら、いわれる「ギリシャヨーグルト」なんだろう。写真の岩手県西和賀町「湯田牛乳公社」のga・raは、日本在住ギリシャ人が故郷の味を再現したいと製造に参画したらしい。どうやら水切りはしていないらしい。
本州で最も東に位置する岩手県宮古市の重茂(おもえ)半島。ここでとれたメカブ。さっと湯通しすると、鮮やかな緑色に変わり、粘り気を発する。歯ごたえのある食感は、スーパーなどで売られている「きざみめかぶ」とは別物。三陸の海と暮らす人たちは、こんな美味なものを食べて暮らしているのかと感銘。
東京・小岩駅前にイラン料理デリカテッセン「ヴィーナスデリ」がある。イランス式サンデヴィッチ(コッペパンサンド)が本格的っぽい。イランで「トルコのケバブ」と呼ばれるドネルケバブも、松屋銀座に新規出店で今話題の中東菓子バクラヴァもある様子。下町の雰囲気に、イラン軽食店はとても合う。 twitter.com/YamayaT/status…
宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」に「鉛の湯の入り口になめとこ山の熊の胆ありといふ昔からの看板もかかっている」という一節がある。この鉛の湯というのが岩手県花巻市の「藤三旅館」。立って入れるほど深い「白猿の湯」で知られる。高い天井を見上げて、誰もいない、さらりとしたお湯に身を任せる。
イランの首都テヘランは、空気の乾燥度は高いものの、イメージは、砂漠というより水と山。街の北側にアルボルズ山脈の山々がそびえ、冬には冠雪し、スキーリゾートもある。最高峰のダマバンド山は、5610メートル。市内からは見られないが、飛行機の窓から白い円錐状の神々しい姿が見られる時もある。
乾燥の大地を大河ナイルが流れるエジプト南部アスワン。市場には、乾燥なつめやし(デーツ)やカルカデ(ハイビスカス茶)、タマリンド団子などが売られている。水分が吸い取られてうまみや甘さが凝縮されている。
山道を歩いてたどり着いた、鮮やかな森の緑に覆われた渓流そばの露天風呂。北上川の支流・夏油(げとう)川の源流域に湧く夏油温泉「元湯夏油」。ぬるめの柔らかな湯が心地よい。岩手県北上市。
民族の存在を否定され、言葉を使うことすら長く禁じられていた少数派クルド人。彼らの歴史を継承する役割を担ったのは吟遊詩人(デングべジュ)。そのデングべジュに光を当てた中島夏樹監督作「地図になき、故郷からの声」が、東京ドキュメンタリー映画祭短編部門でグランプリ。 tdff-neoneo.com/lineup/lineup-…