東京・西新宿のビル・マンション街の谷間にある小さな祠(ほこら)。毎朝ナンがそなられていることで知られるが、そのナンを献じていたのは、近くにあるカレー屋さん。ネパール伝統の豆スープご飯定食もある庶民的な店。宗教は違えど店員たちの信仰心がわかる国際的な風景。 note.com/joycooo/n/n1d7…
東京・西新宿のビルの間にある祠。実際に訪ねてみた日は、カリカリに焼き上がったナンが備えられていた。皿もインド料理に使われる専用皿のようだ。こんな東西文化が融合する姿は、今後日本で見慣れた風景になっていくのかも知れない。
日本人が神前や仏前に供える穀類といったらゴハン。では、アジアや中東の人々だったら、何を供えるかといったら、ナンやパンということになるのかも知れない。食事の時の箸の代わりでもあり、お皿のようにも使う。文明揺籃の地メソポタミアから始まって世界に広まり、日本でついに供え物にまでなった。
トマト、キュウリ、玉ねぎなどを刻んだサラダは、中東のあちこちで見かける。トルコでは「チョバン(羊飼い)サラダ」。イランでは、「シーラーズ・サラダ」とイラン南部の都市名がつく。エジプトでは「オリエント・サラダ」とよく言われていた。東方から伝わったサラダ、というニュアンスがあるのかも。
アラビア半島の砂漠では冬、雷鳴とともに激しい雨や雪が吹きつける。「砂漠のトリュフ」と呼ばれるチュマアは、その水分により成長し、地面の割れ目から顔をのぞかせる。コリコリとした食感と淡白な味わい。ヨーロッパの白・黒トリュフとはまた違った味わいで、人間の食文化の多様性を実感させる。
中東の冷前菜の王様、ひよこ豆ペースト「ホンモス」(フムス)がついにコンビニに登場。ファミマの「フムスと食べるタンドリー風チキンのサラダ」。やや甘い味付けのアレンジがされているが、これだけクミンの風味がついた食品が日本のコンビニに並んだのは初めてだろう。日本の食文化の変化を感じる味。
ナツメヤシの実(デーツ)、中東では季節によっては、乾燥ではなきフレッシュなものも市場に並ぶ。こちらも乾燥ものと同様、色、食感はさまざま。シャリシャリとした食感で、さわやかなジューシーさを感じられるものもあった。
ルーマニア刺繍が施された民族衣装は素晴らしい。以前、東京のルーマニア大使館に飾ってあるのを見て、しばし見とれた。民俗研究者で写真家のみやこうせいさんは、ルーマニアを「世界のまんなか」と表現している。生活に根ざした美しい文化を生み出す土地が、中心にあり続ける世界であって欲しい。
東京・下北沢の商店街「一番街」の入り口にある広場。トルコ・コーヒーを提供するキッチンカーの「モスク・コーヒー」(THE MOSQUE COFFEE)が、店を構えている。トルコのコーヒーハウスによくある、熱砂に小鍋を差し込んで煮詰める本格的ないれ方。紙コップ使用だが、挽き方が極細で滑らかな舌ざわり。
民族の存在を否定され、言葉を使うことすら長く禁じられていた少数派クルド人。彼らの歴史を継承する役割を担ったのは吟遊詩人(デングべジュ)。そのデングべジュに光を当てた中島夏樹監督作「地図になき、故郷からの声」が、東京ドキュメンタリー映画祭短編部門でグランプリ。 tdff-neoneo.com/lineup/lineup-…
エジプトB級グルメの王様、コシャリが看板の東京・神楽坂「アブ・イサーム」。明るい店内にエジプトポップスが流れ、材料調達に苦心のあとがみられるコシャリはウェットタイプで現地の味をかなり忠実に再現。モロヘイヤスープは熱々で葉をたっぷり使っている。エジプトが恋しくなったらぜひ行くべき店
イスラム教の国と思われがちなイラクの北部は、さまざまな少数派宗教を信仰する人々が暮らす土地。東京・荻窪で中東ワインショップを営む田村公祐さんが、現地で撮った写真を集めた「北イラクのマイノリティを訪ねて」展。東京・東池袋の古代オリエント博物館で1月末まで。 aom-tokyo.com/exhibition/202…
東京・池袋のチャイナタウンの朝。雑居ビル4階にあるガチ中華フードコート「友誼食府」のイートインスペースに、中国語のささやき声が響く。揚げパンに味付きゆで卵、アツアツの豆乳の朝食が600円。日本人でも「朝マックよりこっち」という人が増えている気が。今度は、いろいろ食べられる日中に来たい
