どろりとした独特なトルココーヒーを入れるための屋台は金属製。専門店では、コーヒーのカップ以外の食器類にも金属製が使われることがある。中東の旧市街に行くと、金属細工の職人さんが槌音を響かせている風景によくでくわす。トルココーヒーは、そうした中東の手仕事も組み合わされた文化遺産だ。
日本ではマグロのテールステーキぐらいでしか見かけない魚の輪切り。中東では、割と普通に見かける。分厚い肉を焼く感覚に近いのだろうか。市場でも、サーモンや大型魚は輪切りタイプが多いかも知れない。トルコでは、小さいサバのような青魚を網焼きにして出されたこともあった。みた目にも面白い。
中東、特にシリア地方のご飯料理「マクルーベ」(マクルーバ)。カルディには「マクルーベの素」が売られていて、これを使って初めてアラブ料理作りにトライする人が増えている。雑誌「日経トレンディ」に、「秋冬シーズンにヒットする商品」と取り上げられた。日本の食の風景は大きく変わりつつある。 twitter.com/jinder_jindest…
トルコ・イスタンブールの旧市街の市場周辺。「ナルニア国物語」に出てきた伝統菓子「ロクム」(ターキッシュ・ディライト)や、配合の妙がポイントのスパイス、花や果実もふんだんに使うオリジナルハーブティー。味だけでなく、色彩に工夫が凝らされている。異国の街の店を渡り歩くのは、やはり楽しい。
中東の食は、カリッとしたクリスピーな食感を大事にする。炊き込みご飯に、ピーナッツやカシューナッツを入れたり、クリームコロネにクラッシュ・ピスタチオをまぶしたり。サラダに揚げた薄型パンをふりかけたり。味が深みを増すので一石二鳥とも言えそう。シリア、ヨルダン、イランにて。
パセリを中心に、トマト、玉ねぎなどをみじん切りにし、ひきわり小麦ブルグルをあえてレモンジュースとオリーブオイルをたっぷりかけた「タッブーレ・サラダ」。シリアの代表的サラダ。イタリアンパセリではなく普通のパセリでも美味しい。日本でも手軽に楽しめる中東の味。時々無性に食べたくなる。
秋に収穫された果物やナッツが、中東の乾燥した空気にさらされて凝縮されたドライフルーツ・ナッツに進化していく。長く保存するための生活の知恵とはいえ、鮮やかな色彩や香りに旬の食べ物のようなインパクトを感じる。モロッコ、トルコ、イランにて。
冬が近づいて、朝夕の冷え込みに備えるかのように胸毛を充実させていくエジプト生まれの元捨て猫、ヨシミ。日本での暮らしにも適応していく生存本能はさすが。岩手で2回目の越冬。
柿や栗が店頭に並んで、秋の空気を漂わせるのは日本だけではない。柿は「kaki」と呼ばれるところもある。エジプトなどの中東でも結構見かける風景。少し冷たくなった風に乗って、焼き芋の香ばしい匂いが運ばれてくる。カイロで季節の移り変わりを感じさせる風景。
真っ赤な生デーツは、シャリシャリ感がありジューシー。それを乾燥させていくと干柿のようなもっちりとした食感になり、さらにカラカラにすると甘い干し魚のような凝縮された味わい。保存食ナツメヤシの実のめまぐるしい変化は、乾いた空気によって作られる。中東の人々の生活の知恵。
チュニジア・チュニス旧市街にあるカフェの、赤と緑を基調にした独特のインテリア。北アフリカ先住民族のベルベル人の伝統らしい。他のアラブ諸国では見かけない雰囲気。靴を脱いでじゅうたん敷きの床に座り、日本のお膳のような小テーブルにミントティーやコーヒーのカップなどをのせる。
中東でクルミは、とても存在感がある。シリア・ダマスカスの市場にところ狭しと並ぶ実を見れば明らか。トルコ・アナトリア高原の街カマンに立つクルミの像をみても明らかだ。デーツなど他の食材と組み合わせれば、不思議な化学変化を起こして、相手の良さを引き立てる。脇役の役割をしっかり果たす。
アラブ圏でシャワルマ、トルコでドネルケバブと呼ばれる回転する肉塊をそぎ切ってパンなどにはさむ軽食。シリア圏では薄焼きパンに巻いて、それを鉄板で焼いて完成というスタイルもある。パンのパリパリ感が独特。同じ起源でも、地域で独自の変化を遂げているので、街歩きの楽しみのひとつになる。