きょうは冬至。昼が一年で最も短い日。前夜はイランで、「シャベ・ヤルダー」という祝祭日。ゾロアスター教ゆかりの行事でザクロやスイカを食べ、家族と過ごす。冬至は「光」が「闇」に勝り始める日ともいえるから、世界が明るい方向に向かうめでたい日。太陽のような果実を食べて、世界の復活を祝う。
トルコ・コーヒー(TURKISH COFFEE)とアラビック・コーヒー(ARABIC COFFEE)、一体何が違うのか。煮立てるのに小鍋(イブリーク)を使い、深煎の豆を使うのが「トルコ」。ポットを使い、浅煎り豆でカルダモンをきかせるのが「アラビック」と便宜的には分類できそう。しかし、国・地域でも違いがある。
雑煮にいい加減、飽きてきたいう人には、岩手県一関市の団体が作った「もち料理データベース」が役立つ。変化球的なものも含めて、200種類のレシピを収録。中東っぽいものだと、モロヘイヤの草餅や、ピスタチオだれの餅もある。一関は「餅御膳」の伝統を継承するもちの町。 ichitabi.jp/feature/specia…
正月が終わってもまだ飽き足らず、色々な味付けで美味しいもちを食べたいという人は、岩手県一関市を訪ねることをおすすめする。市内中心部や郊外の道の駅内のレストランなどで食べられる。以下は、餅を食べられるレストランのリスト。 hiraizumi-dmo.jp/mochi/foodlist/
チーズケーキで知られる岩手県北上市の「トロイカ」は、ロシア料理レストランでもある。肉と野菜がたっぷりのボルシチスープは、真冬の北国で食べるのにぴったり。チキンキエフ(キエフ風チキンカツレツ)は、ナイフを入れるとバターがジュワッとあふれでる。ロシア並みに風雪が吹き荒れる中、大満足。
日本で「ロシアン・ティー」というと、紅茶にジャムを入れて飲む。だがロシアでは入れて飲む伝統はないそうだ。「砂糖の塊をかじりながら」というのはツルゲーネフの小説にあるそうだ。ロシア研究者の沼野恭子さんからうかがった。チーズケーキで有名な岩手の「トロイカ」にはジャムが添えられていた。
イラン人は、紅茶(チャイ)を飲むのが大好きな人たち。普通、ガンドという固形の砂糖を口に入れ、紅茶で溶かしながら飲む。サフランで着色した「ナバド」と呼ばれる棒状の結晶のような砂糖をなめながら飲むこともある。紅茶自体にひたして飲むこともある。
ちなみにイランでは紅茶をいれる時、ロシアなどと同様、「サモワール」という金属製の湯沸かし器を使う。上段がティーポットになっている。蛇口付きの下段タンクのお湯をグラスにつぎ足すことで、濃さを自在に調節できるという優れもの。紅茶大国ならではの便利な生活必需品。
サウジアラビア政府が、女性のタクシー営業を認めると発表。1932年の建国以来、女性は自動車の運転自体が認められていなかったが、2018年に運転が認められた。それから3年半。女性のタクシードライバーが増えれば、女性だけでの外出もしやすくなり、活動の幅が広がると期待。 abouther.com/node/45691/peo…
北アフリカのアルジェリアは、先住民族ベルベル人の暦で新年を迎えた。ベルベルの血をひく古代エジプト第22王朝のファラオが即位した紀元前950年から数えて2972年という。固有の文字をかたどったカラフルなお菓子も作られる。西暦だけでない、民族・地域によってさまざまなな時間軸があることを実感。 twitter.com/DjazairCooking…
北アフリカ・アルジェリアのお菓子には独特の美の感性が表れているような気がする。花や葉などの自然を自然を表現したり、抽象的なシンボルをかたどったり。先住民族ベルベル人以来の文化的な土壌が影響していることも間違いなさそう。食べるのがもったいないと感じる。
アルジェリアには、陶磁器など工芸品にも独特のデザインが多い。先住民族ベルベル人の図案とイスラム芸術がハーモニーを奏でているものもある。これにクスクスなどの北アフリカの名物料理を盛り付けると、味までもが一層引き立つことは言うまでもない。