京都の高瀬川沿いに5月、レバノン料理店がオープンしていた。「汽」といい、ファラーフェルやシャワルマなどがある。オーガニックの野菜やハーブをふんだんに使っているのが売りのようだ。ヴィーガニズムとも親和性が高いスタイルの新アラブ料理。公式サイトにメニューあり。 gojyorakuen.com/menu/ twitter.com/nano_723/statu…
秋の中東の市場には、収穫されたばかりのイチジクが並ぶ。柔らかく鮮やかな色彩で明るくなる。冬に備えて乾燥させればさらに柔らかな自然色になる。硬さはいろいろで、円形にパッケージされるとアート作品のようになる。トルコ東南部マルディン、イラン北西部タブリーズ、シリア首都ダマスカスにて。
イランの首都テヘランは、空気の乾燥度は高いものの、イメージは、砂漠というより水と山。街の北側にアルボルズ山脈の山々がそびえ、冬には冠雪し、スキーリゾートもある。最高峰のダマバンド山は、5610メートル。市内からは見られないが、飛行機の窓から白い円錐状の神々しい姿が見られる時もある。
来年公開予定の日本映画「マイスモールランド」の舞台は、クルド人が多く暮らすワラビスタン(埼玉県)。在留資格を失った主人公の高校生サーリャをモデルの嵐莉菜さんが演じる。自身もイラン、イラク、ロシア、ドイツ、日本と、多様なルーツを持つ。「私が演じることで問題を知って欲しい」と語る。 twitter.com/eiga_natalie/s…
チャイというと、ミルク入り紅茶をイメージする人も多いかも知れないが、イランでは、紅茶葉のみか、ミントと一緒に煮出した濃い琥珀色の透明な飲料。硬い角砂糖ガンドを口の中でとかしたり、サフラン入り黄金色の糖結晶棒ナバドをお好みで入れたりして甘さを味わう。伝統の形式は揺らがない。
北アフリカの先住民族ベルベル人は、居住域によって多様な文化を持つ。例えば服装では、アルジェリアでは派手な色づかい、モロッコでは、渋みのある感じ。モロッコ・マラケシュには、ベルベル文化を愛した仏デザイナー、故イブ・サンローランらが集めた貴重な伝統衣装を展示する博物館がある。
秋になると中東の市場に並び始める真っ赤なザクロ。イランでは洋式ケーキのトッピング材料にもなるほど身近な果物。タネを吐き出す必要はあると思うが。ザクロを満載したトラックが住宅街を売り歩くころには冬が訪れている。
アラビア半島の民は、砂漠など屋外でコーヒーをいれるのを好む。自分で火をおこし、コーヒー豆を煎るところから始める人もいる。スパイスのカルダモンを入れるのが特徴。いわゆる「トルコ・コーヒー」にはないやり方。カルダモン入りのことを「アラブ・コーヒー」と呼ぶのが順当かもしれない。
砂漠の国サウジアラビアに行くと、いたるところでデーツとコーヒーで歓迎を受ける。よく見ると、デーツの色や形はいろいろで、さまざまな品種があることがわかる。コーヒーは、浅いり豆を煮込み、カルダモンを入れた独特の味。甘いものとの相性がとてもいい。
亡くなった劇画家のさいとうたかをさん、奥様が岩手・盛岡出身で、花巻市石鳥谷町に別宅があった。市内の和食店「新亀家」のうな重が好物で、別宅滞在中は、よく出前を頼んでいたそうだ。新亀家の主人は、「現代の名工」にも選ばれた有名料理人。うなぎの味、格別だったことだろう。
イースト菌などで発酵させた生地を焼くのが「ナン」。現在のイラクからトルコにかけてのメソポタミアで生まれ、現在は主にイラク以東のアジアで食べられているそうだ。イランには、スケートボード大のパリッとした食感のバルバリや、しっとりしたラバシュなどユニークなナンがあり、食べ比べが楽しい。
餅をもっと斬新な味付けで食べてみたいという人には、「もちデータベース」という便利なものもある。「一関もち食推進会議」が作成さた。例えば、ギリシャヨーグルト&香草ディル、ピスタチオなどのタレをかけたものも紹介されていて、日本の伝統食の枠を飛び越えている。 ichitabi.jp/feature/specia…